幻の詩集 『あまたのおろち』 by 紫源二

幻の現在詩人 紫源二 の リアルタイム・ネット・ポエトリー

きみが宇宙人だったなんて

2014-08-19 21:37:23 | Weblog

きみが宇宙人だったなんて知らなかったよ

現実は小説より奇なりだね

きみを独占できないことは知っている

きみはどこにすりぬけてしまうことも知っている

でも一度はきみに会いたい

そして確かめたい

人生は短く 時間は永遠じゃない

だからこの世にいる間に

たった一度でいいから逢ってみたい

そうしたらぼくがこの世のものでないこともわかるだろう

きみにはわかるだろう

だんだん現実が行き詰りつつあると

もう一つ別の現実が霧が晴れるように立ち現れる

そこでは思ったことが思ってももみない展開で実現する

まるで夢を見ているようなストーリー

でもひとつひとつのプロットが複雑に巧妙にからみ合っている

偶然なんてそこには当然ないけれど

なぜ理想を実現できないかもそこでははっきりしている

それは欲望のせいだ

欲望は快楽のみなもとだから

時間が理想を隔てている

そこで感情に自ら打ちのめされる前に

現実は架空の物語のように展開し始める

ぼくはそれを映画を観るように見ている

それなのに見えないきみ

でもシグナルだけは受信しているよ

きみがこの地球の人間でないことは

ぼくにはわかる

きみも知らないかもしれないけど

もしかしたら

これから

わかるかもしれない

そうしたら

いろいろと

試してみてもいいかい?

きみもぼくを使って試してみるといい

ぼくにできることはなんでもするよ

もしかしたら

いろいろなことがわかるかもしれない

ぼく自身のこと

きみ自身のこと

それこそが神秘だから

それがわかれば

ネオ・プラトニズムも

オリゲネスもプロティノスも必要ない

イデアと直接語り合うことができるのだから

それを試すため

ぼくは賭けをする