四季・めぐりめぐりて

近隣の城館跡・古墳などの史跡めぐりなどをぼちぼちながらやっています

国指定史跡にするよう答申された「山王塚古墳」の現地ミニ見学会

2022年12月18日 | 企画展・見学会


国の文化審議会は、令和4年12月16日(金)、川越市指定史跡の『山王塚古墳』(川越市豊田町
三丁目及び大塚一丁目)を国の史跡に指定するよう文部科学大臣に答申しました。
後は手続きを経て官報に告示されますと正式に国指定史跡となります。
そんな『山王塚古墳』の現地のミニ見学会が開催されましたので参加してきました。
実際の発掘現場を見ていないだけに専門家の直接の解説は文字になったものよりもよく理解できま
した。
※現在の川越市指定史跡での史跡名称は『山王塚』




自身が参加したグループは30~40人の参加者がおりました。




発掘調査時の写真を使って説明をする川越市教育委員会文化財保護課の職員の方




墳頂の山王社に通ずる参道の下に横穴式石室があり、白いテープはその形を示しています。




発掘された石室の模様の写真




横穴式石室前庭部の写真




土橋の写真




石室の形を白いテープで表現  ][ のところは羨道と前室の境で前門 板石が立っていた部分




石室に使われていた石材




『市指定史跡 山王塚』説明板  これも近いうちに『国指定史跡 山王塚古墳』と変わりますね
現地で頂いた資料

国の文化審議会から答申されることの前触れはなかったようですから、発表を受けて急きょこの見
学会を立案・準備しての開催だったようです。素早い対応に感謝申し上げます。

見学日:令和4年(2022)12月18日(日)

山王塚古墳・南比企窯跡 国史跡に

2022年12月17日 | 史跡・遺跡・文化財


国の文化審議会は昨16日、7件を国の史跡にするよう文部科学大臣に答申しました。
この7件のうち、埼玉県では川越市の『山王塚古墳』、鳩山町の『南比企窯跡』の2件があります。
この2件とも国指定史跡を目指していたことは承知しておりましたがこんな早くとは思っていませ
んでした。




数年前に訪れた山王塚古墳の写真です。
『山王塚古墳』




こちらは全国版の記事です




数多い南比企窯跡の中で今回指定が答申された窯跡のうちの石田遺跡『石田国分寺瓦窯跡』
『石田国分寺瓦窯跡』





やはり指定が答申された窯跡のうちの南比企窯跡の一つ『新沼窯跡』
『新沼窯跡』

文部科学大臣から正式に国指定史跡としての告示があったらまた行って見ましょう。

福正寺 勢至堂の狛ウサギ

2022年12月15日 | 神社仏閣


今年もあと半月。来年令和4年の十二支は「卯(う)」=「うさぎ年」

そんなウサギの狛犬(狛ウサギ)がある埼玉県滑川町月輪の 福正寺 『勢至堂』(せいしどう)を参詣してき
ました。
福正寺は、天台宗の寺院で月光山勢得院(聖徳院)と号す。福正寺の創建年代等は不詳ながら、慈覚大師
が開創したと伝わる。
勢至堂は、当地名の由来ともなった月輪殿藤原兼実(九条兼実)が建久年間(1190~1199)に当地へ下向
した際、藤原兼実の守護仏勢至菩薩を奉安するために建立したとされます。
この勢至堂は勢至菩薩をお祀りしてあるとのことで、本来、勢至菩薩は午年年まれの守り神とされるよう
です。そして、卯年生れの守護神は文殊菩薩とのことですから、なぜ勢至堂に「うさぎ」という不思議?
難しいことは分かりませんが、『月輪』という地名に大いに関係ありそうです。
下掲の勢至堂説明板にも記されているよう、月輪殿と呼ばれた平安末期の摂政関白太政大臣九条兼実との
関係。ウサギ=月輪




福正寺




福正寺山門




山門を抜けると右手に庚申塔、地蔵菩薩、如意輪観音などの石仏




山門の正面に本堂があります




勢至堂説明板
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   勢至堂
                             滑川町大字月輪
勢至菩薩は阿弥陀仏にお仕えし智恵の光を与え下さる菩薩で三夜様ともいわれている。
この勢至菩薩はその昔、月輪大納言藤原兼実公が常に尊崇礼拝していたと伝えられ、午歳生れの守り本尊として
福徳円満開運出世、又安産や火防などに霊験があるといわれる。
堂の創建は建久七(一一九六)年と伝えられ、文禄に再建され今の建物は嘉永二(一八四九)年に再興、昭和五
十年屋根等を改修現在に至る。
格天井は彩色の花鳥図で、優雅な天女と力強い龍の絵は藤原梅秀筆による。
須弥檀の四方には勢至菩薩にお仕えする卯の彫刻が施され、郷の人は兎を食べないといわれ、縁日には精進して
信仰すると伝えられる。
      磨きぬる智恵のかがみや勢至堂
        迷いを照らす 月の輪の里

