四季・めぐりめぐりて

近隣の城館跡・古墳などの史跡めぐりなどをぼちぼちながらやっています

万葉遺跡 古河渡(埼玉県加須市)

2019年12月06日 | 史跡・遺跡・文化財


名 称:万葉遺跡 古河渡 (まんよういせき こがのわたし)
概 要:万葉集巻14「まくらがの古河の渡りのから梶の音高しも寝なへ子ゆゑに」ほか2首に関連の遺跡。
指 定:埼玉県指定旧跡(名称:万葉遺跡 古河渡(昭和36年(1961)9月1日指定)
所在地:埼玉県加須市向古河(旧北埼玉郡川辺町) 

旧北川辺町と茨城県古河市を結ぶ《三国橋》の下を流れるのが渡良瀬川で、このあたりが『万葉集』にも
詠まれた「許我(こが)の渡」に比定されるようです。
そんなことから渡良瀬川の両側である古河市と加須市(旧北川辺町)双方に古河の渡しを詠んだ万葉歌碑
が建立され、加須市側は渡良瀬川の堤防下にある鷲神社境内に歌碑が建立されています。




【万葉歌碑】
 -碑文ー

  ≪史蹟万葉古河埜渡≫
 麻久良我乃許我能和多利乃可良可治乃  
 於登太可思母奈宿莫敝兒由恵爾     
       昭和三十五年四月 
         埼玉県北埼玉郡北川辺村教育委員会建之

歌碑に陰刻されているこの歌は 万葉集巻14-3555 にあります
 読み:麻久良我の許我の渡りの韓楫の音高しもな寝なへ子ゆゑに
 仮名:まくらがの こがのわたりの からかぢの おとだかしもな ねなへこゆゑに




「万葉遺跡 古河渡」説明板
歌碑に陰刻された万葉集巻14-3555と万葉集巻14-3558の歌の大意が書かれています。

なお、万葉集巻14-3558の歌は
 原文:安波受之弖 由加婆乎思家牟 麻久良我能 許賀己具布祢尓 伎美毛安波奴可毛
 読み:逢はずして行かば惜しけむ麻久良我の許我漕ぐ船に君も逢はぬかも
 仮名:あはずして ゆかばをしけむ まくらがの こがこぐふねに きみもあはぬかも

古河渡を歌ったのが以上2首で、関連する歌として万葉集巻14-3558の歌は
 原文:思路多倍乃 許呂母能素R乎 麻久良我欲 安麻許伎久見由 奈美多都奈由米
 読み:白栲の衣の袖を麻久良我よ海人漕ぎ来見ゆ波立つなゆめ
 仮名:しろたへの ころものそでを まくらがよ あまこぎくみゆ なみたつなゆめ

があります。




「鷲神社」




万葉歌碑の脇に建立されている「青面金剛」

散策日:令和元年(2019)11月12日(火)

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。