うべプラネタリアン

プラネタリウム解説の活動を通じ、いろいろ感じたことをさまざまに語りたく....

みかけの月の大きさ...(56)

2007年03月13日 21時11分17秒 | うべプラネタリアン
なぜ、現在の月が、見かけ上太陽と同じ大きさなのか、全く偶然としか言いようがない。
今年の夏日本が打ち上げる月周回人工衛星セレーネは、その辺の探求までしてくれるのだろうか。

まだ地球がぶよぶよのころ(45億年前か)火星大の惑星が衝突し、地球のマグマがどっと宇宙に飛び散った。
それが宇宙で再集結し、月になった。
そのころは2万㌔の近くにあった(今38万㌔)。その後だんだん遠ざかり、今も年3.8㌢ずつ遠ざかっている。
40億年後には50万㌔のところで安定するといわれている。
そのころは太陽より見かけはずっと小さく見えるだろうが、おそらく生きてはいないだろうから確かめようがない。
見かけのサイズが同じだと言うことは、私たちがたまたま時の流れの中で、そのポイントに遭遇しているという偶然にすぎない。
位置関係の偶然ではなく、時間関係の偶然なのだ。

まあ偶然がどうあれ、見た目サイズが同じといことは、皆既日食の時、コロナが見えるという要因(喜び)になる。
月食の時、月から太陽を見ると、地球が太陽を食うかたちで、日食が起きているわけだが、
地球が巨大に見えるから、太陽を広範囲に覆ってしまい、コロナの広がりが見えないだろうと計算されている。
今より月が遠くなれば、見かけ上小さくなるから、太陽と重なっても、いつも金環食となり、
やはりコロナは見えない。

そんなことまで大きいイメージを広げてみると楽しくて仕方ないでしょ