本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

今週の言葉 12/6~12/12 「 一人だと思うのは 自分が

2010-12-05 23:27:49 | 今週の言葉
     『 一人だと思うのは 自分が

          まぶたを閉じているから 』


                            森友嵐士


 「 T-BOLAN 」 ( ティーボラン ) というロックバンドの

リードボーカルをつとめていた 『 森友嵐士さん 』 の言葉です。

 実のところ、 「 T-BOLAN 」 というグループも知りませんでした。

その方たちの歌も聴いたことがないのです。


 先日の、ドキュメンタリー番組で知ったのですが、

15年前、1995年3月、突然の 『 心因性発声障害 』 にかかられ

「 声 」 を失ってしまわれるのです。

 それから15年の戦いが始まるのです。


察するにあまりあります。


 私たちも、声を使わなければなりません。

もし声が出なくなったら、と考えただけでも恐ろしくなります。

お経が読めない坊さんなんて、ありえないかも、

その上お説教も出来なくなるとなれば、生命線を奪われたも同じです。


 そのような状況の中、「 T-BOLAN 」 は解散、森友さんも

自分との戦い、「 孤独 」 ということを嫌というほど味わわれたことでしょう。


 『 孤 』 ( こ ) ということと 『 独 』 ( どく )

ということがあります。

 「 孤立 」 「 孤独 」 と、自分だけが取り残されたような

気持ちの時があります。

誰でも経験することです。 「 ひとりぼっち 」 という、

謹慎をくらって、誰も相手にしてくれない、話しかけてもくれない、

自分で自分をどうしていいかわからなくなります。


 今回の巡礼でも、男性の方が一人で参加されました。

何度も何度もお誘いしたのですが、

何回か 『 行きます ! 』 と返事されるものの、

いざ ! 、 その時になると  『 やっぱり調子が悪いので … 』

お断りを入れてこられました。

娘さんの  『 行きなさい ! 』 という、強烈な後押しもあり、

やっと重い腰が上がったのです。

 すると、皆さんと打ち解けて、和やかに振る舞っておられました。


    …    …    …  




 お釈迦さまも一人で戦ってこられました。

そして、ついに、12月8日 さとりを開かれるのです。


 『 我勝り ! 』


と、宣言されます。  『 自分が自分の煩悩に勝った。 』

そのとき、一人だったという 「 孤独 」 ということから

全世界の人類の悩みを背負って立つ 『 独立者 』 ということになったのです。


 森友さんも 「 孤 」 に徹した時、

富士山の仲間たち、亀田三兄弟、同じ仲間のギターリストの五味孝さん、

友人の小山薫堂さん、そして森友さんを愛してやまないファンの方々、

がいることを雷にでも打たれるように感じ取られたのではないでしょうか。


 小山薫堂さん、五味孝さんたちが仕掛けたサプライズ、

小山さんの試写会を見ようと、森友さんを引っ張り出し、

そこには試写会でなく、森友さんの歌をもう一度聴きたいという、

『 友 』 が 「 見上げてごらん夜の星を 」 を歌わせるのです。

この場面には思わず涙がこぼれました。


 「 友 」 厳密には 「 サンガ 」 ともいいます。

同じ思いをもつ仲間、そしてくじけそうになった人を助ける仲間、

中国では 「 朋友 」 と言うし、インドでは 「 サンガ 」 というのでしょう。

お釈迦さまも何よりも、この 「 サンガ 」 ということを

一番大切にされたのです。


 本当に 「 孤 」 に徹したとき、

ふと、目を開けてみると、そこには自分を待っている人たちがいる、

そのような場面で、森友さんから、この


  「 一人だと思うのは 自分がまぶたを閉じているから 」


言葉が出たのではないかと思います。









 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

忘れたのではない、今!思い出せないだけ ?

