うべプラネタリアン

プラネタリウム解説の活動を通じ、いろいろ感じたことをさまざまに語りたく....

本日のうべプラネタリウムは....(10)

2007年01月14日 18時02分21秒 | うべプラネタリアン
かなりのお客様があったが、プラネタリウムの方が故障してさんざんだった。
北天の星像が全く出ないのだ。メインランプの球切れにちがいない。
どこかのねじをあけて電球を取り出し、取り替えれば済むことだが、いきなりその状態では修理の間はない。仕方がないから、平然と、南天の星空の説明ですませたが、説明より何より、お客様は満天の星空を見に来られるのだ。それが半分だけなんて、お代をいただくわけにはいかない。
プラネタリウムも北の空は本日曇りで...なんちゃって、しゃれにもなんない。

古いから、だましだまし使うのだが、1年2回の整備では間に合わなくなっているのかもしれない。整備あとのガタの来ようが早まっているようだ。
こうして、年寄りの機械とつきあうのは、どこかいとおしくもあるが、
気骨がおれる。

今月のテーマは、この一年の天文現象の紹介とそれに会わせた公開観望会などのお知らせをしている。
今月これからの「みもの」は、天文学的にどってことはないが、美しさということからして、
1月21日の西空だろう。
月齢2.2の細い月と、宵の明星“金星”が近接して“かっこういい!”のである。
22日も、金星と月は近いからなかなかの「みもの」だろう。
実は、22日はもうひとつの「みもの」、昼間に月は天王星を隠すのだ。
昼間だからその様子は見えないだろうが、夕方になると、天王星と細い月が全く近接しているはずだ。
月と天王星と金星とのそろいぶみである。何とか晴れてくんないかなぁ....

史跡散歩....(b2)

2007年01月14日 12時57分21秒 | 史跡散歩
防府市桑山山頂にある「来目皇子」のお墓に詣でてきた(1/13)。
来目皇子は厩戸皇子(聖徳太子)の異母弟で、新羅征伐のため筑紫に陣をはっている際、病をえて急逝された。ご遺体を大和に運ぶ途中、
この周防の国府のある桑山(当時は島だった)に仮埋葬された。
その仮埋葬地がそれである。
国の総司令官の埋葬地(仮)としてなぜここが選ばれたのかと考えるとちょっと不思議だが、参謀長が佐波連(さばのむらじ)という
豪族の長であったこと(この地の“佐波郡”という地名、下を流れる一級河川は“佐波川”)と無関係ではあるまい。

宇部のプラネタリウムでは...(9)

2007年01月13日 21時34分38秒 | うべプラネタリアン
ルールが3点ある。
一つ:おしゃべりをすること。黙っておとなしくお話を聞いていては、いけない。
二つ:ごそごそ動き回ること。同じ場所(椅子)でおとなしくしている必要は、ない。
三つ:質問は、思いついたその場で直ぐすること。後から聞こうと質問をためておいたら絶対に忘れる。何か聞きたいことあったんだけどなんだったっけと思うほどむなしいことはない。
つまり、「ごそごそ・ぎゃぁぎゃぁ・わいわい」でいいのである。

星の下では何でも自由。
好きなことを言い、好きなことを考えたらいい。
どんなにあがいても、星の欠片ひとつ手に入るわけではない。
だから、コレクションの多寡を競うことはない。
北斗七星は、目が開いたばかりの赤ちゃんの目に映るときも七つの光だし、偉い大天文学者にもおなじ七つの光である。天文学の大家だから八つに並ぶことはないのである。太陽が、人によって分け隔てして輝くことはないだろう。満月は誰の目にも満月なのだ。
人にとって、星の世界ほど平等のことはないのである。
星の下では、誰も自由で平等なのだ。

が、なんと、みなさんおとなしいことか。なんと遠慮をするんだろう。
よほど私の話がむつかしすぎるんかしら、怖いのかしらと思ってしまう。
私も、わかりやすく語る努力をして、解説の内容は変えてゆくだろうが、このルールだけは基本姿勢だから変えないつもりだ。
「星の下では、みんな平等、何でも自由」

