箱根大観山より雪景色と紅富士の光景に7年待ってようやく出会うことが出来た。
この冬はかなりの暖冬で、日本海側でも雪が少なく、各地のスキー場は雪不足で営業できないところもある。東京は、天気の良い日中は、3月上旬頃の気温まで上がる日もあるほどだ。また例年は乾燥注意報が続発するが、今季は雨の日が多く、この週末は関東の南岸を低気圧が通った。ただし、発達したために寒気を南下させ、関東の山沿いでは何と雪。東京23区はみぞれだったようだが、自宅の東京都国分寺市は、18日午前10時頃から雪が舞い始めた。
雪が降れば行きたい場所はたくさんある。降っている地域と積雪量をライブカメラで確認し、その後の天気をGPV気象予報等でチェックし、今回は「箱根の大観山」に行くことに決定した。
大観山(たいかんざん)は、神奈川県箱根町の箱根ターンパイクの頂上標高1,015mで、箱根外輪山の南東に位置しているため展望台からの富士山と芦ノ湖の眺望は抜群で、四季折々の光景が楽しめる。大観山には何度も訪れており、芦ノ湖を入れた富士山の眺めを何枚も撮っているが、雪景色と富士の光景を撮りたいと2013年から思っていた。それは「大雪で白くなった木々と山々の向こうに芦ノ湖、そして朝陽で紅に染まる富士山」の光景である。しかし、毎年計画には入れるもののなかなか雪が降らない。降っても僅かであったり、あるいは平日であったりとタイミングが合わずに7年が過ぎてしまったが、今回ようやくチャンスが巡ってきたのである。
自宅を18日15時に出発。現地までは2時間もかからないが、撮影ポイントは狭く15人も並べば一杯。駐車スペースも6~7台というところ。絶好の天気とあらばカメラマンが大勢来るに違いないと思い、早めの出発である。中央道、圏央道、小田原厚木道路、箱根新道というルートで向かう。中央道では八王子ICを過ぎると周囲は雪景色で高尾山は真っ白だ。途中、圏央道の厚木PAで夕食。豚肉とにんにくの相性が抜群の「元気が出る丼」を頂く。その後も混雑はなく順調に進み箱根新道へ。湯本はまったく雪がなかったが、須雲川IC辺りからは一面の銀世界。芦ノ湖大観ICで降り椿ラインを進むと雪が降っており道路にも積雪。ノーマルタイヤでは無理である。ちなみにターンパイクは積雪で通行止めとなっていた。
現地には17時半に到着。何と先客の車が5台。撮影ポイントには既に7本の三脚が並んでいる。皆、考えることは同じである。駐車スペースには20cmほど積もっていて、バックでの駐車に苦労している先客もいたが、昨年末に新調したスタッドレスタイヤと前輪駆動の我が愛車。難なく止めることができ、三脚も良い位置に据えることができたのは良いが、これからが長い。星空でも撮影できるのなら良いが、雪はかなり降っていて、気温はマイナス1℃。12時間近く待機である。やることもなく、テレビやビデオを見ながら1本空け就寝。しかし早く寝てしまったため19日の午前0時過ぎに目が覚めてしまった。外はまだ雪。どんどんカメラマンがやってくる。セットしてきた三脚が動かされていないか心配になり、時々見に行く・・・
雪は翌3時頃まで降っていたが、4時半には星空が見え始めた。早速、撮影開始である。車は30台ほどに増え、20台以上が路上駐車で危険な状態。三脚は隙間なくびっしりと並び、カマラマンは30人を超えている。三脚は無事であったが、マンフロットの3ウェイ雲台にかぶせておいたコンビニのビニール袋がない。結わいていたし風もないので取れるはずがない。雲台には雪が被って凍り付き動かすまで苦労したが、気にせず撮影の準備を始めた。
それにしてもカメラマンが多い。遅く来た方は、脚立に乗ったり背伸びして撮るしかない。(私のFacebook参照)昨年の秋に、奥日光小田代ヶ原にて幻の小田代湖とカラマツの霧氷と黄葉を撮影した時は、150人を超えるカメラマン。長野の「駒つなぎの桜」や「ダイヤモンドダストとサンピラー」「真冬の上高地田代池」など、横並びでの撮影には少々うんざりなのだが、小田代湖は8年がかり、今回は7年を要している。オンリーワンの写真ではなくても、これらは、奇跡の絶景として私自身のアーカイブに残しておきたい光景なのである。
午前6時を過ぎると、富士山の姿も肉眼ではっきりと確認できた。天気は快晴で無風。気温マイナス2℃。眼下は見渡す限りの銀世界。6時50分に富士の山頂に朝陽が始め、徐々にピンク色に染まっていった。以下には、午前5時の星景から日の出前、そして日の出の紅富士まで時系列に7枚掲載した。「美しい場所の一番美しい瞬間を美しく撮る(残す)」という目標を大観山では達成できたと思う。
暖冬とは言え、今回のようなチャンスは今後もあるかもしれない。撮影したにも関わらずRAWデータが破損してしまって幻となった開田高原のけあらしと霧氷をはじめ、寄せ氷、冬の星空など、この冬に撮っておきたい光景はまだまだある。昨年末に撮影した新潟県十日町市の「蒲生の棚田(冬の朝景)」から運の良さが続いているので、もう少し「日本の冬」を楽しませて貰いたい。
今回は、全体的に色彩が落ち着き始めた7時半に現場を撤収し、他にはどこにも寄らず同じルートを逆に走って帰路に就いた。自宅近くで奇麗に洗車し、9時半に帰宅した。
以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。
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書店で販売されている富士山写真集の中の一枚のようですね。 ってか、それ以上?
好みは色々なのでしょうが
個人的には4枚目と7枚目の写真が撮れたら
ちょっと高めのお酒で祝杯と行きたいですね。
ではでは。。。。。。や
お陰様で7年待った甲斐があったと思う写真が撮れて感謝しております。
タイミングが合いましたら、是非、訪れてみてください。