本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

賓と濱

2019-05-26 15:31:20 | 漢字

ちょうど、国賓として

トランプ大統領がお見えですが

この賓という字と

この賓にサンズイが付いた濱

微妙に似ているようで

厳密には濱の場合には点がいらない

縁者にこの字があって

ついつい少ないというように

書いていたのですが

の場合は点はいらないよ

という指摘を受けて

よく見ると点がない

 

という字は

ウ冠かと思いきや貝部になります

もともとの意味は

神を祭宮に迎えて敬いもてなす

ということで、

そこから、もてなされる人

そして、

神が人を訪れる、

もっともたっとばれる客となった

ようです

貝が付くのは、

客と主とが貢物や贈り物を

ならべて見せ合ったので

宝物をを表す貝が付いたという

ことです。

賓を「まろうど」ともいいます

これはマラヒトの転で

稀に来る人の意というように

広辞苑にはあります。

 

濱はもとは別の意味で

音だけを取って当てたようです

ちょっとした違いで

意味が全く変わってきます

 

以前から気になっていたのは

怒という字と恕という字

ちょっと見ると

よく似た字です

しかし、意味は全く違ってきます

女に又か女に口かで

そしてその下に心を書きます

これは又と口との違いではなく

奴隷の奴と如来の如となると

違いは一目瞭然です

 

平成天皇の一番愛された言葉は

「忠恕」ということです

直接お会いして

聞いたことはないのですが

確か新聞等でそのように知りました

「恕」ゆるすということが語源で

おもいやる、おもいやり、

自分の心を多におし及ぼす同情心

と辞書には出ています。

 

まごころと思いやりをもって

人々と接してこられたことは

平成天皇の信条だったようです。

 

それに対して「怒」は

奴がいかるさま、とあります

煩悩の中でも

小隋煩悩の最初に出て来る煩悩です

徳川家康も人生訓で

「怒りは敵と思え」

といっているように

怒りはすべてを壊してしまいます

この心も発展型があって

最初の怒りは「忿」フン

なにか言われたとか

気に食わないことがあって

ムカッとした

といういかりです

それがそのままで終われば

それでいいのですが

それが後を引き心に残ってきます

それが「恨」コンです

夜中にふと思い出して

又思い返して腹が立ってくる

ということです

それが繰り返し思い出され

心にしこりのように出て来るのを

「悩」ノウといいます

思い出して追体験するのです

本当に悩ましてくるのです

 

いかりも

忿→恨→悩と発展してくる

煩悩もそのままではなく

よく見極めておかないと

ついつい成長して

自分でも手に負えなくなってしまう

そこに怖さがあります

そしてそのことがいよいよ実行に

移された場合が

「害」という煩悩です

相手を叩き壊そうとする

まあ、これが怒りの完成形です

 

漢字も面白く

ちょっとした違いで意味も全く

変わってくるものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 山法師が一輪咲きました | トップ | 令和の不動護摩(春の大祭) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

漢字」カテゴリの最新記事