うべプラネタリアン

プラネタリウム解説の活動を通じ、いろいろ感じたことをさまざまに語りたく....

今宵は満月....(122)

2007年06月30日 21時35分25秒 | うべプラネタリアン
梅雨時と満月が重なれば、天体観望会は企画しない方が正しい。
しかし、今宵(6/30)は、梅雨の晴れ間。
わざわざ呼びかけて人を集めるほどのクリアさはないが、やるべきだったかもしれない。
というのは、ここ数日、金星と土星は近接しているのである。
我が家の玄関先から、西空の金星を見たら、すぐ側に土星がある。
早速フィールドスコープ(7cm x20)を取り出してみたら、同視野内に土星と金星が
ピシリ納まっていた。
土星は20倍では小さいが、なんとか楕円状に見えるし、金星は大きく明るく三日月状に見える。
倍率を上げれば、二つの惑星が同視野内に見えるというおもしろさはなくなるだろう。小さくても我慢しよう。
このように金星と土星が同視野内に見えるというのはめずらしいのだ。
私は、こういうシーンは大好き。
手持ちのコンパクトデジカメで狙ったが、全く撮れていない。
明日(7/1)、晴れていれば、会館の20㌢屈折をあけよう。

さて、4枚目の猫目石....(121-4)

2007年06月29日 20時56分05秒 | うべプラネタリアン
望遠鏡で見たら、一番これに近いかもしれないが、こんなに鮮明には見えない。
惑星状星雲は、こと座のリング星雲に代表されるように、
恒星のいわば死骸だから、中心部に、因になった恒星(ほとんどは白色矮星)の
光が見える。
キャッツアイ星雲もそのとおりだが、中心星は一つしか見えない。
一つしか見えないが、ガスの広がりは連星系を示している。
だから、複雑な美しさを示すのかもしれない。

これをつぶさに見ると、(121-1)は、中心部を見た映像だとわかる。
この映像は、プラネタリウムで大きく映してみよう。
美人はどう撮っても美しいが、見ようでは“好み”があるだろう。
皆さんはこの4枚のなかでどれがお好き?

プラネタリウムのお客さん....(120)

2007年06月28日 21時27分20秒 | うべプラネタリアン
プラネタリウムにくるお客さんは何年生が多いですかという話になったので、言下に「小学4年生」と答えた。
圧倒的に4年生が多い。
一つは理科で初めて本格的に「星の観察」が取り上げられるためだろう。
なぜ、4年で「天文」が取り上げられるのか、もう一歩踏み込んで考えてみた。
多くの要因があるだろうが、どうだろう、その一つに、10歳くらいになると、
自己を外から見る視点が育ち始めるからではないだろうか。
「私の家族」から「家族の中の私」といったふうに、自らの立場を客観視できるようになるからではないか。
星の世界を考えることは、“自己中”からの脱却なくしては成り立たない。
この視点をあざやかに持つということは、いじめの問題も、互いの違いを認める理解も、
大きく言えば環境問題まで、理性的に対処できるベースを持つということではないか。
星の世界にふれあうと、すでに悩みの極にある人を救う力にはならないかもしれないが、
少なくとも加害者にならないための予防接種にはなると思うのである。
これは、この仕事に就いて以来の私の信念になっている。
信念に理屈は要らない。

画像は、アイリス星雲(NASA)。
宇宙のアヤメって。なんじゃらほい。

夏の大三角形....(C26)

2007年06月27日 19時53分15秒 | 新・星座物語
名越くんは、もう一つ物語を寄せてくれた。
ちょっと手を入れたが、星座の成り立ちを思わせる根元的な香りがする。
そうなのだ、「星座」は、神々のいます「座」なのだ。

昔々その昔、ある国に、たまに一年に一回くらいしか見ることのできない、
貴重な星がありました。
人々はその星を「かみ座」と見ていました。
その近くには「わし座」もあって、これは夏しか見えません。
人々は「わし」か「はと」か、よくわかりませんでしたが、「はと」は冬にも
出るということで、やっぱり「わし」だと納得したのでした。
そこへ「はくちょう」も出てきました。
人々は、全部つなげたらでっかい三角ができることに気がつきました。
「かみ座」は、こうして、夏にしか現れない「夏の大三角」になったのでした。 

