※相場英雄(1967年新潟県生まれ。2005年「デフォルト(債務不履行)」で第2回ダイヤモンド経済小説大賞を受賞しデビュー。12年に刊行した「震える牛」が28万部を超えるヒットとなる。他の著書に「血の轍」「リバース」「御用船帰還せず」など)
●まったく飽きさせない600ページ
2年前に自殺と処理されていた行方不明者が、実は他殺だったことを捜査一課継続捜査班の田川信一が見抜く。地取り、鑑取りの鬼と言われた田川刑事がコツコツと再捜査を進めると、島国で独自の進化を遂げるガラパゴス化された日本の産業の衰退、部品扱いされ生き地獄のような生活を送るほかない非正規労働者の実態があらわになる。
行方不明者「903」の正体に意外とあっさりたどり着いたのは「あれ?」という感じだったが、そこからが俄然面白くなる。田川刑事がじわじわと真実に迫る一方で、何とか逃れようとする加害者側。衝撃的な非正規労働者の闇。まったく飽きさせない、上下巻600ページだった。
23年11月に織田裕二主演でNHKでドラマ化。強面の木幡祐司警部補は木幡祐香巡査部長に替わり、桜庭ななみが演じた。
一時代を築いたシャープの「世界の亀山モデル」だったけど、莫大な補助金を投入した工場もわずか6年で操業停止となったのか。
数年前に冷蔵庫、洗濯機、電子レンジなどの家電をほぼ一斉に買い換えた。旧製品を捨てるときに思ったのは「一度も使わない機能があったよなぁ」ということ。それなのに新製品を買うときは「お、この機能いいじゃん」とか懲りずに思ったりする。で、やっぱり使わないだよねぇ。宝の持ち腐れ? いや、宝でもないかも知れないけどね。
ソフトやOSのバージョンアップにしてもそう。機能追加しても訳分からんし、使いもしない。今のままで十分やんけと常に思う。開発側としてはそうも行かないんだろうけどね。ちなみにこれまでで一番嬉しかった機能追加はアドビのフォトショップ、イラストレーターのレイヤー。それまではやり直すためには過程ごとに保存する必要があった。これができるようになって画期的に製作が楽になり、幅も広がった。歴史を変えた機能追加だった。これ以上のものはその後は生まれていないと思う。
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