『ほのぼのマイタウン』気まま通信

『ほのぼのマイタウン』のブログ版~見たこと、聞いたこと、伝えたいことを自由に気ままに綴ります。

友人からのプレゼント本

2020-03-05 14:58:11 | おすすめ本

      
      
      もう2か月前のことになりますが、友人のHさんから本2冊をいただきました。

      ミニチュア写真家、田中達也さんの“見立て”のアート。

      家の中にある日用品を使って、日本の四季折々の行事や文化を表現しています。

      

      例えば、これはブラシを稲田に見立てた稲刈りの様子。

      刈ったあとも本物そっくりですね。

     
      

      私が感心したのはこれ。

      あの小さなキャラメルを将棋盤に見立てているのです。

      最初は何なのか分かりませんでした。

      キャラメルの表面から将棋盤が連想できるとは、なんて柔らか頭なんでしょう。


      他にも赤と白の洗濯ばさみを使った東京タワーに、ネジで作った東京スカイツリーなどなど。

      ページをめくるのが楽しくなる本です。

      作者の田中さんは2017年のNHK「ひよっこ」のタイトルバックを制作した方と最後の紹介ページで知り、
      「あぁ、やっぱり」と思いました。

      毎朝見ても飽きが来ない、桑田佳祐の主題歌とともにそれはそれは楽しいタイトルバックでした。


      もう一つは分厚い雑誌「和楽」(A4判より大きいので、右が少し切れてしまいました)。

      

      特集は「死ぬまでに見たい!日本の名画100」、保存版です。

      その上、うれしかったのは白洲正子が愛した、湖北の十一面観音の素朴で優しい写真の数々です。
   
      昨年10月の京都旅行で近江八幡までは足を延ばしたものの、憧れの奥琵琶湖までは行けませんでした。

      そんな私の気持ちを見透かしたような、ステキなプレゼントに感激でした。


      彼女は数年前から体調を崩し、1昨年にはご主人を亡くし今は病院以外は外出がままならない日々です。

      本の注文も新聞広告を見て、発行所に直接電話して注文するそうですが、小学館だけが送ってくれるのだとか。

      パソコンもスマホもやらないので、アマゾンで翌日にという訳にはいかないのです。

      たまに訪ねてくる私のために、自分の分と2冊ずつを取り寄せてくれる優しさにジーンときました。


      私はというと、猫グッズを見つけると、猫を愛する彼女のことを思い出すので、ついつい小物を買ってしまいます。

      好きな美術展に行けない彼女に、絵ハガキやファイルなど手軽で安価なものばかりを貯めておきます。

      おはぎを作ったり、彼女の好きな六花亭のお菓子が手に入ったら、小物とともに持参します。


      そんな気持ちばかりのガラクタ小物を、リビングの一角に私からもらったものコーナーを作って
      飾ってくれているのにはビックリしました。

      気持ちが通い合う、私の大切な年上の友人です。

      

      


      
      
      
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村野家住宅「顧想園」の写真集

2019-12-27 00:03:43 | おすすめ本


       

       東久留米市柳窪にある、国登録有形文化財の「顧想園」の写真集をいただきました。

       11月末に出版されたばかりの、美しい写真集です。


       武蔵野の景観を残す柳窪の一帯は、私にとって近隣で一番好きな場所です。

       その中でも江戸時代に建てられた茅葺の主屋が、そのまま現存する村野家住宅は存在感を放っています。

       この5月にはこの表紙の奥に見える離れで催された、口笛世界一の青柳呂武さんのコンサートに行ってきました。

       口笛の音色が新緑の庭に染み入るようで、本当にステキなコンサートでした。



       

       12月15日のBS朝日「百年名家」の番組で住宅の内外が紹介されました。

       現在の園主、村野美代子さんの案内で蔵の中に村野家ギャラリーがあることも初めて知りました。

       5代目当主の故村野啓一郎さんがこの景観を残すために、いかに尽力されたかも分かりました。



       

       総欅づくりの重厚な藥医門には圧倒されます。

       手入れが行き届いた庭には、クマガイソウも大切に育てられています。


       

       意匠を凝らした障子が美しい。

       欄間は田無神社本殿の彫刻を手がけた江戸期の名工、嶋村俊表の作品だそうです。


       

       雪の日はこのような景色になるのですね。

       欅の大木、竹林、茶畑、四季を通してその景観が楽しめ、心安らぐ場所です。


       東松友一さんという武蔵野の風景を撮り続けている写真家が17年間、村野家の四季を撮影した写真集です。

       監修は子どもの写真でも有名な田沼武能さんです。



       個人住宅のため普段は非公開ですが、春秋の公開日には遠方からも見学者が訪れます。


       

       ※表紙以外の4枚の写真はスキャンの都合で、左右を少しトリミングしています。




       

       

       
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『大家さんと僕 これから』にありがとうを!

2019-08-15 17:51:02 | おすすめ本


            


           7月25日に出版された、矢部太郎さんの『大家さんと僕』続編を読みました。

           大家さんが大好きな新宿伊勢丹の看板マークの上にちょこんと乗った二人。

           裏表紙も二人の後ろ姿があまりにも可愛らしかったので、一緒に並べてみました。


           早々に売り切れ店続出で、もう2刷目が出ました。

           昨年出た『大家さんと僕』は78万部を突破したとか。

           矢部さんすご~い!


