滋賀県大津市北比良・南比良
蓬莱駅から比良駅までの二駅の距離を、なるべく湖岸に近い道を選んで歩いてきた。
水切り遊びをしたり、シジミはいないかと砂浜を掘ったり、流れ込む小川に手を浸し、その冷たさを楽しんだりして、やっぱり琵琶湖っていいなぁ、と再認識。
あまり一人では出来ないことでもあるので、同行者のO君にも感謝だ。
出来れば、この先も湖岸に沿って、近江舞子か北小松まで歩いてみたかったが、午後の天気は雨で間違い無さそうだし、ここから山側へ少し行ったところに、以前から行きたかった神社があるのでそちらに立ち寄り、比良駅から帰ることにする。
左手に比良駅を見て、湖岸から山の方へと一直線に向かう道に入るところで、湖岸に面して鳥居が立っている。
天気が悪くて、写真では空と琵琶湖の境界さえ判らない状態になってしまった。
ここは、これから向かう神社の御旅所のあるところだ。
天気が良ければ、青い空と琵琶湖に鳥居が映えることだろう。
ここからは退屈な直線道をテクテク歩く。
神社の杜は早くから見えているものの、景色は遅々として進まない。
湖岸から800m弱の距離だが、この日、最も退屈な道のりだ。
正面には比良山系が聳えているが、その斜面の紅葉は全く冴えず、濁った色で曇天の下でくすんでいる。
私にとって、今までで一番美しい紅葉を見たのは比良山だった。
中学三年の秋のことで、それはそれは鮮やかで、息を呑むとはこういうことかと思うほど、圧倒的な美しさだった。
今日は多少は時期を外しているかも知れないが、そうであっても通常なら点々と鮮やかに色付いた木々が散見される筈である。
それが一本も見当たらない。
やはり今年の紅葉は色付きが悪いのだろう。
ただ、蓬莱駅から7キロほど歩いてきたが、さすがに若いO君は全く疲れた様子も無くて心強い。
国道161号線と出会うT字路の正面に神社はある。
タイトルで二つの神社名、住所は北比良と南比良の二箇所を書いた。
写真をよく見てもらえば判るのだが、正面の鳥居の左側にも常夜灯が見えていて、何やら参道のような気配が窺える。
正面の鳥居が北比良の天満宮のもので、左側に少し見えている参道は、南比良の樹下神社のものだ。
つまり、地区の境界の南北に、それぞれの地区の神社があって、前回の八所神社と似た状態ではあるのだが、こちらは八所神社と違って神社名は別々である。
両神社の間にある大木はかなりの存在感。
幹の殆どは空洞になってしまっているが、まだ緑の葉を沢山つけている。
目の前は国道で、湖西道路が出来る前は交通量がもっと多かったし、長い間、排気ガスに晒されてきたわけであるが、今は少しばかり過ごしやすくなっているだろうか。
とはいえ、国道が通じる前の風景を見てみたかったと強く思う。
天満宮の鳥居。
左奥には樹下神社の鳥居も見えている。
こういった細かな違いはあるが、この二社は瓜二つと言っていい。
参道の途中で隣に別の参道と鳥居がある。
とても不思議な感覚だ。
こちらは樹下神社の鳥居。
天満宮の拝殿。
両社の参道の間から。
こちらは樹下神社の拝殿。
瓜二つとは言っても、よく見れば拝殿も中門も、それぞれ微妙に作りが違う。
何だかいい意味で競い合っているかのようにも感じられて、それを見る私としては贅沢な眺めを享受させてもらっている気分だ。
面白いなぁ、と思う。
元々は一つの神社が、地域の争いで二つに分かれた、という話もあるようだけど、今は仲良く並んでいるようで、ここの神様達は、日々、楽しんでらっしゃるのでは、なんて考えたりする。
どんな会話を交わされるのか、想像すると豊かな気持ちになれる。
こういった神社は、他にも例があるのだろうか。
前回の八所神社も似たような事例だけど、ここは更に特異さが際立つ。
樹下神社本殿前から鳥居方向。
こちらは天満宮。
どちらも湯立竈らしきものがある。
天満宮本殿。
この位置から見た本殿の陰翳が、最も美しかった。
残念な天気のせいもあって、納得のいく写真は撮れなかったけれど、楽しい一日だったので、まあ良しとしよう。
撮影日時 12時~12時50分
地図
こちらこそ、本年もよろしくお願いします。
リンクをして頂いている神社関連サイトの多くが、
休止や閉鎖の状態にあって、
長く続けられているuziさんの存在は心強い限りです。
これからも末永く、相互リンクお願い致します。
