本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

お盆のお参りスマート大活躍

2006-08-19 00:17:57 | 住職の活動日記
 熊本はお盆は7月と8月の2回あります。今回はスマートの軽が大活躍してくれました。
ご存知の方もおられると思いますが、「スマート」と二人乗りの軽自動車なんです。
今年の六月半ば我が寺へやってきました。前からあこがれていた車でしたので、首を長くして待っていました。
 ところが実に乗りにくい、今までの車とはすべてが勝手が違う。キーの位置も変なところにある。陸送の方から鍵を渡されたものの、最初はどこにキーの穴があるか分からない。
 ギア-もなんかギクシャクする。
しかし、乗りこなしていくと実に面白い。変に人間に妥協しない所がいい。
 今の日本の車は人間にへつらいすぎているのでは。すべてにおいていたれりつくせり。これでいいのだろうか。豪華な応接間がそのまま走っているようです。
 うちのお寺にも家相の相談によくおみえになります。みなさん自分の好き勝手に設計されてこられる。家相にそってで少しずつ手直しをしていく、たぶんなんでこんな面倒な事をいわれるのだろう、と思っておられるのではないでしょうか。
 家相に合った家を作られた方は、最初は首を傾げられる。しかしだんだん住んでいくうちに、「やはり相談してよかった」というお言葉を頂く事が多いのです。
 このことは仏教の言葉に「人間は否定されるものによって甦る」ということがあります。肯定だけされていては本当の自分は出てこないのです。
 飛躍するようですけど、スマートの車は最初から人間に迎合してないところが実にいいと思います。だんだん楽しくなっていきます。ハンドルも重い、半分マニュアルで走ってますがギア-のタイミングもエンジンの音と合わせながらチェンジ、バックの時もウンウンとギクシャクしながら車庫入れ、こっちが車に合わせなければいけない。よく考えてみるとこんな車も本当は大事なのかもしれない。
 片手でハンドル操作も出来ない、まして携帯片手に運転なんか絶対に出来ない(上手な方はされてるでしょうが)日本でもこんな車作りも必要なのではないでしょうか。
 話は行ったり来たりしますが、大事な点は人間は不思議なもので肯定だけではなく、自分を否定されるものを自分の中に持っているのです。そして自分を否定する事によって本当の自分が出てくると言う事です。
 本当に不思議な生き物です。みなさんも考え直して見られると、そういう経験は過去にたくさんあったはずです。簡単には少し人のためになることをして喜ばれたとか、席を譲ったりもそうですね。そういうことをヒントに自分を振り返るのも大事ではないでしょうか。
 スマートから随分話がひろがってしまいました。
おやすみなさい。
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