神社のある風景

山里の神社を中心に、歴史や建築等からの観点ではなく、風景という視点で巡ります。

八所神社

2015年11月25日 | 滋賀県

滋賀県大津市八屋戸・南船路


紅葉の写真を撮りに行きたいと思いつつ、天気、その他諸々うまく噛み合わず、なかなか出掛けられずにいた。
と言うより、こんなブログをやっていながら、実のところ私は出不精である。
出掛けたい出掛けたいと常々思っていながら、当日になると「メンドクサイ」となって、休日を無駄にしてしまうことが度々ある。
ここは一つ、誰かに犠牲になってもらわなければならない。
一人で出掛ける予定を立てるから、ついついサボってしまうのであって、誰かと約束してしまえば、すっぽかすわけにはいかないのである。 
というわけで、今回は珍しく同行者がいる。
親子ほど歳の離れた高校生のO君だ。
彼はなかなかに思慮深く、洞察力があって、大人と会話が出来る逸材である。

早朝に最寄り駅で待ち合わせ、湖西線の蓬莱駅で下車する。
あまり神社ばかりを訪ねるのもどうかと思ったので、琵琶湖を見たりしつつ、ちょっと神社にも立ち寄ろうというプランだ。
とはいえ、蓬莱駅のすぐそばには八所神社があるので、まずはそこに向かう。



駅から100メートル程で神社前。
神社前は旧国道161号線で、湖西道路が出来て県道に格下げになったが、それでもそれなりの交通量があって、長閑さや静寂といった環境には無い。
ただまあ、駅の直ぐ近くに、こんな環境があるのは「いいなぁ」と思う。 



拝殿は滋賀県によくあるタイプ。



O君はというと、特に関心のある様子も無ければ、退屈というわけでも無さそうだ。



本殿の佇まいは質素でもあり、味わい深くもある。

ところで、左手の木々を透かし見ると、何やら社殿のようなものが見える。
住所表記を、滋賀県大津市八屋戸・南船路としたのはこのためで、ここまでは八屋戸の八所神社、隣接して南船路に、同名の神社がある。
仕切りがあるわけで無く、同一の社域に存在するかのような二社だが、道が繋がっているわけでもないので、一旦、鳥居の外に出る。



南船路の八所神社の鳥居前へ。
空は曇っているが、ちょうど朝陽の方向に面しているのでコントラストが強く、撮りにくい。



こちらも拝殿の形状は似たようなタイプだが、やや新しいようだ。
木々は疎らなので、こちらの境内の方が明るい。



こちらは中門は無いが、やはり似た印象の本殿。
鳥居から本殿まで、全て八屋戸のものよりも簡素に感じられ、境内もこちらの方が狭い。
どういった経緯で同じ敷地内に同名の神社が存在することになったのか興味深いが、ネットで調べてみても詳しいことは判らなかった。

と、まあ、ざっと簡単に撮影を済ましてしまったけれど、今回は同行者もいることだし、一応は琵琶湖を見ながらのんびり歩くのが主目的である。
撮影時間は二社を合わせて僅か10分足らず…。



神社から湖岸までも100メートルほど。
天気は曇りで空気の透明度が低く、立体感の無い茫漠とした風景になっていて詰まらない。



綺麗な紅葉も見当たらないし、琵琶湖も絵にならないし、何を撮ればいいのかと思いつつ、取り敢えずは北に向かって歩く。
O君は琵琶湖に来るのは初めてのようなので、もっと美しい琵琶湖を見せたかったとも思うが、それなりに楽しんでくれているようだ。






時々、こういった小さい流れが琵琶湖に注ぎ込む。
湖西は山が近いので、どの流れも澄んでいて綺麗だ。



湖岸には桜も多い。
満開の姿は、さぞかし美しいだろうなと思う。



私は高校時代よくこの辺りに遊びに来たが、当時と比べると湖岸付近の建物は派手な洋風の別荘のようなものが増えて、鄙びた風景はあまり見られなくなった。
それでも、水や砂浜は、当時と変わらず綺麗なままなのが嬉しい。



