本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

五蘊は空と照見して … 一切の苦を …

2013-08-20 22:10:20 | 住職の活動日記

 『 般若心経 』 の最初のところに

「 照見五蘊皆空度一切苦厄 」

と出てきます。

 『 五蘊 』 ということも

仏教の中心問題ですが、

難しいところもあります。

 『 四苦八苦 』 のなかでも、

「 五蘊盛苦 」 と、でてきますが

四苦八苦の中でも、

 『 生苦 』 と 『 五蘊盛苦 』  が

わかりにくいところです。

 

 『 五蘊 』 ( ごうん ) ( ごおん、ともいいます )

「 色・受・想・行・識 」  の五つです。

「 色 」 は、形あるもの

他の四つは 「 受想行識 」 は精神作用

をあらわします。

 

 話は変わりますが、

孫の 「 紗和ちゃん 」  最近は

言葉のボキャブラリーも増えて、

上手のお話もするし、

自分の感情もうまく表現できるようになりました。

倶生起の煩悩  生まれながらにしてもっている煩悩

それに、最近では

分別起の煩悩  後から付いてくる煩悩

も増えて、好き嫌いも、損得勘定も

上手に出来るようになりました。

 

 『 受 』  という心理です が、

お経の中では厳密にこう書いてあります。

「 受とは謂く、順違倶非の境相を領納する 」

始めてみる言葉ですが、

「 順 」 とは順境といって、自分に都合のよい対象

反対に

「 違 」 とは違境、自分にとって都合の悪い対象

ということになります。

「 倶非 」 とは、どちらでもないこと

このような対象を自分に関係させることが

「 領納 」 ということです。

 

 生まれたての 「 紗和ちゃん 」

いままでは、自分の周りは

いろいろな 「 色 」 であふれていたでしょう。

それが、自分のものとして関係してこなかった。

ところが、

段々、言葉とモノとの関係が出てきた、

( ものを姿かたちでとらえ、

  言葉が浮かんでくる )

これを 「 想 」 というのですが、

それが、今度は

自分にとって、都合がよい、か、都合が悪いか

はっきりしてきたのです。

そして、どちらでもないことは

知らん顔しています。 ( 倶非 です )

 

 どんな小さな子といえども

ちゃんと 「 色受想行識 」 の五蘊

という心の作用を起こしているのです。

逆に大人は上手に誤魔化すので

わかりにくいところもあります。

 

 「 唯識三十頌 」 のお経に出てくるように

子どもの意識が見えてくるのは

とても、勉強になります。

また、とても興味深いものでもあります。

 

 このように、お経というのは

厳密に科学的に私たちの心理を

見抜いていることは

驚くばかりです。

 

 

 

 

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