本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

今週の言葉 11/5~11/11 「 自戒して浮かれず 」

2012-11-04 16:58:16 | 今週の言葉

   いつも危うい

 

   道のりに立っていると

 

      自戒して、

 

    浮かれないことにします。

 

                        宮崎 駿

 

 先日、文化功労者として選ばれた、

アニメーション作家で映画監督の宮崎駿さんの

受賞されたときの一言です。

 この方の作品は好きで、またとても深い内容を持っている

ようにも感じます。

 どことはなしに、私が感じるには

仏教的な香もするように思います。

 インタビューのときの一言が耳に残りました。

なんか、ぐさりと心にくる重みのある言葉です。

普通は嬉しいはずなのに、

自分を自戒しておられるところが素晴らしい。

 

 人間は安定したものを求めるものです。

江戸の川柳でしたか ?

  「 ときは三月 花のころ

    おまえ十八 わしゃ二十

    死なぬ子三人 みな孝行

    使うてへらぬ 金千両

    死んでも 命があるように 」

というような、人間としてなんとも無理な願望が

あるようですが、

そのようにいかないのが私たちの現実です。

 

 岡本太郎さんが、

  「 変化していくからおもしろいのだ ! 」 

と、おっしゃていましたが、

諸行無常ということも、そのように捉えたら面白い、

また、 「 ローリング・ストーン 」  というロックバンド、

ツトム・ヤマシタさんのお友達ということで、

よくお話も聞き、身近に感じていたのですが、

その名前も 「 ローリング・ストーン 」  ( 転がる石 )

と考えれば、ひと時もそこにじっとしていない、という

やはり、諸行無常ということに …  つながるような ?

 

 この、宮崎監督の言葉を聞いたとき思い浮かんだのが

「 行 」  ということです。

 修行というと、滝に打たれたりとか、座禅したりとか、念仏唱えるとか

いろいろ、特殊に考えてしまいますが、

「 行 」 ということも宗派仏教的に考えなくて、

人間のあり方として、 「 修道的 」  ということが

本来のあり方のように思います。

 道を行じていく、

楽して得したいというのが人間の本心ではなく、

本当に意味のあることなら、損してもかまわないという

そういう、道に会うことによって

本当の自分を発見したい、というのが

深い願いのようにも思います。

 「 道 」 ということ、宮崎監督は 

「 いつも危うい道のり 」 と表現されたのでしょう。

その道を歩んでいくには、一歩一歩

薄氷を踏むように、自戒して歩まなければいけません。

 この言葉には、菩薩が仏道を歩んでいく、

そのような姿勢が感じ取れました。

 

 

 

 

 

 

 

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