本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

今週の言葉 4/19~4/25 『 念には念を入れる 』

2010-04-18 22:26:36 | 今週の言葉
  『 念には 念を入れる 』


 仏を思うことを 『 念仏 』 といいます。

『 念 』 という字は辞書を見ると、

 「 つよく とめる 」 という意味の語源 「 緊 」 からきていて、

そこから 「 心につよく とめておくこと 」 という意味になります。


 つまり 『 念 』 という字には

     「 おもう 」 とか 「 忘れない 」 とか 

     「 となえる 」 という意味があります。


 『 念を入れる 』 というときは

     「 心をこめる 」 という意味になります。

 それは、心の方向を一点に集中して注意力を高めることです。


毎日、お唱えしている 『 観音経 』 というお経の中には

『 念彼観音力 』 という言葉が、お経のリズムを刻むかのように

繰り返し繰り返し出てきます。


 また、

現代心理学の、アサジョーリ ( イタリア ) は 

「 意志のはたらき 」 という著書の中で

「 意志の特性 」 として、人間の心の変化を

7項目にまとめて表しています。


 人間が何かを 「 やろう ! 」 と、心に思ったなら

それは次のようなステップを踏んで、成長していくものです。


 1. エネルギー ― つよさ

 2. 熟達  ― コントロール ― 鍛錬

 3. 集中力 ― 注意力    ― 焦点

 4. 決意  ― 決断力    ― 敏速

 5. 持続力 ― 持久力    ― 忍耐

 6. 自発性 ― 勇気     ― 敢然

 7. 組織力 ― 統合力    ― シンセシス 総合


 確かに、( 心に思い描く目的 「 念 」 ということは )

意志をもち、その意志を深く自覚していくことは、

自分の心を統一し、集中力をたかめ、自発的になり、

パワーが出てくるということです。

 そして非常に面白いのは 『 組織力 』 が出てくるということです。


 思い出しますのは 『 三浦俊良先生 』 が

『 洛南高校 』 の再建に取り組まれた時、

よく口にされていたことが


 『 念じる 』 ということはどういうことかわかるか


 『 念じる、ということは 寝ても覚めても思い続けるということ 』


ということです。

 最初は 『 三浦先生 』 だけの情熱がやがて、多くの先生方をも

共にしていく大事業へと発展していくのです。

 まさに、ここでいう、7つの項目

  『 エネルギー ・ 熟達 ・ 集中力 ・ 決意

    持続力 ・ 自発性 ・ 組織力 』

 ということが成り立ったのだと思います。

物事が出来上がるということは

自然にこういう 『 力 』 が備わっていくと言うことでしょう。


 『 念 』 ということを分析していくと

以上の7つの項目のような、心の成長があるのです。
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