知事公館の紅葉
朝から断続的に強い雨で、きょうも山歩きを諦める。ふと、アートウィークに道立近代美術館が無料なことを思い出す。
ロビーコンサートが始まり、ショパンのしなやかなピアノ曲が流れた。
窓から目を落とすと、水辺に赤や黄に色づいた落ち葉の数々。
雨粒が水に落ちると、同心の円が落ち葉を揺らしながら紋々とひろがっていく。
雨と、ショパンと、落ち葉と。心地良くその呼吸が響き合っていた。
ケヤキの巨木
エコール・ド・パリの画家たちの所蔵展を見終えて、知事公館の庭へ。
巨木の肌が雨に濡れて黒々とつややかで、空間にその輪郭を鮮やかに刻む。
濡れた紅葉も隣に迫る冬を目前に、生命を燃やすかのよう。
北海道の確かな四季は、まるで人生のようであり、この地に生まれ育った幸運を知る。
ハウチワカエデ(左)とヤマモミジ