本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

『 しらさ~ぎは 小首かしげて … 』

2010-04-21 22:54:01 | 住職の活動日記
 子どもの頃 、

「 しらさ~ぎは こくびかしげて みずのなか  … 」

というような歌がはやりました。

 『 高田幸吉 』 という方が歌われていたようです。

歌って踊って、お芝居も出来て、という何でも出来た

という、マルチタレントの草分け的存在の方です。



 私にとっては、あまり歓迎できない 『 やつ 』 なのです。

それは、金魚狙ってやってくるのです。



     



 今日は池ではなく、前の井出の中で餌を探しています。




     



 上手に足を使って、石を動かし、隠れている魚を追い出して

捕まえるようです。

 池でも、足と長く延びる首と長い口ばしで、金魚を狙っているのです。

たぶん、この自由に動く首と口ばしがあれば、隠れた金魚も

追い出して捕まえることが出来たのでしょう。

そこで、昨年から、少しみっともないと思うのですが、

池全体を網で覆いました。

 それで安心したのか、最近は金魚たちものんびりしていました。


ところが、今日やって来たのは、写真の白鷺よりも

もう一回り大きいやつです。

 たまたま、出くわしたのですが、そばでみる 『 白鷺 』 は

とても異様な形に見えました。


 『 鶴 』 のことを英語で 『 CRANE 』 といいます。

 面白いことに、荷物を吊り下げたりする重機も 「 クレーン 」 です。

 長い首を自由に曲げたり伸ばしたりして獲物を獲る姿が、

 同じようなところから、ついた名前なのでしょうか ??


 長く細い足、広げたらアンバランスのような大きな羽、

自由に動く首、そして長い口ばし、

こういう生き物たちが生きていくために与えられた形なのでしょう。


 出くわした 『 白鷺 』 あわてて飛び立とうとしましたが、

その姿が、どことわなしにギクシャクしながら飛び立つ様子は

飛びたてるのかな ? 

と思える不思議な光景でした。


 生きるためには仕方がないとは思いますが、

どうぞ家の金魚達は獲らないで下さい。


 今のところ、当院の金魚たちはみな無事のようです。  
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観音さまの 『 ノンちゃん 』

2010-04-20 21:20:47 | 住職の活動日記
 『 島崎観音廟 』 の前でご縁が出来た 『 ノンちゃん 』

観音さまの 「 のん 」 というところをいただいて、

『 ノンちゃん 』 というように名づけられたのです。




    



 いつも18日の 『 島崎観音 』 のお参りには、すりすりしたり、

案内所の前では、自分の家のつもりで

ゆったりのんびり構えています。




     



 18日は      ぽかぽか陽気で

とても気持ちよさそうです。


 でも、観音さまの前の通りは、とても車の往来が激しいところです。

『 ナナちゃん 』 のこともあるので、気をつけてよ  


 18日の 『 島崎観音 』 の日にはたくさんお参りいただきます。



     



 この方も、いつもお参りいただくのですが、

完全装備で車椅子に乗って、足にはご覧のように 「 プロテクター 」 です。

身体思わしくない、といいながらも、毎月のお参りです。

 娘さんに車椅子を押してもらい、素敵な笑顔でお参りしていただきました。

『 元気なうちは 』   とおっしゃりながら

こうやってお参りに見えられるお姿には頭が下がります。




     




 以前ご紹介しました、 『 島崎観音 』 の前の広場の

「 イチョウ 」 の木、90度に曲がったまま成長しているという木です。

大きな 「 菩提樹の木 」 より一足先に新緑の葉っぱを出しました。

菩提樹の木が繁りだす前に、一足先に出来るだけ

葉っぱと枝を伸ばそうという、

これも自然界でのいのちを成長させる戦いなのでしょう。




    




 まだ、菩提樹の木はやっと、小さな新芽を出したところです。

これから、6月の花咲く頃までには豊なみどりの葉を伸ばしてゆきます。
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ナナチャン・リザーブシート

