本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

而今(じこん)

2017-11-22 19:34:56 | 漢字

御鮨を頂いている時に出て来た

お酒「而今」

 

 

三重県名張のお酒

日本酒では全国2位にランク付け

 

たった4人しか座れない御鮨屋さん

しかし、

全国の食材を取り寄せ

一番旬なものを出して頂く

その割には値段が安い

 

 

 

北海道のニシンとか

この写真はさんまかイワシか

なにせとても美味しい

 

 

煮アナゴも絶品!

この小ささがいい

一口でしかも

ネタとシャリのバランスもいい

 

ということで、

お酒も進み、出てきたのが

この「而今」です。

どうも気になるこの字

「而」

経典ではたしか

「しこうして」と読み

接続詞なんですが正反対のものを

同時に成り立たせる

そういう意味でとても大切な字

 

『十地経』でも今読んでいる所

「菩薩是の如く三昧智力修行に

通達して大方便智力を起こすが故に

身を世間門に現じて深心に涅槃す」

とありますが、

ここでは「而」はついてないのですが

身を世間門に現じて而も心は涅槃す

となっているのです。

身は世間、心は涅槃と

身体は世間にいるが

心は涅槃に住していると

世間と涅槃という正反対のものが

結ばっているのです。

とか、

「能く寂滅定に入って而も

寂滅定を証せず」

というようにも出て来ます。

 

ここも経典の

一つの特色かも知れません。

正反対のものが結ばって成り立つ

東京のどなたかが

「アウフヘーベン」ということを

おしゃいましたが

似たようでもニュアンスはちょっと

違うような気がします。

 

論理的に考えると矛盾する

ような気がしますが、

事実実践すると、

正反対のものが同時なりたつ

ということはよくあると思います。

 

「而今」という言葉は

道元禅師がおっしゃっているようで

過去でもなければ未来でもない

「たった今だ! 今しかない!」

ということのようです。

林先生の、いつやるか

「今でしょう!」

ということに匹敵すると思います。

 

この名張りの酒造店は

「過去にとらわれず、

 未来にとらわれず、

ただ今を精一杯生きる」

という意味で命名されたようです。

 

コースで40品目ほどでて

食べるほどに酔うほどに

「而今」という言葉も考え

とうとう、

 

 

最後の一品は

食べることができませんでした

せめて写真にでもと

残しておきました。

 

 

 

 

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