うべプラネタリアン

プラネタリウム解説の活動を通じ、いろいろ感じたことをさまざまに語りたく....

今年は、歳星大火....(53)

2007年03月08日 21時07分48秒 | うべプラネタリアン
木星は、黄道12星座を1年に一つずつずれてゆく。だから歳星と呼ばれている。
05年はおとめ座にいてスピカの近くで輝いていた。
06年はてんびん座で、今年07年、夏の見頃を迎える頃はさそり座だ。
厳密にはへびつかい座の足のあたりなのだが、広い意味でさそり座とみていい。
さそり座には、赤色巨星アンタレスがいる。
その近くに木星の、またたかない、ベターッとした強い光が同居するのだから、
さそりの心臓もドキドキ落ち着くまい。
歳星大火とは木星がアンタレスの近くにいることをいい、12年に一度めぐってくるわけで、普通の会話では、
来し方の年を考えるとき、干支を重ねて、前の戌年の時はどうだったとか、
親父の亡くなったのは酉年だったとか言うけれど、星好きなら、歳星がレグルスの近くにいた時ね、などとかっこつけるわけだ。
そんな話を組み立てて、これから夏にむかって、主役をじょじょに木星に移してゆこう。

プラネタリウムでも、ついこの間まで、明け方には木星もあがりますと言っていたのに、もう、
夜半過ぎには木星が東のそらに....と言い方を変える頃となった。
ここのところ猛烈な寒さが戻って、ちらちら雪も降ったが、夜空は間違いなく
春のさかりとなっている。