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勢至堂は本堂の右斜め前に建立されています




狛ウサギ 平成17年建立のようです




阿形の狛ウサギ




吽形の狛ウサギ




吽形の駒兎の前斜めに説明板にも書かれていた歌
 『磨きぬる智恵の かがみや勢至堂 迷いを照らす 月の輪の里』
を刻んだ石碑が建立されています。




大棟の鬼には ウサギの顔 が




『勢至堂』と揮毫された扁額




「二十三夜大勢至菩薩」
裏面に  創業十年記念 昭和二年十月吉辰 入間郡坂戸町 建具蚕種 名前(判読できず)
と刻まれています




板碑 高さ約3.5m
阿弥陀一尊と御真言が彫られている

参詣日:令和4年(2022)12月14日(水)

さきたま講座⑤「行田市の日本遺産と埼玉古墳群」

2022年12月11日 | 講演会・講座


令和4年度 さきたま講座⑤
 講座名:「行田市の日本遺産と埼玉古墳群」
 日 時:令和4年12月11日(日)13:30~15:30
 場 所:行田市教育文化センター「みらい」第1学習室
 講 師:中 島  洋 一 氏(行田市教育委員会 文化財保護課長)
 主 催:埼玉県立さきたま史跡の博物館
 内 容:埼玉古墳群は行田市の日本遺産の構成資産になっている。日本遺産とは何か、行田市の
      日本遺産ストーリーの内容、埼玉古墳群がなぜ構成資産になっているのか、日本遺産の
      構成資産としての埼玉古墳群の価値などについて分かりやすく解説。

を聴講してきました。

さきたま講座は考古学関係の講座が主ですが、今回は会場をさきたま史跡の博物館から教育文化センター
「みらい」に移しての開講。内容も考古学とは縁遠い日本遺産を対象にした講座。
平成29年(2017)1月28日、行田足袋と足袋蔵のストーリー「和装文化の足元を支え続ける足袋蔵のまち
行田」
として埼玉県初の日本遺産に認定されましたが、認定に至る経緯や日本遺産を活かしたまちづくり
等についてお話をして頂きました。




 
講座資料




足袋蔵のまち行田

聴講日:令和4年(2022)12月11日(日)

慶徳寺の四天王像

2022年12月10日 | 神社仏閣


ほとんど毎日拝見させていただいているSさんのブログで滑川町中尾の慶徳寺四天王像の写真が
掲載されていました。
ブログネタも底を衝いてしまい更新できずにいましたので、これをSさんからのヒントととして、
慶徳寺四天王像をアップしたいと思います。
かつて城館跡巡りの一環として、徳川家康旗本岡部太郎作の陣屋跡と推定されているこの慶徳寺を
訪ねたものの、ブログ記事にすることなくお蔵入りになってましたが、その際の写真何枚かを載せ
て生存証明にしたいと考えまして・・・訪問日は何と5年前の平成29年(2017)11月6日です。
慶徳寺は曹洞宗のお寺さんで、山号を醫王山・院号を薬王院と号し、釋迦牟尼佛を本尊としていま
す。




『四天王門』
本来は薬師堂の門であったようですが、今は寺の総門となっているようです。
この総門に安置されている四天王像は寄木造りで江戸時代中期の作と思われるとのことで、滑川町
指定有形文化財となっています。




山号『醫王山』と揮毫された扁額
※各像の位置と向いてる方向を入れてみました




『持国天』   名札等がありませんので自信ありませんが・・・以下同様




『増長天』




『多聞天』




『広目天』




『本堂』




『鐘楼』
写真左側が薬師堂への石段登り口




薬師堂への石段




薬師堂  中武蔵寅薬師72番札所
古くから「加田(がだ)のお薬師様」として近隣の信者を集める。(字加田 旧加田村)




向拝の天井絵




寺沼




「第一關 慶徳寺」とある石碑の右側が参道 ここから慶徳寺までは約250m
左にある祠の石仏は不動明王」か?

「国指定史跡 鎌倉街道上道」を歩く Ⅱ

2022年12月06日 | 鎌倉街道


埼玉県毛呂山町の「鎌倉街道上道」(かまくらかいどうかみつみち)が、令和4年11月10日国の史跡に指
定されました。
指定の範囲は、交通遺跡、集落跡、寺院跡、塚の異なる種類の遺跡で構成され、街道跡は北から鎌倉街道
B遺跡・同C遺跡・同A遺跡・仏坂(ほとけざか)遺跡の総延長1,305.9m、B遺跡を挟んで両側に広がる堂
山下(どうやました)遺跡、その西側の崇徳寺跡(すうとくじあと)と想定されている箇所、堂山下遺跡
と崇徳寺跡の南側に広がる川角(かわかど)古墳群の一部からなります。
このうち鎌倉街道B遺跡・同C遺跡・同A遺跡等は過日散策して来ましたが、仏坂遺跡のみ未散策であった
ことから周辺を含めて散策して来ました。
毛呂山町歴史民俗資料館で頂いた「文化財散策 鎌倉街道探訪」地図を片手に歩いてみたものの地図と居
る場所が中々一致せずに苦労しました(強度の方向音痴ゆえ)





鎌倉街道上道は茶色・黄色で色付けした部分の道筋です。
①から③の範囲が「仏坂遺跡」のようです。
実線の下の方(黄色部分・坂戸市森戸地区)は畑となっていますので道跡は確認できません、




県道114号川越越生線  →印のところが上記地図①の場所 
ここから鎌倉街道上道「仏坂遺跡」のようです (位置特定できない写真で失敗!!)