紅葉らしい紅葉も無いので、こういったところに秋を見出す。



ちょっと荒んだ雰囲気になったりもするが、ミスマッチな洋館が立ち並ぶ風景よりかは味わいがある。









どこかの寂れた漁村みたいにも見えて、もっとあちこちの湖岸の表情を見てみたくなる。
ただ、今回は夕方までには雨が降り出しそうなので、比良駅まで。
この少し先で、コンビニで買ったおにぎりで昼食を摂ったが、何故かそこで水切り遊びが始まる。
O君はあまり経験が無いようで、最初は不器用に石を水没させていたが、すぐにコツを掴み、私といい勝負になってきた。
お陰で私は今も右腕が痛いのだが、O君は当日のうちに治ったらしい…。

この後、比良駅近くの神社に寄ってから帰ることにする。


撮影日時 151123 8時50分~9時(神社) 9時5分~10時50分(琵琶湖)
地図(神社)


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12 コメント

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Unknown (Jun)
2015-11-25 21:58:53
PCの不調で先に書いたコメントが投稿出来ないまま消えてしまいました。
まぁ、大したことは書かなかったので、こだわらないことにします(笑

同じ敷地内に同じ名前の神社が2社あって、住所が違うって、不思議ですね。
どちらの地区も自前の神社を持ちたかったのでしょうか?
多可町の間子と言う集落に加都良神社が2社あって、片方が本社、片方が御旅所だそうです。両社の距離はそんなに離れていませんが、八所神社みたいに隣接はしていません。
どんな理由で2社あるのか、知りたいですね(笑

同伴者、私は家人以外の人とは疲れるので趣味の外出は一人でします。親友はいますが、相手のペースに呑まれてしまうのです。
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Unknown (hiro1jz)
2015-11-27 10:56:50
>Junさん
PCの不調、もうけっこう長いですね。
買い替え時ですかね?
ウチもそろそろかなぁ…。

同名の神社が、隣の集落にもある、というケースは有り触れているんですが、
ここのように隣接しているのは珍しいですね。
どちらの地区も自前の、というのはあると思うんですが、
普通は同じところに建てないですよねぇ。
これだけ隣り合ってると、妙に張り合ったりしてしまいそうだし、
昔には諍いもあったんじゃ、なんて想像してしまいます。
次に載せる神社も面白いケースだと思います。

一人では一人の、複数なら複数の良さがそれぞれあるんですが、
まあ相手次第でもありますね。
撮影だけに限れば、一人の方が集中できるのは確かです。
今回の撮影は、かなりいい加減になってしまいました。
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水路の写真 (Jun)
2015-11-27 21:33:38
私が使っているのは家人の「お古」なので、新規ソフトなどを勝手に送りつけて来られたりするとPCが戸惑ってしまうみたいです。

消えてしまったコメントの一部を思い出しました。

水路の写真のことです。
空と湖につながって行く、先が広がって大きな空間になる、と言うのが、「良いなぁ」と思ったのです。
私は水路を見ると、すぐにカーブになっている箇所を撮影したくなるので、そんな風に「先の様子」をじっくり見たことがなかったなぁと思いました。
こう言う捉え方もあるんだ、と。

日曜日に大江の元伊勢皇大神社と天岩戸神社に行きました。
どちらも有名なのですが、写真撮影の場所がすっかり定番になっていると言うか、他に撮る場所がないなぁと、思いました。
ずっと行きたかった場所なのに、また行きたいと思わないんです。
多分、想像以上に参拝客が多かったことも影響しているかも。
九州とか四国からも来ていました。連休だからとは思いますが、大江ってそんなにメジャーな観光地ではないし、やはり元伊勢だからでしょうね。

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Unknown (hiro1jz)
2015-11-28 06:57:54
>Junさん
たぶん、参道と同じ感覚だと思います。
狭い空間の先に、開けた明るい空間が広がる、
といった風景に惹かれるので、
例えば狭い路地の先に琵琶湖が見える、
といった風景も、あれば必ず同じように撮っていたと思います。
ただまあ、この風景は絶対に青空のほうがいいなぁと思うので、
また機会があれば撮り直したいです。

大江の元伊勢、随分とメジャーになってしまいましたね。
私が初めて訪れた頃は、まだそんなに参拝客はいなかったんですが。
定番の撮影場所だからこそ、ひねくれた目線で狙うと面白かったりもします。
とはいえ、もし、あちら方面に行く機会があっても、もっと鄙びた場所を選ぶと思います。
天岩戸神社の川も綺麗じゃないですし…。
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Unknown (Jun)
2015-11-28 07:02:25
多分、このサイトがご覧になられたかと思いますが、2社の八所神社の由来が書かれていますので。でも同じ場所にある理由は書かれていないですね。
http://japan-geographic.tv/shiga/otsu-hatsushojinja.html

天岩戸神社の川、五十鈴川だそうですが、水が澱んで臭かったです。
上流に集落があるそうですし、清流とは言えませんね。
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Unknown (hiro1jz)
2015-11-29 09:01:19
>Junさん
そうなんです。
そのサイトも見たんですが、それぞれの由緒は書かれているものの、
結局のところ、どうして同じ場所に二社あるのかは判らないんですよね。
こんなことを言ってはナンですが、
あまり祭神や由緒に興味が無い私としては、
二社が隣り合う状況に至った経緯の方が面白そうなんですけど(笑

天岩戸神社には三度ほど行きましたが、
夏でなくても臭いますね。
周囲の環境はいいのに水が駄目で台無しという感じです。
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富久貴(ぶくみ)の滝 (Jun)
2015-11-29 21:58:14
こんばんは
今日は滝を見に、福知山市夜久野町の畑と言う地区に行って来ました。
国道9号線から井田と言う交差点で北へ府道707号線を行きます。下夜久野駅の近くですが、そこからかなりの距離を走りますので、路線バスに乗り換えなければ電車利用の場合は無理でしょうね。(ちなみに、バスは日曜日は運休)
府道沿道に神社がいくつかありました。どれも参道が短く獣柵に囲まれています。
撮影意欲はそそられませんでしたが、この地区は資料が乏しく、滝も府道のすぐそばにあるのに最近まで世間に知られていない村人だけの滝だったようです。(丸太のベンチとか設置してあります)
京都府にまだ「水道管を設置しています」と工事をしている地区があることに驚きました。
唯一軒の店舗は、火木土のお昼だけ営業する食堂だけです。
ちょっとした「秘境」でした。
またお時間のある時にご覧下さい。
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夜久野 (hiro1jz)
2015-11-30 09:15:07
>Junさん
夜久野町の辺りは神社の情報が少なくて、
ちょっと気になっている地域でもあります。
駅の近くに、割と参道の長そうな神社もあるので、
いずれ行かねばと思っているのですが、
滝の情報も少ない地域でありますね。
ただまあ、地形的に見て、さして滝の多い地域ではないでしょうが、
富久貴の滝自体は、なかなかにいい感じの滝ですね。
植生が完全に人工林ぽいのがちょっと残念。

京都府の上水道の普及率は、2014年現在で99.7%だそうですから、
稀な工事に出くわしたことになりますね(笑
私自身は逆に、山間部はもっと普及してないものだと思ってました。
電車だと、こういった秘境的なところへは行けませんが、
駅近の、意外に豊かな自然や神社を見つけていこうと思っています。
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Unknown (Jun)
2015-12-01 07:01:51
下夜久野駅近くの神社と言えば、富久貴の滝へ行く府道707の井田交差点の角に入り口がある賀茂神社でしょうか。
実際に見ると一目瞭然ですが、「参道」はもの凄く急勾配の階段なんですよ。
道路から神社は見えません。
階段を見て、私も興味が湧いているのですが、駐車場がなさそうなので、通過しました。
もし、夜久野までお出かけの機会があれば、是非訪問して下さい。(笑

今里は長閑な山里で、路線バスは平日のみの営業なんだそうです。
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Unknown (hiro1jz)
2015-12-02 07:40:46
>Junさん
下夜久野駅だけでなく、前後の上夜久野、上川口にも、
それぞれ参道が長そうな神社があって気になってます。
賀茂神社も、地形を見る限りでは奥に進むほど傾斜が緩くなるようで、
急峻な石段だけでない、奥行きのある参道かも、
なんて希望を持っていたりするのですが…。
尤も、この辺りの地域に限らず、丹念に地図を見ていると、
駅近くに面白そうな神社が結構あって、
いつになったら行くことになるのか判りませんが(笑

田舎に行くと、大人は大抵自家用車ですし、
公共のバスは半ば通学用になっているところも多いので、
平日のみ運行ということになってしまうようですね。
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