オオキイロトンボ Hydrobasileus croceus (Brauer, 1867)は、トンボ科(Family Libellulidae)オオキイロトンボ属(Genus Hydrobasileus)で、沖縄本島の他、渡嘉敷島、久米島、石垣島、西表島に分布する国内のトンボ科では最大種である。平地や丘陵地の挺水植物がよく繁茂する池沼や水田・水路に生息している。翅全体が黄橙色に着色しており、後翅の広角部に褐色の部分があり、サイズと独特の翅の模様で他種とは簡単に区別できる迫力あるトンボである。
オオキイロトンボは、昨年の7月7日に沖縄で撮影し本ブログに「オオキイロトンボ」として掲載しているが、タンデム飛翔2カットのみであった。そこで、今年も同じ生息地に行って、今回は2回訪問してみたところ、たいへん個体数が多く、朝7時頃から目の前で連結飛翔するペアや産卵する多くの個体がおり、飛翔撮影の楽しさを味わうことができた。
まず、連結飛翔では、メスがオスの腹部先端に6本の脚でつかまっていることが面白い。他のトンボ類ではほとんど見られない仕草である。メスは、連結飛翔しながら腹部先端に黄緑色の卵塊を作っていく。そして連結したまま1~2回ほど打水産卵した後、連結を解き単独産卵に移る。メスはホバリングしながら腹部先端に卵塊を作っていき、ある程度の塊になると1回だけ打水して産卵を行う、この間、オスはメスの近くでホバリングしながら警護飛翔している。メスは、何回でも同じ行動を繰り返していた。
こうした様が、午前11時頃まで周囲の至る所で行われており、打水産卵の瞬間は捉えることができなかったが、それでも十分にオオキイロトンボの観察と撮影はできたように思う。
以下の掲載写真は、横位置は1920×1280ピクセルで投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。
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