ここからが鎌倉街道上道の「仏坂遺跡」




鎌倉街道上道を境にして写真左側が元・西大久保村(現・毛呂山町大字西大久保)
右側が元・市場村(現・同大字市場)




電柱のところで道路と交差します




上記地図②の地点  このまま←印方向に鎌倉街道上道は延びています




掘割ではなく切通しの道で高麗川方向に緩やかな下り坂です
ここもやはり切通しの道を境にして写真左側が元・西大久保村(現・毛呂山町大字西大久保)
右側が元・市場村(現・同大字市場)




この辺りから下り坂が若干急になります




振り向くと坂がよくわかります




切通しはここで終わり 上記地図③の場所 ここまでが「仏坂遺跡」の範囲でしょうか
鎌倉街道上道は更に↑印の方向に延びています




切通しを出たところ右方向に(写真では左側のイチョウの木があるところ)市場神社が鎮座




切通しを抜けて緩い坂を下ると舗装道路に合流




振り返った状況 奥が切通し




鎌倉街道上道が合流した道路は少し進むと弓なりにカーブをしますが、鎌倉街道上道はそのまま
直進していたようです。
但し現在は畑となっていて道筋の跡は分りません(ここは坂戸市森戸になっています)




道路が毛呂山町大字市場と坂戸市大字森戸の境界
左の畑は森戸地域でこの中を鎌倉街道上道が通って、高麗川に至り渡河したのでしょう。




市場神社の鳥居




市場神社二の鳥居と境内




市場神社社殿
創建年代等は不詳ながら、当地の旧名主家山崎家が鎌倉から三島様の神体を携えて当地に移住し、
三島社を祀ったと伝えられる。江戸期には市場村の鎮守として祀られ、明治期に各社を合祀し市場
神社と改称




境内社 八坂神社




境内社 大利天神社




市場本村の地蔵菩薩  地図 あ 地点




馬頭観音 坂戸市森戸地内 地図 い 地点

散策日:令和4年(2022)12月2日(金)

三都県公開セミナー「遺跡・遺物が語る いのり」

2022年12月05日 | 講演会・講座


令和4年度東京・神奈川・埼玉埋蔵文化財関係財団普及連携事業公開セミナー
  遺跡・遺物が語る いのり
日時:令和4年(2022)12月4日(日)10:00~16:15  (開場 9:30)
会場:行田市教育文化センター みらい (埼玉県行田市佐間)
主催:公益財団法人 埼玉県埋蔵文化財調査事業団
共催:公益財団法人 東京都スポーツ文化事業団 東京都埋蔵文化財センター
   公益財団法人 かながわ考古学財団
   行田市教育委員会
後援:埼玉県教育委員会

に参加(聴講)してきました。

本公開セミナーは東京都・神奈川県・埼玉県の埋蔵文化財関係財団による連携事業として、三都県
の持ち回りで今年度は埼玉県が主催地となったものです。




10:00~10:10 開会挨拶  依田英樹 氏(公益財団法人 埼玉県埋蔵文化財調査事業団 理事長)
10:10~10:30 趣旨説明  栗岡 潤 氏(公益財団法人 埼玉県埋蔵文化財調査事業団)
10:30~11:10 基調報告1 「石製模造品からみた古墳時代のまつり」
               藤丸亮介 氏(公益財団法人 東京都スポーツ文化事業団 東京都埋蔵文化財センター
11:10~11:20 換気・休憩
11:20~12:00 基調報告2 「神奈川県における古墳時代祭祀遺跡の様相について」
               新山保和 氏(公益財団法人 かながわ考古学財団)
12:00~13:00 昼食休憩
13:00~13:40 基調報告3 「金属製品からみた古墳時代のまつり」
               古間果那子 氏(公益財団法人 埼玉県埋蔵文化財調査事業団)
13:40~14:10 基調報告4 「北大竹遺跡とその周辺の遺跡について」
               篠田泰輔 氏(行田市教育委員会)
14:10~15:10 記念講演   「古墳時代のまつり」
               椙山林継 氏(國學院大學 名誉教授)
15:10~15:20 換気・休憩
15:20~16:10 ミニシンポジウム 司会:田中広明 氏・福田 聖 氏(埼玉県埋蔵文化財調査事業団
16:10~16:15 閉会




本公開セミナーの資料