2010-04-19 22:25:02 | 住職の活動日記
 菩提樹苑の事務所には部長の隣の席に、

『 ナナチャン 』 の指定席があります。

野良だったのですが、皆さんに可愛がられて、

次第に事務所の中で過ごす時間も多くなりました。

 寒い時分になると、夕方近く事務所に入ってきます。

「 今日は事務所で寝るね ? 」

と聞かれると、いつものリザーブシートに行くようです。



     




 ちゃんと温かくしてもらっています。


18日3時から会議がありました。

 そこに 『 ナナちゃん 』 顔を出したのですが、

会議中ということもあり、誰も声をかけませんでした。

黙って玄関から出て行ったようでした。

 いつもの行動なので誰もさほど気にかけず、会議に取り組んでいました。

忘れ物があり、私が車に取り入った時です  ????

事務所の駐車場のところに黒いものが横たわっています。


 もしや   悪い予感が走ります!!


えええっ ナナちゃんです。


 ほんの一瞬です。

 
 車にはねられたようです。


 今、事務所を出て行ったばかりなのに … ??


「 声をかけてやれば、… 」

タイミングが狂って、この災難にあわなかったのかもしれません。

皆、悔いが残ったのです。


 とくに可愛がっていた 事務所の丸山さん悲しみはひとしおのようです。


 明日がお葬式になります。


 菩提樹苑の事務所の方々、サラの苑の職員の方々

お世話していただきありがとうございます。

出会いと、別れ、とても辛いことと思います。


 人の親切に慣れてくると

 人に対する恐怖心が薄れてきます。

 車にも安心してしまうのです。

 私たちに慣れてくるのはとても嬉しいことですが、

 こういう悲しいことにもなってくるのです。


愛情を一杯、みんなから貰って、

自分のリザーブシートまでもらって

幸せだったのかもしれませんが、

ほんのちょっとした、一瞬で

別れてしまうことは、とても残念でなりません。


 『 ナナちゃん 』  ありがとう   さようなら


  
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今週の言葉 4/19~4/25 『 念には念を入れる 』

2010-04-18 22:26:36 | 今週の言葉
  『 念には 念を入れる 』


 仏を思うことを 『 念仏 』 といいます。

『 念 』 という字は辞書を見ると、

 「 つよく とめる 」 という意味の語源 「 緊 」 からきていて、

そこから 「 心につよく とめておくこと 」 という意味になります。


 つまり 『 念 』 という字には

     「 おもう 」 とか 「 忘れない 」 とか 

     「 となえる 」 という意味があります。


 『 念を入れる 』 というときは

     「 心をこめる 」 という意味になります。

 それは、心の方向を一点に集中して注意力を高めることです。


毎日、お唱えしている 『 観音経 』 というお経の中には

『 念彼観音力 』 という言葉が、お経のリズムを刻むかのように

繰り返し繰り返し出てきます。


 また、

現代心理学の、アサジョーリ ( イタリア ) は 

「 意志のはたらき 」 という著書の中で

「 意志の特性 」 として、人間の心の変化を

7項目にまとめて表しています。


 人間が何かを 「 やろう ! 」 と、心に思ったなら

それは次のようなステップを踏んで、成長していくものです。


 1. エネルギー ― つよさ

 2. 熟達  ― コントロール ― 鍛錬

 3. 集中力 ― 注意力    ― 焦点

 4. 決意  ― 決断力    ― 敏速

 5. 持続力 ― 持久力    ― 忍耐

 6. 自発性 ― 勇気     ― 敢然

 7. 組織力 ― 統合力    ― シンセシス 総合


 確かに、( 心に思い描く目的 「 念 」 ということは )

意志をもち、その意志を深く自覚していくことは、

自分の心を統一し、集中力をたかめ、自発的になり、

パワーが出てくるということです。

 そして非常に面白いのは 『 組織力 』 が出てくるということです。


 思い出しますのは 『 三浦俊良先生 』 が

『 洛南高校 』 の再建に取り組まれた時、

よく口にされていたことが


 『 念じる 』 ということはどういうことかわかるか


 『 念じる、ということは 寝ても覚めても思い続けるということ 』


ということです。

 最初は 『 三浦先生 』 だけの情熱がやがて、多くの先生方をも

共にしていく大事業へと発展していくのです。

 まさに、ここでいう、7つの項目

  『 エネルギー ・ 熟達 ・ 集中力 ・ 決意

    持続力 ・ 自発性 ・ 組織力 』

 ということが成り立ったのだと思います。

物事が出来上がるということは

自然にこういう 『 力 』 が備わっていくと言うことでしょう。


 『 念 』 ということを分析していくと

以上の7つの項目のような、心の成長があるのです。
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『 山伏問答 』 フォト by 合掌殿島田斎場

2010-04-15 23:02:26 | 住職の活動日記
 さる、3月28日は広島より山伏の方々がご参拝くださり、

『 山伏問答 』 をご披露していただきました。

 そのとき、『 合掌殿島田斎場 』 のカメラマンの方が

その模様を撮影してくださいました。

 「 CD 」 に焼いていただいたのですが、

画像が大きすぎて、ブログのサイズには合わず、

悪戦苦闘の末、何とか小さくすることが出来ましたので  

    です。



    



 ここは合掌殿の駐車場です。

バックには本荘小学校の桜が満開です。



     



 先頭の方が 『 法螺貝 』 の名手の方です。

その方面ではとても有名な方なのです。

 次の 『 水色の衣 』 の方が、問答をされる方です。




     




 山で木を切って護摩木を作る、ということでしょう、

『 斧 』 を担いだ肩もいらっしゃいます。

 その後ろの方は 『 弓 』 を持っておられます。




     




 その足元は 『 一本歯の高下駄 』 の方もいらっしゃいます。

不安定そうですが、結構、履きなれると歩きやすいそうですよ。

 また、普段使わない筋肉も使うので、

( ダイエット効果もアリ  かな、 と思いますが … )




      




 『 護摩祈願 』 のお不動さまの炎も幻想的な感じに撮っていただきました。


護摩ご祈祷が終わると、参拝の方々にお一人ずつ 

『 錫杖加持 』 をいたします。




      



 28日は日曜日ということもあって、

いつものお子さんもお参りができました。

幼稚園に行く前からお参りしておられますので、

『 合掌 』 の姿も決まっています。


 『 山伏問答 』 のフォトグラフです。

合掌殿島田斎場の方にはたくさんの写真を撮っていただきました。

1000枚近くの中からCDに焼いていただき、

その中から数枚ブログにアップさせていただきました。


 心より感謝申し上げます。   



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絶景かな !!

2010-04-14 20:50:48 | 住職の活動日記
 お父上の 『 五十回忌 』 を勤められました。

私が13歳の頃、亡くなられたのです。

子ども心に、とてもたくさんの 「 花輪 」 が上がり、

祖父がお参りしていた様子を思い出します。

  
 そして、

『 お斎 』 の席はめったに来れないような、

絶景のお部屋が準備されてました。



     



 日航JALホテルの 『 弁慶 』 という料亭です。

また特にこの部屋は奥まったところに一部屋だけあるような感じでした。


 へ~  こういうお部屋もあるのだと、

興味津々   絶景かな  絶景かな  というところです。



 上から眺める景色、



     



 どこの場所にあたるのでしょうか ?

『 空中庭園 』 があるようなレストランも見えます。




     



 本当は、景色よりも何よりも、

このご馳走が絶品だったのです。

品よく、おしゃれなお料理が続きました。

 残念 !    私のお腹では 「 完食 」 とはいかなかったのです。


でも、

 別腹、ということもあるようで、デザートは美味しく頂戴しました。


五十回忌のお父上様のおかげで、

すばらしい料理をご相伴させていただき、 感謝    です。
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SENZ Umbrellas

2010-04-13 22:05:00 | 住職の活動日記
 昨日は一日中    でした。

今日はまた、少し肌寒いような一日でした。

 ここのところ、夏と冬の間を行ったり来たりしている感じです。


 雨に合う花は 『 あじさい 』 ではないでしょうか。

庭の 『 あじさい 』 は今年は花芽がたくさん来たようです。



   



