本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

かいちゅうむし とんじんち

2008-03-10 23:24:58 | 住職の活動日記
 お参りに行ったお宅で、花粉症の話から、「 アレルギー 」 の話になり、

回虫とアレルギーが不思議な関係にある、ということをお聞きしました。

 昔はアレルギーはほとんどなかった、それはおなかに回虫を持っていたから、というこ

となんです。回虫がいたからアレルギーもなかった。

 私達の幼少の頃は、たいていお腹の中には回虫が住んでいました。それでよく虫下しの

薬を飲まされました。   

 幼小の頃、家族であげる毎日の勤行、 『 かいちゅうむし とんじんち 』 と

大きな声を出して、唱えていました。これは、てっきり 『 回虫 』 が出て行くため

の、おまじないと思って一生懸命となえていました。そして、自分が肥らないのも回虫が

出て行かないためと、結構長い間、信じていました。

 ある時、ずいぶん大きくなって、お経の本を開いてみたのです。

すると、 『 皆由無始 貪瞋痴 』 ( かいゆ むし とんじんち )

とあるのを見て、恥ずかしいやら、ビックリしました。   ( そうだったのか! )


 最近は、除菌とか抗菌とかで、なんでもかんでも 『 菌 』 は悪いものとして

なくしてしまう傾向にあるようです。

 すると、アレルギーのようなものも出てくる、というような …

( 医学を勉強してるわけではありませんので、正確なところはわかりませんが )


 お彼岸は 『 中道 』 ということが大事な点です。どちらにもかたよらない、

菌がたくさんすぎても困りますが、全部なくしてしまうと、また別のものも出てくるよう

です。このどちらにもかたよらない、絶妙のバランスがとても大事なのではないでしょう

か。

 本当は 最近はやっていました 『 微妙 』 ということも、この 「 絶妙のバラ

ンス 」 ということではないかと思います。
コメント
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