「自利利他」(じりりた)
という言葉もある面では
普通に使われるようにも思います。
京セラの稲盛さんもよくこの言葉を
愛用して自分の生き様の指針に
しておられるようにお見受けします。
自分も利すると同時に
他人も利すると
大乗仏教の精神でもあります。
自分だけが儲けるのではなく
同時に他の人も儲けるような
商いでないといけない
というのが稲森さんとかの
考え方かもしれません。
利ということも
利益ということで
利益(リエキ)と読めば経済の
言葉になりますが
利益(リヤク)と読めば
宗教の言葉になります。
同じ漢字でも読み方では
全く意味が違ってきます。
この自利利他という言葉も
よく見ると
文字の並びが少しおかしいようにも
思えてきます
自利とくれば、並びからすると
他利となるのが自然です
自利他利というように
しかし、他利という所を利他と
ひっくり返して並べてあります。
ここにはそれなりの意味合いも
あるのでしょう
他利といわずに利他と
いってあるのは ?
調べて見ると
やはり深い意味がるようです
世親菩薩の浄土論には
「菩薩は是の如く五念門の行を修し
自利他して速やかに
阿耨多羅三藐三菩提を成就する」
とあり、
その中の自利利他を解釈して
利他といわないのは
他利ということは、
衆生からいうことであって
他の衆生が
恵みを受けることに過ぎない
ところが、
利他となると
そこには仏力がはたらいている
というのです
他の衆生をめぐみすくうという
仏力が示されていると
解説しています。
ただ衆生が恵みを受けるだけなら
他利でもいいのですが
めぐみ救うとなると
そこには仏の力が必要で利他と
あえて文字を引っくり返して
意味合いを持たせたのでしょう。
調べて見ると
何気なく使っている言葉でも
単純に見えることでも
深い意味を含んでいるようです。
ですから
自分も儲け他人も儲ける
というのであれば
自利他利でもいいのでしょう