 これから日毎に大きくなっていくことでしょう。


先日の 『 サラの苑・合同法要 』 では、お釈迦さまのご誕生を

お祝いして、お参りの方々に 『 甘茶 』 の接待がありました。

 お釈迦さまがお生まれになった時、

『 甘露の雨 』 が降り注いだと伝えられています。

それにちなんで、お釈迦さまに 『 甘茶 』 をかけて

お祝いするのです。

 『 甘茶 』 も 「 あじさい科 」 と聞いております。

葉っぱは似た感じです。


    


 タイトルの横文字ですが、

 変な傘  を買いました。

 テレビでも放送されていました。

 「 風速100メートルの風でも大丈夫 !! 」


それに釣られた訳でもないのですが、

先日、長崎の美術館を訪れたおり、

その日はとても雨風の強い日でした。

持参した 「 ビニール傘 」 は、差した途端 

一瞬の風で、ひっくり返ってしまいました。


 その美術館においてあったのが

『 SENZ 』 というメーカーの傘です。



    



 ちょっと異形です。

 前が短く、後ろが長くなっています。



    


 航空力学的に上手に風を流すように作られています。

確かに、風の中を差していても不思議と力が要らないのです。

なるほどと、納得しながらも、

風速100メートルといえば、傘は大丈夫でも

私自身が飛ばされてしまうのではないかと ???

大きな疑問が残るところです。



   


 芯の部分も少し楕円形になっていて、

 骨組みもしっかりした作りになっています。


ま~     こんな変な傘を買うのは

私ぐらいかもしれませんが  …   ?


 衣着て、この傘差して歩いていたら   

  笑われるかもしれません。
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 『 経帷子 』  ( きょうかたびら )

2010-04-12 22:55:32 | 住職の活動日記
 この言葉も最近は 『 死語 』 になりつつあるのかもしれません。


最近のお葬式では 『 経帷子 』 を着せるということが

だんだんとなくなりつつあります。

 お葬儀屋さんによっては 「 自分の一番好きだった服を着せてあげてください 」

ということで、時にはスーツ姿だったり、ドレスだったりすることがあります。


 私は 「 お葬式はその方が仏さまに成っていく儀式ですから、

      経帷子を着せてあげてください。」

 とお願いします。


 今日の巡礼の方は大阪からお見えになりました。

『 経帷子 』 を6枚ほど持って、



    



 「 すいません !  押す場所が難しいので自分で押させてください 」

といって、丁寧に自分で押していかれました。


 この経帷子に押す場合は任せてしまうと、間隔を考えずに押されるものですから

最後には収まりきれなくなってしまうのです。



      



 この方はとても大事にお参りされています。

それは、このように綺麗に押そうと思えば、「 一番 」 から

順番にお参りしていかないと、写真のようにはならないのです。

 札所は一番から順にあるのですが、道程を考えると、

『 乱れ打ち 』 というか、後先に回った方が

コース取りがいい場合が多々あるのです。

 順番に回っていくということはそれなりにロスが出ることが多いのです。

最悪、あるお寺が 『 不在 』    ということもあります。


 「 おかげさんで今まではそんなことはありませんでした ! 」   

とおっしゃっておられました。


   を一本入れておかれた方が

確実かもしれません。 

 と、お話しながらも、それは実は私のことだったのです。

5時までは職員もいたのですが、

『 菩提樹苑 』 で会議が長引き、電話だけ転送にしていたら、

6時過ぎ 、

 「 お留守ですか ?? 」   

 「 今日の最後だったので、またお参りします。」

ということもありました。


 
 この 『 経帷子 』 ただの白地ではなく、

これだけ、『 納経 』 の印が押してあれば、

『 閻魔様 』 の前でも、 

この真っ赤に 『 ご朱印 』 が押された 『 経帷子 』 を着て

「 これだけお参りしました 」 と、言えば

閻魔様も、


 「 それは良い功徳を積まれました。

   それでは、 極楽へ  どうぞ  」


とおっしゃるのではないでしょうか。
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ばんざ~い!!