           『大家さんと僕 これから』 ほっこり、しみじみ、笑えて、泣けました。

           週刊新潮に続編を連載中に大家さんが亡くなられ、矢部さんはしばらく休載したそうです。

           続編の最後に表紙の伊勢丹マークの上の二人が象徴的に描かれ、大家さんとの別れを詩情豊かに伝えています。


           大家さんが骨折で入院中に見舞いに行った矢部さんに、看護師さんが「ご親族の方ですか」と尋ねるくだりがあります。

           躊躇する矢部さん、大家さんがすかさず「血のつながらない親族」と応えます。

           すると矢部さんが、「あ、ちょっとお手洗いに」と病室を出て涙ぐむ様子が描かれています。


           こんな、グッとくるシーンがいくつもありました。




           矢部さんは芸人さんが書き入れ時の大晦日は、大家さんとおせちを頂き紅白歌合戦を見るため、仕事を入れなかったそうです。

           大家さんと一緒にお花見など季節の行事をしたり、新茶が出るとお茶の時間、旬の果物や野菜を戴いたり。

           大家さんのお蔭で矢部さんは、巡る季節を感じたそうです。

           これはマンションの一人暮らしでは得られないことだといいます。



           

           こちらは続編のひと月前に出版された『大家さんと僕と僕』。

           番外編本ですが、とても面白く、楽しい本です。

           『大家さんと僕』を読んだちばてつや、里中満智子、ヤマザキマリ、糸井重里などそうそうたる著名人が漫画や読後感をよせています。

           「手塚治虫文化賞」の授賞式の日のことも微笑ましい限り。


           うれしかったのは「おとうさんと僕」が6ページに渡って掲載されていたこと。

           おとうさんの絵本作家やべみつのりさん(東村山市在住)と矢部さんが、子どものころの絵や工作を見ながら思い出トークに花を咲かせます。

           親子並んだ、とびきりの笑顔の写真がステキでした。

           やべみつのりさんは子どもの絵が一番面白いといつも言ってらして、私の孫が1年生の時先生の教室で作った紙芝居を今も取っておいてくださっています。



           お父さんを取材し、お父さんの口利きでやべさんも取材させていただいたのは8年前。
       
           
           あの「ルミネtheよしもと」の打ち合わせ室のような狭い部屋で、矢部さんに会いました。

           取材費0円ですから、闇営業ならぬ闇ボランティア(?)でしたね。

           その時の記事がこちらです。


           

           
           お笑いの世界にいながら、気象予報士の国家資格を取り世間をびっくりさせた矢部さん。

           私は最後に「次はどんなことに挑戦してくれるのか、期待してます」と結んだのですが、その通りになりましたね。

           「大家さんと僕」でまた、世の中を驚愕させ、読んだ人皆を温かい気持ちにさせました。

           この時一番印象に残ったのが、好きな女性のタイプを訊ねた時、間をおいて真剣な表情で「群れない人がいいです」と応えてくれたこと。

   
           真面目な人柄とピュアな精神に触れた気がしました。

           大家さんとの日常を描いた2冊の漫画は矢部さんそのもの。

           上品で聡明、だけどどこか天然でかわいい大家さんと矢部さんとのやりとりがいとおしくなります。

        
           大家さんは8月が一番好きと言いました。

           矢部さんが聞くと「テレビで戦争のことをやってくれるから」

           疎開したこと、戦後のことをいろいろ話してくださいましたね。


          
           今日は終戦記念日。

           矢部さんは大家さんの話を思い出しているのじゃないかしら?

    
           矢部さんにしか描けない珠玉の漫画を世に出してくれて、お二人に心からありがとう!!
           

           


         


           

           




           
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『都会暮らしから始める 道草料理術』

2019-06-22 21:05:29 | おすすめ本


         
            
             大海勝子 著 株式会社晶文社発行 ¥本体1,500円+税


            近くの農家直売所でルバーブを見かけたので、久しぶりにルバーブジャムを作りました。

            そして、はたと、思い出しました。

            友人の料理研究家、大海勝子さんが出版後すぐに送ってくれて、大海さんらしいステキな本ができてブログで紹介するつもりでした。

            先月には摘草が好きな故郷の友人にも贈って、喜んでもらったのに、肝心な投稿が抜けていました。 反省!




            
             初夏に採れる桑の実タルトとヤマボウシのパンケーキ


            大海さんは東久留米在住で、八ヶ岳の別荘とを行き来しながら草摘みし、家庭でも手軽に作れる野草料理のレシピを紹介しています。

            東京郊外でも散歩の途中で見つけた、タンポポやヨモギ、ハルジオンでさえ調理次第で季節の味を感じる料理ができるのです。

            そんな身近な道草から野山で実践する道草生活、八ヶ岳での冬の山里生活から毎年のように訪れるクロアチアのキノコまつりまで。

            著者の豊富な道草の知識と好奇心と行動力に魅せられ、そして体験に基づいた作り方とエッセイがとても楽しい本です。


            料理写真は著者が文中で“相棒”と呼ぶ、カメラマンのご主人が撮影したもの。

            探す愉しさと、食べる豊かさを実践している羨ましいばかりのご夫婦です。

            「孫の世代が大人になっても、道草生活を続けられる自然が残っていますように」が著者の願いです。


           自然の恵みを自ら採って頂く暮らしって何と豊かなことか。

           料理本は溢れていますが、現代の食生活に警鐘を鳴らす貴重な本だと思います。


       
           
           ヨモギの和風マフィンと桑の実ジャム












           

            



            

            

            
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