「種姓」(しゅしょう)という
新しい言葉が出てきました。
たぶん聞いていたはずなのに
まったく記憶に残らなかった
言葉です。
種姓というのは、
種タネという字と姓という字で
姓名とかの姓です
姓はもと生まれた血筋、族の名
ということを表す言葉です。
また、この性も使いますが
こちらは生まれながらの心の
はたらきという意味です。
「種姓」ということも
辞書には、
それぞれさとりを開く種タネ
となる本来的な素性、素質と
あります。
インドの言葉のゴートラを
訳したもの、です。
講義では、
「誰が迷い、誰が自覚していく
のかと。
誰かということを論で問題を
出しとるんです。
そうするとそれは大乗の、
二種のね、種姓というね、
大乗の種姓や。
大乗の種族であるような、
そういう衆生が、
誰が道を歩むのかといえば、
大乗の種姓であるような衆生が
ですね、
その位に住する衆生と
いえるんだと。
つまり求道者という意味です。
この種姓と字がね、
ゴートラ(gotra)ですけどね
種姓という字が女偏のある姓です
頭がいいとかいうんじゃない、
頭がいいとか愚かとかいうこと
でもないし、
それから努力したというような
ことでもないしね、
元気があるとかいうことでも
ないしね、
なんかそこに顔がきれい
ということでもないしね、
これは不思議なことじゃないかね
僕はその大乗の種姓というのは
尊貴性というようなこと、
あるいは尊厳性。
つまり、
菩提心を起こした衆生という時に
初めて、
人間は尊厳性を持つんだと、
こういう意味がある。
賢いとか勉強するとか
そんなこといってみても
話はけちくさいと。
就職とかね、
そういうものは、なにかというと
名利になるんでしょう。
人間が尊厳性を失えば、
じゃどうなるかというと、
人間は名利に落ちるわけです。
名利ということは
けちくさいということでしょう。
菩提心に立たん学問は、
何が動機になっとるかといえば
押さえてみれば
みな名利なんです。
名と利しかありゃしません。
学校の資格というようなものが
そうですね。
資格をとれば、
有力な位地が得られるんだから
社会に。
まあいってみりゃ低い名利だけど
何とも言えんそこにけちくささ
があるでしょ。
多少上も下もあるけどもね、
上も下もあっても
それはけちくさいもんやわね。
尊厳性というようなものじゃ
ないでしょう。
この尊厳性をもった衆生を
菩薩といったわけです。」
種姓ということに二種あって
大乗二種種姓
一つはもって生まれ素質、本来性
ということで
本性住種姓ホンショウジュウシュショウ
それからもう一つは
後天的といえる修行による
深い経験を重ねて得るところの
習所成種姓シュウショジョウシュショウ
というものがあります。
講義では
「本性として住すると、本来性。
本来尊厳であるのは、
本来として尊厳なんだという意味
と、それからして
またそうじゃない、
だんだんそれは深い経験を重ねて
成就されたんだと。
習というのは薫習クンジュウという
意味ですから、
長い経験の結果として
そういうものができ上がった
んだと。
尊厳性というものは、
天から降ってきたもんじゃない
本来持っとるものが
尊厳というもんだと。
こういうような二つの姓
これはどっちも還元できんでしょ
二面でしょう。」
ということでこの巻は終了です。
またこの問題は出てくると
思いますので、
「種姓」という言葉が
新鮮でした。
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