本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

貧乏な人とは !?

2016-05-02 21:19:19 | 漢字

『貧乏な人とは

少ししか物を持ってない人ではなく

無限の欲があり

いくらあっても

満足しない人のことだ』

 

とは、ウルグアイの

ホセ・ムヒカ大統領の言葉です。

いま世界中でこのことが話題に

なっています。

 

「貧」とよく似た字に「貪」があります。

どちらもお金を意味する

「貝」がついています。

「貧」とは、この字を分解して

貝を分ける、と言った方がいます。

財貨が多くの人に分けられて、

一人の所得が少なくなったこと、

と辞書には出ています。

 

「貪」は、むさぼるという意味ですが、

仏教では三大煩悩の一つに数え、

読み方は貪(トン)というように読みます。

三大煩悩は「貪」「瞋」「痴」(トン・ジン・チ)

です。

また、文字を分解すると

貝の上に今というふうになります。

貝(お金)が今、欲しいということでしょう。

金銭を独り占めにしようとむさぼる、

と辞書には出ています。

 

心理学の世界では「モチベーション」

ということも二つあって、

一つは内発的モチベーション、

もう一つは外発的モチベーション、

 

内発的とは自ら起すということで

仕事でも遊びでもそのこと自体に

面白さや使命感、充実感を感じて

頑張ろうとすることです。

 

反対に外発的とは外からという意味で

なにかをしたことに対する評価や

報酬を期待して頑張るという

ことなのです。

 

最初は食べるものもなく

一つのおにぎりでも分け合って

感謝しながら頂いたものが、

だんだん、ものがあふれてくると

反対に我先にとものを欲しがってくる

という不思議な現象が出てきます。

物がたくさんあれば

それを分け合えば皆が豊かになるのに

有ればあるほど独り占めしたくなる。

 

人間の心は

「貧」というときには

みんなで助け合ってと、

内発的モチベーションが上がり、

分け合って、頑張ろうという心が

高まってくるのですが、

ものがありすぎるというと

内発的モチベーションは下がり

今度は「貧」という心が

「貪」というむさぼりの心に変わります。

 

ここに「モノ」という

「モノ」のなかに精神、心を

見出さなければ

今度は「モノ」が人の心を

駄目にしていくのです。

 

今読んでいるところで、

『物質を尊敬するということが

本当の精神です』

という言葉にぶつかりました。

 

心を大切に!!

具体的実践としては

物を大切にすることでしょう。

心を大切にと叫びながら

物を使い捨てにしている現代、

物の意味も見失い

心も喪失している現代、

 

ムヒカさんの言葉が

いま世界中で注目を集めて

日本でもムヒカさんの本が

ベストセラーです。

このことをムヒカさんに話したら、

いや、

日本にも古くから

いい言葉があるじゃないですか、

と言われるかもしれません!?

 

「吾、唯、足るを知る」と

あの竜安寺の蹲に彫ってある

ことばです。

英語に翻訳すると

I Learn to contened

となるようです。

この言葉は外国から来られた方が

一様に頷かれるということのようです。

 

貧と貪

心と物

豊かにもするし

破滅させるものともなります。

 

物も心して使わなければ

物も自分も駄目にしてしまいます。

 

 

 

 

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