仏さまの声は八つあって
「八音」ハチオン、ともハットン
とも呼ばれています。
声というのもとても大事で
毎日テレビとかから流れてくる
色々の声、声にも個性があって
聞きなれた人の声は
声だけで誰か分かってしまいます
私はとても苦労しました
なかなかお経の声にならなくて
いつも師匠から叱られたものです
最初の頃は
どんな声で読んでいいのか
どのように声を出したらいいのか
そういうことで困っていました。
極楽には美しい声で鳴くという
迦陵頻伽カリョウビンガとか
共命鳥グミョウチョウという鳥たちが
いたといいます
面白いのは共命鳥です
頭が二つあって体は一つ
身体は一つなのですが
頭が二つあるので考えることが
それぞれ違っていたのです
それで、自分の方がいい声だと
言い張り、あいつさえいなければ
ということで、
毒を飲ませて片方を殺してしまい
ました
ところが、身体は一つなので
毒が回りお互い死んでしまった
という話があります。
それでお釈迦さまの声は
八つあるので
八種清浄音、八種梵音声ともいい
優れた特質というか功徳がある
といわれています。
1.極好音、最好音、悦耳声、
悦耳声といわれ、
聞くものを厭わずに道に入らせる
という声
2.柔輭音ニュウナンオン
優しく愛らしい声
3.和適音ワチャクオン、和調声
適度に調和して聞くものの心を
快適に和らげる声
4.尊慧音、入心音
聞くものの智慧を開く声
5.不女音フニョオン、無厭声
男性的に明朗活発で人を畏敬
させる声
6.不誤音、分明声フンミョウショウ
聞く者に正見ショウケンを得させる
過誤なき声
7.深遠音ジンノンオン、深妙声
深奥の理をさとらせる
甚深ジンシンなる声
8.不竭音フカツオン、易了声
明瞭で尽きることのない果を
得させる声。
という八つです
そいいえば師匠の三浦先生の声は
どことなく悲壮感のあるというか
引きずり込まれるような
そういう説得力のある声でした
安田先生も静かな中に淡々と
話されるのですが
求めている人には
心に突き刺さるような声
だったように思います。
妙なもので
たまに三浦先生の声に接すると
背筋がビシッと伸びるような
性根が入る気がします。
声というのも
生まれつきということも
あるのでしょうが
これもまじめに鍛え上げていけば
それなりに人の心に響く声に
なってくるものだと思います。
大滝秀治さんでしたか
あの嗄れ声の
あの方も自分の声に随分
悩まれたようです
監督からもお前の声は駄目だと
それでも
自分なりに積み重ねていくと
何とも言えない味のある声になり
一度聞いたら忘れない
そういう個性のある声になった
ということです。
何気なく発する声も
心を込めて話していると
そのような声になってくる
ようです。
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