AKB48の旅

AKB48の旅

読売新聞日曜版12月25日の「一分後の昔話」

2016年12月26日 | AKB
読売新聞日曜版12月25日の「一分後の昔話」で、12月8日に催された11周年記念公演を前にメンバーに話した内容を、秋元氏自ら明かしてくれた。以下、書き写し。

「2005年の12月8日、今、ここにいる小嶋陽菜、峯岸みなみをはじめ、20名のメンバーがステージに立った。オーディションからすぐに歌とダンスの厳しいレッスンが始まり、いきなり、こんな劇場のステージに立たされたわけから、相当、戸惑ったと思う。しかも、初日のの観客は7人だ。ガラガラの客席を見て、不安だったろう。アイドルになれると思っていたのに、テレビにもラジオにも雑誌のグラビアにも、なかなか出られなかった。でも、一期生は、そんな未来の見えない真っ暗な道を、ただひたすら進んだんだ。二期生も、三期生も・・・・・・」

「それに較べたら、今の君たちは恵まれていると思わないか? AKB48という誰もが知っているアイドルグループに所属しているんだ。でも、その分、がむしゃらさが足りないと思う。大きな船に乗って、誰かがどこかへ連れて行ってくれると甘えてるんじゃないか? まず、感謝しなさい。僕に、ではないよ。これまで支えてくれたファンの皆さんや、先輩、スタッフ、AKB48に関わるすべての人に、だ」

「『テレビに出られない』『選抜には入れない』『人気が出ない』・・・・・・不平、不満を漏らすメンバーがいると聞きました。でも、そのときに、一瞬だけでもいい、感謝の気持ちを持ちなさい。今、ここにいられることへの・・・・・・。AKB48に入りたくて、多くの人がオーディションを受けています。中には、落ちても、落ちても、頑張ってチャレンジする人もいる」

「感謝の気持ちを持てば、今、自分が何をすべきかが見えてくる。自分に何が足りないかが見えてくる。なぜ、あの人がテレビに出られて、私が出られないのか? なぜ、あの人が選抜には入れて、私が入れないのか? その答えは、自分が謙虚になれば見えてくるんだ。他人を認めれば、自分の長所にも気づくはず」

「今、目立っていないと思う君のことも、必ず、誰かが見ている。ファン、メンバー、スタッフ、きっと、誰かが評価してくれる。圧倒的な努力をしなさい。君たちが、10年後、伝説のメンバーとして語られるようになりなさい」


「正確には覚えていない」というエクスキューズこそ付いてるけど、これまで秋元氏が、メンバーが、そして様々な関係者が語ってきたことのエッセンスのような内容になってる。そういう意味での正論。

そしてもちろんのことだけど、生得のレア属性であるところの特異才能や、努力とか人知ではどうにもならない「運」については語らないし、語ることができないということもまた正論。

あと、当時の込山さんのぐぐたす書き込みが、この秋元氏の話に真っ正直に向き合ったものであったことが確認できる。

Awareness 3
http://blog.goo.ne.jp/ichthyophagi/e/4a8cfc508fef687b533eb8e202f5adf7

"Unknown"さんへのお返事

2016年12月25日 | AKB
以下コメント欄から引用

私にとってはトランプのようなものと理解すればよいのではないでしょうか 放送作家にとって台本をそれなおかつ番組を面白くするタレントは 自分が発掘したタレントでない限り敵といってもいい存在ですからね それに指原さんはこれまでのテレビの幻想みたいなものを次々壊しているのも事実です またSNSと電波のあいだを自由にいききしSNSでの発言に対し テロップで返礼を受けるというような存在も全く新しいものでしょう テレビ全盛時代の権化のようなテリーさんが否定したくなるのもむべなるかなという感じです

"Unknown"さん、コメントありがとうございます。

誤解されることを恐れずに書いてしまいますが、主にアメリカのマスコミ主導で「でっちあげられた」というか、言わば「かくあるべき」トランプ氏のイメージを都合良く受け売りして、そこに自身の主張を仮託するという無自覚のストローマンなのか、あるいはもしかして自覚的なんだとすれば、その悪質度はさらに高まることになるかと考えます。

「指原さんの新しさ」はその通りだと思いますが、トランプ氏の言動を注意深く眺めるなら、その存在様式はむしろ「裸の王様」の子供に近いものとして受け取ることも可能なわけで、前例や決まり事に従わないことはあっても、「新しさ」に該当しそうな部分はそんなにはないかも知れません。

むしろはるかに気になるのが、反トランプサイドの不寛容さでしょうか。言わば「リベラル」こそが不寛容に走るという矛盾。けれどもたぶん、それは「矛盾」なんかではないんでしょうね。

寛容と多様性ということ
http://blog.goo.ne.jp/ichthyophagi/e/6de1a5ec574d03ebfce329eb9f0e1a92

あるいは「レッテル貼り」という誤謬

2016年12月24日 | AKB
天才テリー伊藤対談「パックン(パトリック・ハーラン)」(4)世界からどんどん品格がなくなるね
www.asagei.com/72040

テリー トランプさんが勝ったことで俺が心配しているのは、アメリカという国の「品格」がなくなってきたんじゃないか、ということなんだよね。

パックン ああ、それは間違いないですね。

テリー ということは、日本もそうなっていく可能性が出てきているんですよ。これ、変な例えだけど、AKB48の中で、指原(莉乃)が台頭してきたじゃないですか?

