うべプラネタリアン

プラネタリウム解説の活動を通じ、いろいろ感じたことをさまざまに語りたく....

ホームズ彗星 7-2....(201)

2007年10月31日 15時33分24秒 | うべプラネタリアン
17P/Comet Holmes の10/27の映像。
宮崎氏提供。
先の㌻の10/30と比較すると3日間の変化の大きさがよくわかる。
また、背景に写っている恒星と比べて、違いが明らかだろう。
位置の変化も読みとれるはずだ。
2枚とも倍率はおなじ。

☆SAE☆さんの表現どおり、これが目玉焼きなら、ニワトリの卵から、ダチョウの卵の
目玉焼きに大変身というところだ。今夜も観察しよう。
かずくん、夏菜さん、見つけることできたかな。
☆SAE☆さん、あなたの双眼鏡で追いかけてみるといい。
明日とあさっては会館をあける。
かずくんはむりだが、みなさん仲間を誘って見においで。

ホームズ彗星 7-1....(201)

2007年10月31日 08時45分29秒 | うべプラネタリアン
昨夜は、宵のうち曇っていたが、次第に晴れ、秋独特の澄みわたった夜空となった。
ホームズ彗星は宮崎氏の報告では、10/27の倍くらいに広がっているという。
肉眼でも、明らかに他の恒星と違って、光の面積を持って見える。
増光はおさまりつつあるというが、コマは広がりつつあるようで、光面積の集積としてみると、
光度等級(マグニチュードという)は、増しているということだろう。
阿知須支部長の堀江氏は地元で観察会を開いたそうだ。
手持ちの大ドブソニアン反射鏡で見る彗星の迫力ある姿に興奮していた。
この様子だと、しばらく光っているのではないか。うれしいね。

画像は宮崎氏がメールで送ってくれた10/30の彗星の様子。
比較のため、次㌻7-2 では、同時に送ってくれた10/27の様子を掲載する。
倍率は同じだ。

ホームズ彗星 6 特別観察会...(200)

2007年10月30日 20時26分52秒 | うべプラネタリアン
Comet Holmes (17P)の観察会をひらく。
11/1(木)と11/2(金)の両日、時間はいずれの日も18:30~21:00。
場所は会館屋上。20㌢屈折とミード30を開ける。
どなたでも自由に来て欲しい。天気予報は2日の方が良さそうだ。
彗星の方はまだまだ光を保っているようだから、流れ星のように当たりはずれはない。あとは天候次第。
こんな特殊な天体現象の時、プラネタリウムネットワークは効力を発揮するはずだ。
さあ、突然の呼びかけに、何人の人が集まるか...。

ホームズ彗星は、現在、地球から2億4千万㌔はなれたところにいるという。
地球太陽間は1億5千万㌔、単純にこれを加えると太陽から約4億㌔彼方ということになる。
太陽火星間は2億3千万㌔、太陽木星間は7億8千万㌔だから、火星軌道と木星軌道の間、小惑星帯にいる。
だから大バーストの原因は、小さな小惑星と衝突したんじゃないかなんて...。
まさか、いや、ひょっとして、なんて考えると、星虫なら、うずうずと妄想の翼が広がるのだ。

画像は、昨年春、地球に近づいたシュワスマンワハマン彗星(NASA)。
この彗星は本体が40数コに割れていたが、その中のB核の様子。
これもバラバラにばらけつつある。

ホームズ彗星 5....(199)

2007年10月29日 18時22分17秒 | うべプラネタリアン
1892年11月ロンドンのアマチュア天文家エドウィン・ホームズ(Edwin Holmes)氏は
アンドロメダ付近を観測中、M31の近くに見られないコマを持った天体を見つけた。明るさは4~5等だった。
報告を受けた天文台やヨーロッパ、アメリカの天文学者はアンドロメダ銀河の見間違いかと考えたが、
その翌週には7等以下に急速減光し、新彗星だと確認された。
ずっと後世、追確認されたところでは、発見時の4等級はこの彗星の持つ突然増光の“癖”のはしりだった。
それがホームズ彗星の発見エピソードであり、名の由来である。
この彗星は1906年の観測を最後に行方不明となり、1964年に再発見された。
その時点で公転周期7.35年近日点2.05AUと軌道要素が確定され、その後は回帰のたび確認されているが、
依然として暗く、今年5月の近日点通過後の7月に確認されたところでは14.5等だった。
そして、遠ざかるにつれ暗くなり、10/23には17等だったが、それがなんと、10/24に一挙に8等まで増光、
10/25には2等台に達した。実に14-15等級の大バーストである。
その後、増光の度合いは頭打ちになっているようだが、依然として2.5等くらいの明るさは保っており、
ペルセウス座の形を変えている。
10/27にホームズ彗星を望遠鏡で見た橋本冴夏さんは「めだまやき...」と評した。全くその通りだ。
黄色みを帯びた中心核といい、白いコマといい、すごい表現である。
これだからこの娘はすごいんだ。
注:コマ=coma=星雲上の淡い光の広がり。植物学上では草の綿毛(つまりタンポポのわたげ...
ぐふっ、これまた全くその通り。

