喜多院法興寺

住職のひとりごと

東電OL殺人、別人のDNA型と一致 再鑑定の遺留物

2011-07-24 07:07:56 | Weblog
7月24日付 編集手帳 読売新聞
 {英国の著名な犯罪科学者エルジンチリオールが、『犯罪科学捜査』(高林茂訳・三修社)に書いている。「話の筋書きがあらゆる証拠の糸によって支えられるならば、それを真理と信じる十分な根拠があると言える」
◆指紋鑑定も、最新のDNA鑑定ですら絶対的なものではない。あらゆる角度から難問に挑むことが、科学捜査で真理に到達する方法だと。してみると今回の事件では、警察の証拠の糸の張り方が不十分だったと言える。
◆1997年、東京・渋谷で起きたOL殺害事件で犯人とされたネパール人受刑者とは別の男Xが、犯行現場にOLといた可能性を示す鑑定結果が出たという。OLの体から採取した精液のDNA型が、現場に落ちていた受刑者以外の体毛の型とぴたり一致した。
◆当時、この鑑定結果があれば、否認している受刑者の起訴に踏み切れただろうか。なぜ警察は証拠の糸を紡ぎ切れなかったのか、明らかにすべきだろう。
◆足利事件、布川事件に続いて重い再審の門が開くかどうかは、まだわからない。一方で強盗殺人罪の公訴時効は廃止になった。警察の仕事は増える。Xを捜すことだ。}

無期懲役が確定したゴビンダ・プラサド・マイナリ受刑者の再審請求審で、東京高検がDNA型鑑定を実施したところ、女性の体内から採取された精液のDNA型と、殺害現場から採取された受刑者とは別の男性の体毛のDNA型が一致したことがわかった。別人のDNAが出たのにもかかわらず、検察幹部は再審請求審の必要はないという。間違えを認めようとしない検察の態度は、反省すべきである。