本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

当たり前のことを当たり前に

2014-03-27 20:48:37 | 住職の活動日記

 今日は久しぶりに新幹線で熊本入り、

京都は少し肌寒いか な ?? と

中に薄でのセーターを着込んできたのですが、

熊本に着くともう初夏の陽気 !!

 新幹線の中から見る景色は桜が満開の様子。

着くと、その足で 「 済生会病院 」 へ

いつもの定期健診です。

 

    

 

済生会病院も桜が満開、

 

    

 

もう半袖の方も見えます。

車の中はクーラーが必要なほど。

 受付で、

    

 

この冊子が目にとまりました。

以前も紹介しましたが済生会病院は 「 JCI  」

という、国際基準の認証を取得したのです。

西日本では初めて、日本でも僅か9箇所の病院です。

それには14章1220の項目をクリアーされたそうです。

その中で目にとまったのが、

 「 当たり前のことを当たり前に。

   患者さんの視点に立った医療へ 」

ということです。

とても地味な作業の積み重ねを実行され、

「 ペイシェンツ・アイズ ( 患者さんの視点 ) 」

をキーワードに取り組まれたということです。

 

 それからもう一つ、感心させられたのが、

『 明文化 』 ということです。

日本ではすべて明文化せずとも、

暗黙の了解というか、言わずもがなの文化がありますが、

国際基準では適用しません。

全員で共有できるよう何事も明文化することを

徹底させました。

と述べておられます。

 簡単なことですが徹底するということは

大変です。

 そういわれてみると、行く先々で

名前と生年月日の確認がおこなわれます。

もう分かっているのではないの ??

と、言いたくもなりますが、

この冊子を見て頷かされました。

 

 仏教のほうでも、当てはまるところがあります。

鳥の鳴き声を聞いて悟りを開いた、 とか

滝の音を聞いて豁然として悟りが開けた

という話がよく伝わっています。

 しかし、それは個人的な体験談であって、

いかに明文化するということが大変なことです。

 お経も8万4千の法門といわれています。

それはありとあらゆる人間の経験を

明文化したということでしょう。

 煩悩でも108もあるという発見は

人間の迷いの構造を明文化していったということです。

 お釈迦さまのほかの聖人といわれる方々と

一線を画しているのは人間という存在のあり方を

明文化されたということです。

 今読んでいる 「 唯識三十頌 」 でも

「 十地経 」 でも、人間の構造を

微に入り細に入り研究し尽くしているということです。

 

 そのことも、特別なことがあるわけではなく

当たり前のことを当たり前にする

それも丁寧に、

し続けていくしかないように思います。

 

     

 

受付のロビーで待っていても、

そのことを考えていたら心が熱くなりました。

 

 

 

 

 

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