志方町をゆく(46) 高御位山物語(5) 成井(なるい)
*成井は高御位山登山口周辺の集落
成井は「七つの井」の転音か?
「高御位山物語(4)」の最後の部分を再度読んでおきます。
(アマンジャクは、重い石屑を背おい、高御位山山頂へいそぎました。でも疲れて)一里の道を行くのに七回も休んで水を飲みました。
七回目に、今の「成井(なるい)」の井戸の水で、喉を潤しました。
この水は何とも言えない美味しい水で、今までの疲れもいっぺんにふきとんで、再び元気が出てきました。
そして、一気に高御位山の頂上まで、重い石屑を担ぎあげました。
・・・・・
以上が復習です。伝承を続けます。
アマンジャは、のどの渇きをうるおしましたが、その途中の井戸の数は七つで、そのうち三つは、魚橋(高砂市阿弥陀町)にあり、ひとつはこの村にある「梅の井」というのがそれであると伝えています。
伝承では「成井・なるい」は、この「七つの井」からの転音であるといいます。
「成井」は平地(成居)の意味
楽しい話を壊して申し訳ありません。
このアマンジャクと成井の地名説話は面白いのですが、若干検討が必要です。
地名研究者は「成井の村は、記録によると今の成井は、(旧)成井村の新田で、もとは今の成井集落の東の小字「梅ノ水」の付近であったようで、この辺りは水害等でたびたび悩まされました。
そのため、今の高台に移転したものと考えられるとされています。
成井は、成居とも書きました。
ナルイ(平居)は「平地の村」のことで、成井のもとの集落は小字「梅ノ水」あたりで、平地であった所から付けられた地名であったようです。
*写真:高御位山と山麓の成井の一部
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます