幻の詩集 『あまたのおろち』 by 紫源二

幻の現在詩人 紫源二 の リアルタイム・ネット・ポエトリー

愛のメタファー

2014-08-21 23:10:01 | Weblog

窓を少し開けていると

今日は少し寒いね

でもこのくらいの方が頭はスッキリする

もう寝る時間なのにね

例によって詩日記を書いている


つまり人は人を愛したいのではないか

愛されると気持ちよかったことが

だんだん思い出されてきて

それを誰か他の人でもいいから返したいと思う

できれば本人に返せれば一番いいんだろうけど

愛ってものはそんなケチなものじゃないから

ありがとうを言って

他の人に別なひとからいただいた愛を与えるってのもありだ

だれに返しても減りやしない

総体で愛の量は増えていく

そしてだれかがだれかを愛する

それで愛の経済は成長していく

貨幣経済のようなケチで不公平なものじゃない

弱肉強食でもない

ゼロサムゲームでもない

独り占めもしない

利益のために投資したりしない

損が愛を増す

だれかからそれをもらうと

その価値に気付く

そうするとその価値をだれか他の人にも与えたくなる

そうして与えあっていくうちに

やがてそれらはひとつになっていく



理想はそうなのだろう

でも

実際は人間は苦しみの中で自己を愛している

だから

愛に気づかない

それに気づいて受け止めれば

自分も愛されていることに気づくだろう



太陽は

たぶん愛のヒエラルキーの最高位に位置している

それは万物を照らし、エネルギーを与え続けている

雨は

たぶん愛のメタファーの涙だ

苦しみ悲しみに泣くとき、生命は成長する

地は

たぶん愛の母だ

足に踏まれ、最も下にいてすべてを支える



だから

たぶん人は生きることを美しくもできるのだ

快楽に満ちていなくても

充分に美しさを堪能することはできるのだ

それがどんなに貧しく、悲しく、醜くても



なんかぼくらしくない日記になってしまったみたいだ

愛なんてまやかしで嘘っぱちで偽善だと言ってきたのだから

その意味が未だにわからないと思っているのだから

でも言葉なんてどうでもいいじゃないか
それが与えられたことを知っているし

愛したことも、愛されたこともある

だから

愛し方も知っている

そう思っただけで

すでに愛を感じている

エネルギーが溢れてくる

そのエネルギーを愛し、それに祈る

それが美しくあるように

太陽の光のように

一直線に煌めき、鋭く、温かくあるように













神秘家になるには

2014-08-21 22:48:32 | Weblog

ネットになにかあると思って、検索するんだろ?

でも何を検索すればいいかわからない

だったらこう入力してみてよ

「私が今一番したいこと」

そうすると不思議と

出てくるわ出てくるわ

次々と魑魅魍魎のように

したいことが何万件もヒットする

結局、それでもなにがしたいのかわからないのだったら

こうしてみてよ

666番目を選択すると

それがぼくの場合

”美”

っていうことだった


ぼくはネオ・プラトニスト

それも熱狂的な


イデアがあるとすれば

”美”のイデアが第一

実体はないがイデアはある


キリスト教と関係ないのに

それと結びついてしまったときから

ネオ・プラトニズムは死んだ

ドグマ化して頭でこねくり回し始めたら

それはもう終わったも同じこと


ぼくには神秘家の云わんとするニュアンスがわかる、感じる

幻視者が「美のイデア」と言うときの恍惚(エクスタシー)を共感できる

だからぼくはまだ見ぬものを見たいと思った

見たこともないのだから、それを見たいと思うこと自体あり得ないことなのに

それを既に見ているから

まだ見ぬものを見たいと思うのだ

それこそが神秘家がイデアと言った”理想”だ


”理想”を”夢想”することは美を創造していることと同義だ

今まで一度も体験したことがないからそれは”理想”なのに

ぼくはそれを”夢想”する

でも、本当の”理想”は想像できない

なぜならそれは”存在しない”から

それなのにそれは”在る”

無ければどうしてそれを夢想できる?


それはなんでもない所に転がっていたりする

それを拾うのはそれに気づくからだ

何十億とある情報の中から

今必要なたった一つの情報に出会うことなど

不可能に近い確率だ

それなのにそれが起きるのは

サイコロを振る前に

出る目の数が分かっているから


それが”美”というイデア

そしてその”美”そのものを体験したいという野望を抱いた瞬間から

人は、神秘家になる




インスピレーションの個室電車

2014-08-21 22:35:48 | Weblog

たぶん 言葉が 自然に溢れだしてくるから
詩を書くのだろう
一生懸命ひねりだしているようじゃ
やめたほうがいい
それが天才ってもんじゃない?
次から次にインスピレーションが湧いてきて
言葉にする時間もないくらい
イメージが過ぎっていく
瞼の裏がわ
そのうちに
言葉にできなかったギャップの堆積が
重さもないからフワフワ浮かび上がり
その浮遊が
快楽にも ならないようだったら
もう やめたほうがいいってことだから
独り言が 政治的にならないうちに
さっさと思考を停止して
テープを抜き取り
替わりに光DVDを入れて
高速回転
ゆがんだ映像が見えてきたら
その場で倒れて 風を感じる
もしそこが外だったらね
部屋の中だったら
牢獄だったら
墓場の中だったら
そのときは
祝杯を上げよう!
ほかにないだろ?
それ以上の幸せは
だから
あんな荒海を
航海してきたんだろ?
それがゴールだったなんて
誰も知らなかったけど
イッツ オールライト
その傍らに だれがいるか
見とどけるんだ
天使でも神でもない
海の水面に光る反射
それが歌っているように
見えるから
古くて若い
年をとらない
約束
だれと交わしたか
一生懸命

思い出すんだ