私は日吉大社に行ったことがありませんので、
改めてuziさんのところで拝見しましたが、
何とも奇妙な配置になっているのですね。驚きました。
動線が交差しているわけで、
ここの二社よりも不思議に思えます。
滋賀の神社は、興味深いところが多いですね。
明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い致します。
先月日吉大社に行ってきたので、樹下神社、興味深く拝見いたしました。
日吉大社の東本宮の楼門をくぐると、
左手に樹下神社の本殿、右手に樹下神社の拝殿があります。
正面奥に東本宮の拝殿、その奥に東本宮本殿があります。
これも珍しい配置です。
おはようございます。
福井はいいですよね。もう何年行ってないでしょうか…。
掲載している福井の神社は2009年が最後で、
それも白山神社とかを周ったときのものですね。
神社以外だと2010年の甲森谷で、これが福井に行った最後かも知れません。
この冬にはぜひとも神社の雪景色を撮ろうと思っているのですが、
たぶん湖西や丹波あたりで済ませて、福井までは行かないかなぁ。
せめて若狭には行きたいのですが、鉄道だと結構遠いんですよね。
永平寺は幼い頃に行ったような行かなかったような…
記憶も定かではないので何とも言えませんが、
白山神社は、ぜひいつか行ってみてください。
勝山まで行って立ち寄らないのは勿体無いです。
石仏が多い地域を訪ねてみたいです。
それこそ神社よりも車で訪ねて回るのが難しいですから、
のんびりと歩いて、それぞれのお顔をゆっくり拝見したいなぁ、と。
取り敢えずは、奈良や南山城ですかね。
木々の寂しさや光線の角度を考えると、
冬は石仏の撮影に向いているかも知れませんね。
先日日曜日に福井県の坂井市と勝山市に行って来ました。自動車愛好家のツーリングで、私の行きたい所ではないと言うか既に行った所ばかりだったのですが、お友達と会えたのは楽しかったです。(家人のブログを見て、お友達も行きたいと言うリクエストだったのです。)
福井県は雪が多いので神社も葺屋に覆われたところが多く、社殿が見られるのは大きな派手な所ばかり、と言う印象です。
こじんまりした良さそうな神社もありますが、参道が短いです。
永平寺と白山神社と言う有名所もあるのですが、今回は行けませんでした。
永平寺は写真撮影禁止なのですが、一度は行っておきたい所です。
神社仏閣ではありませんが、森の中に石仏がぽつんぽつんと置かれているのが道から見えて、それが温かく感じられました。
そばまで行く道がなく草を踏み分けた跡しかないのですが、お花が備えてあったり帽子を被せてもらっていたりして、地域の信仰をまだ集めているのだなぁと思いました。
お顔も優しいのですよ。
福井にはローカルな鉄道が走っていて、それで旅をする番組も見たことがあるので、一度はそんなのんびりとした旅もしてみたいですね。
おはようございます。
本当にここは珍しいケースなのではと思います。
地域の争いがあって分社した、というケースは有り得ることだと思いますが、
そういう場合、普通なら離れた場所に新たな神社を設けるでしょうし、
仲良く並んでいるのが面白いところです。
こういうケースは前回の八所神社とここしか知りませんし、
滋賀県に多いということも無いようです。
湖西にそういった神社が二箇所あるのは、なかなか興味深いことです。
社殿も参道も杜もいい雰囲気のところです。
ただ、神社前だけが国道で落ち着かないのが残念です。
湖西は山と湖が近くていいところです。
多くの神社は琵琶湖の方向を向いています。
それは朝陽の方角でもありまして、広がりと眩さの方角でもあります。
神社が2社並ぶと言う形は本当に珍しいと思います。
摂社とか末社とか呼ばれる境内社ではなく、独立した主祭神のお社が並んでいるのですよね?
滋賀県では珍しくなのでしょうか。
それとも湖西地方の特色なのでしょうか。
湖西は滅多に行かないのですが、湖東ではそう言う形は見なかったような?
あるいは気が付かなかっただけかも知れませんが。
社殿が立派でごちゃごちゃしていなくて、綺麗ですね。
鳥居の向こうに湖、と言うのも開けた世界に向いている神社と言う印象で好きです。
海とか広い水がある空間って、異世界ですよね。