本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

お札と御札

2024-07-01 20:22:54 | 住職の活動日記

7月には新札が発行される

ようです。

最近ではキャッシュレスで

お札を持ち歩くことが

少なくなったようですが

しかし、お札の発行枚数は

増えているということです

 

ということもあって

気になったのが

「札」という字、

お札ともいうし、また

御札オフダともいい

同じ字を使うのです。

 

かたや経済を動かす大事な

ツールでもあるし、

また、御札オフダといえば

信仰での仏の魂を表す

ようなものです。

経済と信仰、

正反対のようでもあり

またどこかで繋がっている

ようでもああります。

 

「さつ」と読むのは

昔、紙のない時代は

細い木の板に字を書き

上の方に穴をあけ

それを束ねたものを

冊といいそれが札になった

ということのようです。

 

また、お金を表す言葉に

幣という字があります

それで紙のお札を紙幣

コインのお金を貨幣といい

ます

この幣という字も

御幣ということがあって

神さまにお参りしたとき

御幣でもってお祓いを受け

ます。

 

菅原道真の歌に

「このたびは

幣ヌサも取りあえず手向山

紅葉の錦

神のまにまに」

 

取るものも取りあえず

出てきたので

幣ヌサ、お供えを

持ってこなかった

紅葉の錦をお供えします

という歌があります

 

また、幣立神宮ヘイタテ

という神社もあります

幣(ヘイ・ヌサ)というのも

神さまにお供えする

供え物ということです。

 

何かしら

経済と信仰ということは

何か繋がりがあるような

そのような気がするのです

が、

 

また、話は別な話ですが

イタリアにルカ・パチョーリ

という修道士がおられて

この方は

信仰の道を歩みながら

数学者でもあり

そこから、今でいう

経理の複式簿記の形を

作られたのです

それで近代会計学の父

ともいわれています。

この時代が1400年末期

日本では戦国時代という

この時代にすでに

イタリアでは複式簿記を

作られているということは

目を見張るものがあります

 

勝手に思うのですが

信仰の世界というのは

ある面では

原価があってそれに対する

利潤というものが正確で

ないということがあります

お布施にしても

誤魔化そうと思えば

どのようにもなるものです

 

そういうなかにあって

このルカ・パチョーリという

方は、

そういう世界であればこそ

尚更、お金という経済を

明らかにしていかなければ

ならないと思われた

のではないでしょうか。

 

利益ということもあれば

ご利益ということもあり

ます。

同じ字ですが

その内容は全く違ったこと

になってきます。

 

経済にしろ信仰にしろ

明らかにしていかなければ

ならない問題です

どちらも疎かにできません

両方明らかにしていく

ところに信仰も経済も

はっきりしたものが見えて

くるようです。

 

御札とお札

まったく違ったもので

ありつつもどこかで

繋がっているようです。

それぞれに考えてみるのも

面白いものが見えて

くるのではないでしょうか

 

 

 

 

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