さそり と オリオン と いて....(C25)

2007年06月26日 20時58分00秒 | 新・星座物語
鵜ノ島小4年、名越 麗(なごし れい)くんの作品
6月20日に鵜ノ島小4年生は、プラネタリウムに来てくれた。
そのとき、皆さんに新星座物語を募集していると話をしたところ、本日、礼状とともに名越くんの作品が届いた。
ほかにも、物語を作りたいですというメッセージが多くあったので、また寄せられるものと期待している。
なお、名越くんは、おなじみ児林一輝くんのクラスメートだ。

ある年の1年前のこと。さそりは、いつものようにごそごそ動いたり、上を見たり横を見たり、ひまにしていました。
そんな時、ちょうど近くにオリオンが歩いてきました。
さそりはちょっといじめてやろうと、チクッとオリオンを刺しました。
悪ふざけでやったのに、オリオンは次の日死んでしまいました。
夏になってオリオンの弟子のいてがさそりを探しに来ました。
そのときさそりは寝ていましたが「どこにいるんだ」という声がしたので、はね起きました。
「やばいぞ、いてだ、かたきうちに来やがった、ひゃあたすけて!」とさそりは逃げ回りました。
いてはさそりを見つけて矢を射ました。
「チクッ」
「いてぇっ、ひゃー たすけてくれぇー 痛いよう..」
「ついに、やったぞ。勝った。オリオンのかたきをうったんだ」
こうしてさそりはいてに負けてあやまったのでした。

画像は、エスキモー星雲(nasa)

今週から、幼稚園のプラネタリウム...(119)

2007年06月25日 20時19分55秒 | うべプラネタリアン
要請がびっしり続く。
今日が皮切り、鴻城幼稚園60名。
星座の話ばかりでは、飽きるので、プロジェクターを使って、さまざまな映像を映すことにしている。
ほとんどが星に関する画だが、そこにその幼稚園の一角の写真を忍ばせるのは必然である。
この効果は絶大だ。一番歓声の上がるところだ。
また、七夕にちなむので、お願い事を書いてもらって、用意した笹竹につるしながら、入場してもらうことにしている。
お願い事の中に数人、「ほしやになりたい」というのがあった。
“ほしやってなに?”と聞きながら、もしや天文学者のことかとドキドキした。
聞くと、ドキドキ通りで、しかも、おじさんみたいなお仕事!というではないか。
まったくこっちが舞い上がってしまう。
こんなことがあるからやめられないのだ。
まったく、もう...こいつら。

画像は、りょうけん座・惑星状星雲[IC418]NASA提供。
こんなん見て、余計な説明など要らない。ひゃぁっという歓声だけでいい。なっ?!

どういう訳か、今(6/24 21:00)....(118)

2007年06月24日 21時25分59秒 | うべプラネタリアン
よく晴れている。決してクリアではないが、雨に洗われた夜空は美しい。
9日の月が黄色に光っている。
月のすぐ上(2度くらい)に光る白い星はスピカ。さすが1等星、月の明るさに負けてはいない。
木星も美しい。
今日のプラの解説で「生の星を見てほしい、今宵は曇ってダメだろうが、
火曜か水曜はきっと晴れるから」と言ったが、なんのことだ、この晴れ方なら、
月とスピカの近接をよく説明しておけばよかった。
今日は、20日に学校クラスで来た鵜ノ島小の4年生が大挙してリピーターとして来てくれた。
こういうことはひどくうれしい。聞いてくれていたんだ、何かが心に残っていたんだと、手応えを感じるときはうれしい。

画は、さそり座の「てふてふ星団」M6、(NASA)。
すばるもこの星団も、母体となったガス星雲がまだまわりを包むように残っていて、
ちょっとにじんだ感じに見える...ちょうど今宵の星空のように。