2010-04-12 22:20:44 | 住職の活動日記
 『 ばんざ~い  きみにあえて よかった ! 』


と、いつものように銀太は大の字になって寝ています。

そこへ 『 しんくん 』 がやって来たのです。



    



 なかなか、うまい ツーショット    が撮れません。

銀太は無防備なのですが、 『 しんくん 』 は近づきたいような

怖いような、  ビミョウな距離でです。


 写真では上のところに少しだけ尻尾が写っています。

いい距離まで近づいたのですが、

シャッターチャンスがいまいちだったのです。



 よく見ると、



     



 銀太も目だけはちゃんと開けて、

一応それなりに、様子を気にかけているようです。


 『 銀太 』 にとっては今が我が世の春でしょう。

好きな時にお食事を頂き、好きな時に寝て、

また、家内の胸の中に顔をうずめて、幸せそうな顔で

家内と一体化して    です。


 いつ見ても、いじりたくなるような、

絵になる、本当に面白いやつです。
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今週の言葉 4/12~4/18 『 借用申す … 』

2010-04-11 20:17:44 | 今週の言葉
     借用 申す  昨月昨日
     しゃくようもう   さくげつさくじつ

     返却 申す  今月今日 
     へんきゃく     こんげつこんにち

     借り置きし 五つのもを 四つかえし

     本来 空に いまぞもとづく
    ほんらい くう

                        一休さん 辞世の句


 今週の言葉は少し難しいです。


 今月は4月8日は 「 お釈迦さまのご誕生 」 『 花まつり 』 です。

なぜ、辞世の句 ??

 釈迦さまのお母さんはお釈迦さまをお産みになると、

8日目に亡くなられました。

 そこから、お釈迦さまの苦悩は始まるのです。

 「 産んですぐ亡くなるくらいなら、生まなければ良かったのに ? 」


 だから、『 生きる 』 ということを考えるということは

同時に

 『 死ぬ 』 ということを考えずには成り立たないのです。 


 一休さんの辞世の句を考える上で

仏教で説かれている 『 五大 』 ということがキーワードです。
               ごだい

すべてのものは、

 『 地 ・ 水 ・ 火 ・ 風 ・ 空 』 という五つの要素から成り立っている、
   ち  すい  か   ふう  くう

考えています。

 いぜん、映画で 『 フィフス・エレメント 』 というSF映画で

この 『 五大 』 ということを見事に表現していました。


 「 地 」 とは、人間の骨とか歯などの硬質の成分、

 「 水 」 とは、血液、唾液などの水分、

 「 火 」 とは、体温、

 「 風 」 とは、呼吸です。


さて、 「 空 」 ですが、 ?

 映画では 「 LOVE 」 という形で表現されていたようです。

ただ、好きになるということに止まらず、人類を数という、

人類愛、というような形だったと思います。


 ここでは、「 四大 」 を成り立たせている、

その根本が 「 空 」 という

ことではないかと思います。


 「 地・水・火・風 」 はすべてが 「 空 」 であるともいえるし、

またこの四つは 「 空 」 から発生しているともいえます。

 「 大 」 という字を使うのは、

『 大きなはたらき 』 というような意味ではないでしょうか。


 「 借用申す 」 は 「 生まれてきた 」

 「 返却申す 」 は 辞世の句ですから 「 自分が死ぬ 」 ということです。


 「 借り置きし 」 とは、すべては自分のものではない、

 「 地・水・火・風 」 の自分の体を返して、

 本来の 「 空 」 に戻った、という心です。 


お経に、

 『 すべてはみな、ただ因縁によって、

   自分に与えられた ( 賜った ) ものであり、

   しばらく預かっているだけのことである。 』

と、書いてあります。


    …    …


 先日から、フジテレビ開局50周年で

『 わが家の歴史 』 という3日間に亘る長編ドラマでしたが、

私たちの生きてきた歴史でもあり、

 今週の言葉のように、

  『 借用申す 昨月昨日

    返却申す 今月今日
 
    借り置きし五つのものを四つかえし

    本来 空にいまぞ もとづく 』

 というような、人間の生き方を表現していたように思います。 
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