画像は国立天文台、10/29.01時撮影のもの。

ホームズ彗星 4...(198)

2007年10月28日 18時00分49秒 | うべプラネタリアン
コメット・ホームズ(17P)は、ペルセウス座にいる。
画像の星図はペルセウス。ペルセウス座のα(アルファ)は1.8等。
このアルファ星(Mirfak ミルファク あるいはアルゲニブとも呼ぶ)が目印になる。
この星からカペラに向かって指3本下に、2等級で、肉眼では、恒星のように明るく光っている。
ところが7倍位の双眼鏡で見ると、すでにピンぼけの恒星のように面積を持って見える。
黄色みを帯びていて、側に恒星の点像も見えるのだが、全く異質だ。
2~3日で一挙に50万倍とも100万倍ともいわれる謎の大増光をした彗星。
昨夜は、星好きが数人集まって、この増光の原因について、ああでもないこうでもないと、
まぁかまびすしいこと。
でも、星を見ていて、一生の間にこんな現象に一度会えるかどうか、極めてめずらしい、
信じがたい出来事ながら、そのことでかくも興奮する種族は、やはりあまり尋常とはいえない。
昨夜来た尋常ならざる皆さんの名をあげようか...うそうそ。

蹴る....(E20)

2007年10月27日 17時55分46秒 | 水の存在
いつも近くのスポーツセンターの体育館前で、地域の老人会がラジオ体操をしている。
早朝散歩をかねて、雨でなければ必ずそれに参加しているのだが、最近は明けの明星金星の消え残りを楽しむことが続いている。
今朝は金星も美しかったが、消え残りの西の満月が美しかった。
その月の写真を、体育館前のスポーツ群像に配して撮った。
題して「蹴る」

ホームズ彗星 3...(197)

2007年10月27日 17時36分54秒 | うべプラネタリアン
48時間の間に100万倍にもなろうかという大増光した(している)ホームズ彗星
Comet Holmes (17P)をちゃんとした望遠鏡で見たくて、
今宵(10/27)突然勝手に、会館の20㌢を屈折を開ける。時間は19:00~21:00。
このブログを見ていて、その間、間に合うと思えばいらっしやい。
幸い、雲はあるが風があるから、ペルセウスのあたりは抜けて見えることもあるだろう。
どのように見えたか、後刻レポする。

20時ころから、ぱかっと晴れてよくみえた。十六夜の月が側でこうこうと輝いていたが、コマ(霞のようなぼうっとした光の影)がよく見えた。
来週半ば、うべプラネタリウムネットワークに流して、臨時観望会を開きたい。
画像はNASAから、07.10.26の17Pの様子。

ホームズ彗星 2...(196)

2007年10月26日 22時24分45秒 | うべプラネタリアン
ホームズ彗星は昔に発見された周期彗星で17Pのコード番号がついている。
7年周期の小さい彗星で、今年5月に近日点を通過した。
だから今は遠ざかりつつある、つまり減光しつつある。
10/23までは17等だった。それがなんと10/25には2等クラスまで大増光した。
たった2日で、15等級あがった、信じがたい増光だ。
どーしたこっちゃい?
先のページでも記したが、カペラより上へ7度くらいか。
双眼鏡が適している。
これからしばらく楽しめそうだが、この彗星は昔の回帰の時、5等級くらい増光した経緯があるらしく、
その時は1週間くらいで元に減光したというから、さて今回はどうなることか。
彗星は、割れたりすると中の新鮮な部分がむき出して、バーストを起こし、
かっと増光するといわれているが、それは大抵太陽に近づくときだ。
こいつは、いま、帰り際にある。
遠ざかりつつあるときに割れたのだとすれば、またまたおかしなことだ。
なんだかおもしろくなってきたぞい。

土星のシーズン...(194)

2007年10月25日 20時08分48秒 | うべプラネタリアン
土星のシーズンがやってくる。
いま、土星は、しし座の中ほどにあって、遅く昇るので、じっくり見るには適していないかもしれない。
しかし星好きは(わけても土星好きは)もう待ちきれないのだ。
桜の好きな写真家は、養蜂家(ミツバチ)のように、早くから南の国からスタートして花を追うという。
同じように、土星好きは、恋人にいち早く会いたくてわくわくして待っているのだ。
今シーズンは土星の輪は一段と細くなっているはずだ。
だから、それなりに、かっこいいだろうと期待に胸躍る。
土星の前に、火星のシーズンがあって、12月19日は2.2ヶ月ぶりの接近なのだが、
どうもえこひいきか、土星を目前にすると火星はいまいちなんだなぁ。
そんな気持ちを見透かしたように、NASAは、土星探査衛星のすこぶるいい映像を矢継ぎ早に配信してくる。
たまんないね、ご同輩、これでもかぁといわんばかりだ。