そのことで、なにか、ふっと力づけられる人がいるかもしれないから。
いじめなんて(いじめられる方も、いじめるほうも)なんて矮小なことなんだろうと
感じてもらう一つのよすがとして「星の下では、みんな平等、何でも自由」は言い続けたいと思っている。

うべプラネタリアンは....(b1)

2007年01月12日 23時45分07秒 | 史跡散歩
多趣味なおじいだから、ちょっと人の行かない遺跡を訪ねるのが、星を見るのとおなじくらい好きなのである。
たとえば、聖徳太子の弟の墓が防府桑山にあるのをご存じか。
まぁそのためか、桑山は全山霊山だけどね。
市の中心の、山(丘)全体が墓なんて、考えようではちと不気味だけどね、
豪族サバノムラジの本拠地だからね、いろいろおもしろいよ。
また、和泉式部日記の和泉式部の墓が山陽町にあるのをご存じか。
これまた江戸時代享保何年かの創建だから笑っちゃうが、建てるに至った「講」の話し合いまで聞こえてくるようでうれしいんだな。
そうそう、楊貴妃の墓が油谷にあるのは皆さんおなじみでしょ。
小野小町の墓は川棚で、佐々木小次郎の墓があるのがむつみ村だったっけ。
ちゅうわけで、幕末に活躍の志士の話や壇ノ浦の合戦ばかりが
山口県の史跡ではないぞよ。
それらはまた、映像と共に紹介しましょ....

宇部のプラネタリウムの...(8)

2007年01月12日 21時17分29秒 | うべプラネタリアン
一般投影は、原則毎週日曜14時から。
これには、入場料がかかる。19歳以上の方¥52。 お子様はただ。
いつからどんないきさつでこうなっているのか、私は知らない。
市の施設だから、これは条例で決まっていることらしい。

「星と音楽のゆうべ」でも、同じ額をいただいていた。
が、演奏する曲目がよほど古くない場合は著作権料が発生するので、
よく計算すると、入場料収入を上回ることがわかった。
なんのことはない。入場料を取るから著作権料が発生するのだ。
だったら、入場料を只にすればどってことはない。
例外のない決まりはない、七面倒な回り道でも一旦つければ、前例となる。
だから、いま、「星と音楽のゆうべ」は一切お代をいただかないことにした。

てなわけで、ちったぁお役所仕事のしがらみも抱えとるんですよ。
でも、まぁ、のびのび活動してますわ。実質、文字通り、ワンマンですからね。

宇部のプラネタリウムを...(7)

2007年01月11日 21時46分18秒 | うべプラネタリアン
中心に、天文普及が“狙い”なので、さまざまな楽しいことを企画し、実施している。
一昨年秋からはじめた「星と音楽のゆうべ」もそのひとつだ。すでに、通算7回をかぞえた。
この“音楽”の部分は変化する。
合唱だったり、朗読だったりオカリナだったり、マンドリンだったりと
いろいろな方たちに「生」で出て頂いた。
音楽には音楽のサークルがあり、星には星好きのグループがある。
それが、一宵、プラネタリウムで重なって輪が広がってゆく。
皆さんに「楽しかったよ、またこんども来るわ..」とよろこんでいただけるが、こちらとしては、
実は、出演者を捜すのがなかなか容易ではない。
プラネタリウムで、落語もやりたいし、怪談もいいかもしれない。琵琶の演奏などおもしろいだろう。
何でもありだと思うのだが、どこにどんな方がいらっしゃるのかそれがよくわからない。
今年はできれば月1回のペースで実施したいのだが....

このブログをみて「こんな方がいらっしゃるので、星のもとで、こんなパフォーマンスが楽しめるよ」といった
情報があればお寄せ頂きたい。自薦他薦を受け付けたい。

さしあたり、1月26日(金)19:00から、『ほしと物語のゆうべ』として八田順子さんという“語りべ”に
民話や童話を“お話し”していただこうと企画している。
参加費無料、当日受付。変わったプラネタリウムのプログラムをたのしむつもりで、ふらりとご来場くだされ。
その次は、3月27日(火)14:00から、女声合唱のグループが歌を歌う。
春休みだから、昼間の集いとした。これはあらためてまたご案内したい。

宇部のプラネタリウム...(6)

2007年01月10日 20時09分26秒 | うべプラネタリアン
一般投影と、要請による特別投影がある。
投影要請は、個人であろうと、学校の授業の一環であろうと、通所リハビリデイケアの一部であろうと全くかまわず受けるのだが、学校からの場合(たとえば、○○小4年生全クラス)は、まえもって、先生に、児童の皆さんから星についての質問を集めてもらうことにしている。一つにはモチベーションを高めてほしいという狙いがあるが、今の子どもたちは、どんなことを知っていてどんなことを知りたいかをつかみたいからである。
そして、なにより“質問をして頂くのがうれしい”からである。
子どもたちの質問はさまざまだが、必ず入ってくるテーマに、星はいくつあるのですか、宇宙人はいますか、星が動くってどんなふうに動くんですか、などなど..がある。
あらかじめいただいたいずれの質問にも、私は全力投球で、文章にして応えるようにしている。質問は一行でも回答は十行以上に及ぶ。たとえば、「宇宙人はいますか」に「います。いないわけないでしょう、なぜならば...」と続いてゆけば際限がないではないか。
え?聞きたい?...うふふ...それはね...

さて、このブログにコメントをいただくのはうれしくて仕方がない。
好きな星雲のリクエストがあったりすると、直ちに応じちゃう。
プラで質問をいただくのと同じくらいにうれしい....

宇部のプラネタリウムに...(5)

2007年01月09日 20時25分46秒 | うべプラネタリアン
勤務し始めたのは平成17年4月から。もうすぐやっと2年。
たが、大昔からこの仕事をしてきたような気がしてならない。
というのも、星に興味を持ったのが“小学校5年の夏”とはっきり記憶しているから、半世紀以上のつきあいなのだ。
“オリオン”や“さそり”とのふれあいも昨日今日ではない。
が、いまだにプラネタリウムで冬の星空の説明などしていると、昔日の自分に出会ったようにときめくのである。
64の爺さまが、である。
趣味の魔力である。
星の世界の奥深さである。

宇部のプラネタリウムが...(4)

2007年01月08日 22時47分18秒 | うべプラネタリアン
設置されている建物は「宇部市勤労青少年会館」という。その4階である。
いま、毎週日曜14時から一般投影をしている。解説者は、だから、わたし。
久幸美雄(64)という根っからの「星好き」のおじさんである。いや、孫がいるから
おじいさんである。
さて、あしたから、徐々に自己紹介をしてゆこう。

宇部のプラネタリウムの...(3)

2007年01月05日 23時20分01秒 | うべプラネタリアン
お客様は、子どもである。
もちろん大人来て頂く。
老若男女誰もが来るけれど、私は、心して、子どもに語りかけている。
初めての子どもがいると、学年を聞く。
圧倒的に小学生が多いが、中でも4年生が群を抜いている。
それは、一つには4年の理科の教科書に「星の研究」が本格的に登場することも理由だろうが、やはり10歳くらいから外部の不思議な未知の世界へ興味がわき始めるからかとも思う。そして、外への興味と同時に、外から見る自分、すなわち、自分の存在を客観的に見る目が育ちはじめる頃だと思う。
そんなこともあって、私は、プラネタリウムでは、必ず、NASA提供のこの画像を映し出すことにしている。
宇宙ステーションから見た“地球の黄昏”である。
宇宙から見ても、夕やけ雲はあかね色である。
人も象もきりんも鯨もカブトムシも桜もバラも、愛も戦も、すべてこの中。
この映像から語りかけるものが、私のコンセプトのひとつなのである。