誰にでも思い出の歌はあるものです。
聞けば、その時のことを思い出し
なつかしくもその当時の思い出が
よみがえってくるものです。
今は便利なツールがありまして、
YouTubeとやらいうもので
昔の映像やら歌が出てきます。
そんなことがあるのは数日前
知ったのです。
高校生時代の思い出の曲
「トリオロス・パンチョス」
歌声に聞き惚れて
レコードを買ったのですが
そのジャケットに映っている写真
なんだか、メキシコの普通のおじさん
には驚きました。
その当時はあまり買うこともできず、
一枚のレコードを繰り返し聞き
ついには
レコード全部覚えてしまうほどでした。
彼女にとっては、
「シャルル・アズナブール」
やはりよく聞いたようです。
題名もわからず身にしみるほど
聞き惚れていたのでしょう。
彼の歌声は、
フランス語の響きが
語りかけるように
それが自然に歌になっている
フランス語は歌なのかと
思いたくなるような流です。
不思議なご縁、
もう50年以上過ぎているでしょう
そのアズナブールが
日本にやって来たのです。
中の島フェスティバルホール
三々五々それらしき人たちの群れが
集まって来ておられるようです。
私たちと同じくらいか
それよりもっと上の方か
杖をたよりに腰の曲がったご老人
体の不自由な方
やはり青春の一ページを
もう一回開くためにおみえになって
いるのではないでしょうか。
ワクワクした気持ちをおさえ
ホール前の待合で、
パンフレットを眺めながら、
しばし時間を過ごします。
92歳とは思えない姿で
歌い始めると、
その声は衰えることなく
昔の声にもまして重厚さというか
訴える力は以前にもまして
迫力をもって迫ってきます。
1時間半の公演
休憩を取ることもなく
歌い続けられる
歌の紹介なのか
合間にフランス語の話が
「コンバンワ」とか
挨拶するわけでもなく、
フランス語で語りフランス語で歌う
それがいい、
下手にお客に媚びることなく
自分の歌を精一杯歌う
まるで、魂の叫びのようにも
聞こえてくる。
北斎でしたか、
「70までの絵は焼いてしまえ
これから本物が出てくる」
と言っていたように覚えていますが
アズナブールにしても
これからがほんまもんの歌
さらに磨きがかかった歌のように
迫ってくるものがあります。
終わっても拍手は鳴りやまず
何回も舞台に出てこられる
もう、歌いきった
全力を出し尽くした
その姿にはアンコールは
必要無いようにも思えました。
杖をついていた方は
杖を忘れてしまうような
そのような姿に映りました。
後ろ姿は元気いっぱいのような
再び青春の頃を
思い出されたのではないでしょうか。
思えば千載一遇のチャンス
もう二度と日本公演はないのでは??
100歳記念公演があるかも…
青春時代に憧れたその歌手が
いまだ現役で昔と変わらない
歌声を披露される
本当に不思議な出会いに感謝です。
東京では15・16日と
NHKホールであるようです。
東京での雰囲気も味わってみたい
追っかけたい気分です。