2010-12-05 20:58:09 | 住職の活動日記
 「 忘れたんじゃありません。

     ただ、今 ~ 思い出せないだけなのです。」


 仏教では 「 臆念不忘 」 ( おくねんふもう ) といって

忘れるということが一つの罪です。

学んで感動したことは、心に深く刻み、忘れない、ということが鉄則です。


 だから、ある偉い先生は、

  「 忘れました 」  

 ということを絶対に言わなかったそうです。

  「 ただ、今思い出せないだけです。

    心の中にあるのだから、縁が来ればまた出てくるでしょう。」

と言っておられました。



 巡礼も 「 宮へ 」 2,3日と行ってきましたが、

はや、少しずつ頭のどこかへ追いやられていくようですが  

記録の写真を頼りに、画像だけでも    しておきます。


 昨日、( 12月2日 ) の雨も上がり、12月3日は    も

顔を出してくれました。

けど、風がとても強い日になりました。

 宮崎市内のお寺 「 37番香泉寺 」 「 38番長久寺 」 を

お参りし、一路南下、日南市そして南郷町へ向かっています。




     



 サボテン公園では 「 極楽鳥花 」 がいたるところ咲き誇っています。

道中は結構 バス    移動も多く、

また、お参りした先々でのお接待もアリで、

お参りの時、以外は、おやつ・ …  腹がふくれると    ウトウト

そこで、今回は気功の先生 『 鍋島さん 』 がご同行されましたので、

疲れをとる、 「 にわか気功教室 」 が始まりました。




     

     




 
 手のマッサージから始まり、足を軽く動かし、

これは 「 顔 」 の美顔術 ?  鼻の両側をさすり

鼻の通りをよくする体操をしているところです。





     



 先生のご指導ヨロシク、本当に鼻がスッキリしてきました。


このようなことも 「 巡礼 」 での一つの楽しみでもあります。

長く走るときを見つけては、こうやって体操もしているのです。




    日南市の 「 39番 潮満寺 」 

    南郷町の 「 40番 西明寺 」 ここは境内をJR日南線が

    通っています。その線路の脇には

    「 アロエの花 」 がたくさん咲いていました。




     



  さすが、南国というところです。そして、ここのお寺の境内には

 大きな 「 ブーゲンビリア 」 も満開に咲いていました。


 添乗員の 「 西本さん 」 40肩 ?

   「 腕が上がりませ~ん   」




     



 合間を見ては、鍋島先生に 「 気  」 を入れていただきました。

すると、腕が上がるようになったのです。    です。


 「 飫肥城 」 で昼食を頂き、昼からは二ヶ寺打ちます。

都農町そしてえびの市へと行きますので、ここも道中がとても長くなります。



 「 41番 天長寺 」 さんはご本尊は珍しい 『 四臂不動 』 さまです。

あいにく秘仏でお姿は拝めません。



     



 男前のご住職さんです。

  ( これも、忘れない一つのキーワードです。)




     



 皆さん静かに耳を傾けておられます。


高速に乗り、えびの市まで飛ばしますが、風がとても強く、

バスも風にあおられて、ときどき流されるような揺れを感じます。


 今回最後のお寺 「 42番 弘泉寺 」 さんです。

前回の時は 「 イチョウ 」 の紅葉がとてもすばらしかったのですが、

そのイチョウの木もすっかり葉を落としていました。




    




 「 白鹿 」 の 『 ユキちゃん 』 が皆さんを迎えてくれました。

野生だったのですが、今はすっかり懐いて、人の顔を見ると

おねだりして寄ってきます。

 皆さんからおやつを頂いて、すっかりご満悦のようでした。


 今回も無事、打ち終わり、帰路に着きました。





     



 7時には 「 本蔵院 」 に到着しました。

本蔵院の 「 もみじ 」 もライトアップされて、美しい色を見せていました。


  「 うらを見せ おもてを見せて 散るもみじ 」

です、です。

  ( 本来の意味は違うのですが、もみじを見ていると

    良寛さんの辞世の句が浮かんできました。)



   皆さまご苦労さまでした。 



  
    




     

コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする