うべプラネタリアン

プラネタリウム解説の活動を通じ、いろいろ感じたことをさまざまに語りたく....

うべプラネタリウムから...(16)

2007年01月22日 18時24分46秒 | うべプラネタリアン
今宵、西空は曇っていて、天王星どころか、金星も三日月すら確認できない。
せっかくの美しいはずの惑星や月のそろい踏みは、まるで雲に覆われて、だめだ。
ぼやくのは、私の性にあわないが、私はどうもガキの頃から「雨男」でいかん。
ところが、かみさんは「晴女」だ。
かみさんに天文の趣味はないから、星を見るチャンスは私の独壇場だが、そんな
日はてきめんダメ。
かみさんが関わると、なぜかよく晴れる。
何かあるときは、たとえば子どもの運動会だとか結婚式だとか、旅行とか、
そんなときは大抵良い天気だから、我が家の力関係はおよそわかろうと
いうものだ。
あなたダメね、と言われると、実績が物語るから、うなだれるしかない。
きょうも、強引にでも、かみさんを誘っとけばよかった。
ところで、マックノート彗星はすごいなぁ
今日はNASAのページにすさまじいばかりの画が出ていた。紹介しよう。
このとおりだ。
どなたか日本で、あるいは山口県で、撮った方があったら映像とともにご一報を。

天文クラブでも、うべプラネタリウムでも...(15)

2007年01月21日 21時17分05秒 | うべプラネタリアン
今日の夕方の、月と金星の近接した様子は、是非見てほしいとPRしたのだが、
宇部は、肝心の天候の方が悪く、全く星が見えない。厚い雲に覆われ、きれめすらない状態だった。
しかし、明日は天候はいいかもしれない。金星と月は少し離れるが、月と天王星が近い。
低倍率(広視野)の望遠鏡なら、同一視野内に見えるかもしれない。
天王星を視認する絶好のチャンスかもしれない。
あす、夕方晴れていれば、退勤時間を遅らせて(サービス残業で)望遠鏡を向けてみよう。
さて、1月上旬は、ここ数十年来最大の明るさとなったマックノート彗星が夕空にいた。もう南半球の空でしか見えない。
なにせ、水星軌道の内側まで入り込んだ彗星だから、信じられないくらい明るくなったようだが、宇部ではずっと天候にめぐまれず、見逃してしまった。
NASAのホームページには世界中から寄せられたマックノート彗星の映像が配信されているが、その内から、これは!という1枚を紹介しよう。なんと、青空の中の彗星だ。これをみただけで、この彗星の異常な明るさがわかろうというものだ。

史跡散歩...和泉式部の墓...(b4)

2007年01月20日 17時53分38秒 | 史跡散歩
平安時代の女流歌人、和泉式部(いずみしきぶ)の墓と伝えられるものが
旧山陽町、JR埴生(はぶ)駅の近くにある。
和泉式部の墓は、全国に15基くらいあるらしい。
まさか、京の都から長門の果てにさすらい来て、ここで倒れたわけではあるまい。本人が旅をしたのではなくて、「話」に翼がついて飛んだのだろう。
恋多き女性の物語は、夜話にもってこいだ。
庚申講などで村人の集まっているところへ、上手い「語りべ」が来て、おもしろく密やかに、いにしえ人の艶笑談でもしただろう。
長も、ひやひやとわらいながら、「その道は今も昔も変わらんの...じゃが、どこかあわれじゃのぅ」とでもコメントをのたもうたか。
村の畑に、いつの誰のともしらぬ荒れ果てた古墳が一基。
「どうじゃろう、講のゼニもいくらか貯まったことじゃし、他んとこみたいに庚申塚を建てるより、わしらぁ、このゼニであそこの塚を祀っちゃろうやぁ」「でも、誰のなにやらわからんでよ、あの墓」「じゃからの、こないだの話の“和泉式部さん”の墓ちゅうことで、どうかの」てな話し合いがすすんだのではあるまいか。
集まりの小さなお堂に、ほの暗い灯影がゆれていたか。
月の光はさえざえと野道を照らしていたか。
そうして、時は江戸時代、享保16年に、平安時代の女性の墓が建った。

うべプラネタリウムは...(14)

2007年01月19日 23時01分29秒 | うべプラネタリアン
天文クラブを主管している。
昨年10月から月1回のペースで、星好きの皆さん20人くらいに集まってもらって、ちょっと濃い解説と観望会を開いている。
例会は第3金曜の夕方なので、今日がその日、4回目だ。
例によって、プラネタリウムの投影の後、天体観望となった。
幸いまずまずの晴天だったから、オリオンもシリウスもよく見えた。
こんなときは主催側としてはうれしい。
8時には、土星も上がってきたので、望遠鏡で見て頂いた。
初めて見たという方もいて、天文クラブに申し込みをするくらいだから、
星の世界が好きなこともあろうが、わぁっと言ったっきり涙声になっていた。
本物なのよね、と何度も念を押され、そうまで感動されるとこちらまでおろおろするほどうれしくなってしまう。
少し霞がかかっていたくらいだから、風もなく、像も落ち着いて、かなり倍率を上げても安定していた。
また、小学生の会員は、双眼鏡でヒアデス星団をみて、視野いっぱいに広がる無数の星に、歓声を上げていた。
すばるも、双眼鏡でみるのがいい。
こんなフィールドを提供できるのは幸せだなぁと、今宵も、暗闇の中でにんまりひとりごちるのである。

うべプラネタリウムでは...(13)

2007年01月18日 20時39分42秒 | うべプラネタリアン
どんな質問でもどんどんしてほしいと、常々伝えているが、未だに、あるいは永遠に答えられない質問がある。
佐野正道君の質問だ。一昨年の秋だったから、まだ正道君は幼稚園年中組だった。つぶらな瞳のかわいい子だ。
「ねぇどうして宇宙はできたの?」という。
消え入りそうな声だったけれど、はっきり耳に残って、うぅ~んと絶句したまま、「うん、いい質問だね、答えはちょっと預からせてくれ」と言ったまま、未だに回答ができない。
「どうして」が、“どのようにして” なら、ビッグバンの解説を かみ砕いて おもしろく語る方法があるだろうが、
“なぜ” なら、だぁれも答えは出せないし、個人の心の問題になるだろう。
正道君は熱心なリピーターで、会うたびに、あの質問の答えはむつかしいなぁと会話を広げている。
ほぼ60年の歳月を超えて二人は共通の疑問を解けずにいるのだ。
....ほらね、いかに星の世界は平等かってことがわかるでしょ....
で、先日追いかけてこんな質問をしてきた。
「どうしてお空はあるの?」
やるなぁおぬし...、この春小学生にあがる子にしては末恐ろしい。
どう答えたかって?...しどろもどろさ、あなたならどう答えるかね。
これでツケを2つも負わされちまった。

画像は、正道君の好きな“かに星雲”。

うべプラネタリウムでは...(12)

2007年01月17日 22時10分54秒 | うべプラネタリアン
毎月、「プラネタリウムガイド」と「天文ニュース」の2枚のパンフを発行している。
このうち、「プラネタリウムガイド」では、いつも2つの星座を取り上げて解説しているが、私が担当し始めて2年目、それも終盤になると、取り上げる星座もマイナーなものばかりとなる。
“とかげ座”だの“こじし座”とか“こうま座”とか。え?そんなんあったん?となる。しかし、“こうま座”なんて2千年前から設定されている由緒正しい星座だからおろそかにはできない。一月は“エリダヌス座”をとりあげたが、これは「川」が星座になっているのだ。山だの川だの星座のドラマになりにくい物が星座になっている割には、植物は一つもない。
一輪の花も、天空には咲いていないのだ。
ちょっと偏見にみちてるんじゃないの、と言いたくなる。
さそりが星座になる土地だから、植物は乏しかったのかね。
誰か納得できる理由をつけてくれないかなぁ、嘘でもいい、プラネタリウムの解説時に紹介したいから。

でも、星雲の中には見事な花が咲いている。
ばら星雲だ。冬の星座“いっかくじゅう座”のなかにある。

史跡散歩....(b3)

2007年01月16日 20時47分52秒 | 史跡散歩
あまり知られていない史跡を訪ねるのは実に楽しい。
意外とすばらしい発見がある。
ここに写した凌雲寺跡は山口の豪族大内氏の全盛期大内義興の創建になる砦をかねた壮大な寺の跡である。
山口市の郊外、吉敷の山懐にある。
今は、寺門跡の石垣が残るだけだが、訪れる人もなく、連なる巨石にただただ風が吹くだけだ。

うべプラネタリウムは...(11)

2007年01月15日 21時54分21秒 | うべプラネタリアン
やはり、「球切れ」だった。取り替えて修理完了。
北天は完全復旧。やれやれ。

宇部市青少年会館には、プラネタリウムのほかに、天文設備として20㌢屈折望遠鏡が座っている。
これも同じ頃建ったので40年前の懐かしい眼鏡だ。観測や写真撮影には使えないが、観望会程度ならなんとかなる。
第一、屈折鏡というところがいい。土星でも月でもそのまま対象と直結している感じがいい。アンドロメダ銀河などのぞいていると230万年前の光をまっすぐ受けている感じが、反射鏡にはない感覚なのだ。
天体観望会は月最低1回は開いている。
いまから、6月頃までは土星が見頃となるので、観望会には最も得意のシーズンだ。土星のシーズンが終わる夏からは、木星が見頃となり、それが終わる頃には火星が中接近ながら見頃を迎えるので、惑星探訪を中心に精一杯数多く生の星をみていただくことにしよう。