パックン ええ。

テリー それまでAKBって前田(敦子)、大島(優子)みたいな「いかにもアイドル」って感じの子がトップだった。それが、とびきりかわいくはないけど、話術がうまい指原が出てきて、トップになった。それは別にかまわないんだけど、俺から見ると、それは「アイドル=かわいい」というイメージを崩壊させる罪を犯したのではないか、と。

パックン つまり、AKBがトランプだと言いたいんですか?

テリー いや、指原がトランプさんだと思ってるの。

パックン その見方、おもしろいですね。指原さんが登場したことで、ある意味、それまでのAKBが崩壊したってことですね。


ある種、一つの典型的な議論なのかも知れないけど、読んでてため息しか出ない。批判的なスタンスはとりたくないんだけど、こういう現実を見ない、認めないというあり方はどうなんだという。さらに言うなら、「現実を見ない、認めない」ということすら認めない。さらにその上で「為にする」議論をする。

いちおう引用部分だけでも重箱の隅を突いておくと、前田さん、大島さんは「いかにもアイドル」なのか。指原さんは「とびきりかわいくはないけど、話術がうまい」という存在なのか。それって典型的な「レッテル貼り」だよね。うーん、批判しか浮かばないので、これでおしまいにしよう。取り上げたのが間違いみたい。

アイドル評論の必要性

2016年12月23日 | AKB
<SMAP「解散」研究>中森明夫さん(2)消える統合の象徴 「2016」は時代の分岐点になった
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161222-00000002-maiall-soci

これはある意味、不幸な事態かもしれない。普段、女の子アイドルって批評を必要としないんですね。アイドル業界はマーケット(の中)だけで閉じてしまっている。アイドルと現場しかない。そこに僕らみたいな批評家が出てくると、ブーイングなんですよ。ところが、2年半前にAKB48のメンバーが握手会で負傷した事件がありましたね。あの時すぐに、「アイドルを守れ!」と毎日新聞に書かせてもらいましたよね。やっぱりアイドルカルチャーが危機になった時に、批評は必要なんですね。こうしたことは漫画・コミックの世界などでも同様です。法規制の問題などが持ち上がった時などに、批評家の厚みがないとひとたまりもないんですよ。

これは良記事というか、さすがに「アイドル評論家」を名乗るだけのことはあると言えそう。かつての「AKB48白熱論争」の頃は、いちばん違和感のようなものを感じる論客だったのに、今に至ってみると、あくまでも私の視界からではあるけど、濱野智史氏が去り、小林よしのり氏が消え、宇野常寛氏が否定されて、気がついたら中森明夫氏だけが残ってる。なんとも不思議な感じ。

SMAP解散関連という括りで見ても、ざっと諸家の論評を眺めるにつけ、中森氏の言説がいちばんまともに見える。もちろんあくまでも私が目を通した範囲でのことなんで、そこに偏りがあることは担保しつつだけど、ほぼワケの分からんおかしなものばかりが目についてしまった。

やはりここでもプロパガンダ等にだまされない議論の深化が必要なんじゃないかと思うし、そこにわずかなりとも資するものでありたいなとか、こっそり書いておこう。

「若者がいまほど音楽を楽しんでいる時代はない」

2016年12月22日 | AKB
「若者の音楽離れ」って言うな 「売れ方」にこそ注目せよ
http://bylines.news.yahoo.co.jp/tsunemiyohei/20161220-00065701/

乃木坂46と欅坂46という、同じ「坂仲間」の売れ方も違う。乃木坂46の「サヨナラの意味」の方がセールスは上であったが、MV、動画再生数、Twitterにおいては、欅坂46の「サイレントマジョリティ」の方が高かったのだ。結果的に総合JAPAN HOT100では欅坂46が乃木坂46を上回った。今年デビューした新人の欅坂46の方が注目度が高かったことが考えられる。また、センターの平手友理奈さんに注目が集まったことも、欅坂46の「売れ方」を支えたであろう。

このように音楽の楽しみ方も売り方・売れ方も多様化している。単純に、シングルやアルバムの売上だけで見てはいけないのだ。若者たちは新しい音楽の楽しみ方を既に始めているのだ。「新譜を発売直後に買って楽しんでいる若者」だけを追っていては、音楽シーンの変化などわからないのだ。

「若者の音楽離れ」を連呼するのは、もうやめにしよう。これからの音楽の楽しみ方を考えよう。いや、もう勝手に楽しんでいるのだ。


上記引用部分だけを読むと勘違いしてしまいそうだけど、論旨としてはタイトルの通り「若者がいまほど音楽を楽しんでいる時代はない」という主張で、全文引用したいくらいのすばらしい論考。全面的に同意。