神社のある風景

山里の神社を中心に、歴史や建築等からの観点ではなく、風景という視点で巡ります。

宇気比神社

2009年05月05日 | 三重県

三重県松阪市嬉野上小川町


伊勢湾に注ぐ雲出川の、その大きな支流、中村川を源流近くまで遡ると上小川町の集落に着く。
中村川最奥の集落で、どんどん山奥に入っていく気配だが、集落に辿り着けば、意外と明るく開けた場所である。
標高は約350mで、川を遡って標高が高くなったぶん周りの山が低くなり、深山の雰囲気は無い。
宇気比神社は上小川町の集落にあって、式内社である小川神社の論社となっている小さな神社だ。
松阪市のオフィシャルサイトにも小さく紹介されており、「そこは神がすむ、深山幽谷の世界」などと記述されているが、ちょっと大袈裟な表現に思える。
地理的条件としても「こんなところに式内社?」と思わないでもないけれど、ここに古くからある神社なのは確かなようで、川のせせらぎが届く、落ち着いた場所である。



道路に面して鳥居、すぐ奥に中村川を渡る橋がかかっている。



橋の先には木製の二の鳥居。



参道は左に折れ、左手に杉の大木を見ながら緩やかに登っていく。
雰囲気の良いところなので、参道先に見える現代風の建物がちょっと残念。



川面はほとんど見えないけれど、その水音が聞こえるだけで緑も空気も潤うような気がする。



拝殿。右手にこの神社最大の杉が聳える。
時間は昼過ぎだったが、遠雷が響き、夕暮れ時のような雰囲気。



凛々しい狛犬が、空気を引き締める。



本殿は流れ造で、神明造の多いこの辺りでは珍しい。


2万5千分1地形図 伊勢奥津
撮影日時 080813 12時20分~12時40分

駐車場 神社前から少し進むと道路がかなり広くなっている。
地図 神社の表示位置がかなり上流側にずれている。川を挟んでお寺の向かい辺りが正しい位置。地図を拡大すると位置表示は正しくなる。

 


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8 コメント

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Unknown (Jun)
2009-05-06 09:22:50
深い森の中の閑かな雰囲気がいいですね。
入り口で奥まで見通せないと、どんな社殿だろうとわくわくします。
勿論、見通せる神社が嫌いと言う訳ではありませんが。(笑

4日は数週間前に訪問した丹波の神社を同伴者ありで廻りました。
新緑が綺麗でしたので、社殿より樹木を撮影しました。同伴者は柏原八幡の狛犬が気に入った様子でした。
独鈷の滝、前回は全く魅力がなかったのですが、新緑がセットになると結構見応えがありました。水量が不思議にあったのですが、下流は全然水がなく、どうも水流循環疑惑が・・・(笑
楓と公孫樹をチェックしたので紅葉の季節が楽しみです。

昨日は町内でまだ未知の領域だった八千代を走りました。幽黙さんが過去に取材されて整理されてしまった神社とか、廻りました。
田植えが始まっていて結構人が外に多く、落ち着けませんでしたけど、挨拶するとみなさん笑顔で応えてくれました。

ある神社を探したのですが、地図でははっきり明記されているし国道の横にあるはずなのに入り口がわからずうろうろしました。
毎日横を通るので、何故わからないのか、わかりません。「招かれていない」のでしょうか?(笑) 先日も祭礼があり新聞にも載っていたのですが。
次回はクルマでなく徒歩で探そうと思います。

三番目の加都良神社は良い雰囲気でした。
狛犬が彩色されていて、少し漫画チックで可愛らしかったです。
横にあるお寺は推古天皇時代の創建らしく、もっと見れば良かったかな。
蓮池の蓮が伸びる頃にまた訪問します。

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Unknown (幽黙)
2009-05-06 17:12:20
静かな杜のようですね
狛犬が護国神社系なのが
ちょっと気になりますが…
川の水の音
遠雷の音
そうした耳からの情報も
杜という空間では
大切な要素ですよね

柏原神社の狛犬は
日本一の称号を日本で最初に与えられた石工
丹波佐吉の手になるものですから
それだけでも印象がちょっと異なりますよね
崩れかけているのでもっときちんと
保存してもらいたい狛犬です

それにしてもJunさん
5日は八千代だったのですね
ニヤリ
愚生も5日の午前中は八千代におりました
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Unknown (hiro1jz)
2009-05-07 07:03:46
>Junさん
実はあまり深くない森だったりします(笑
参道は直線に近くても、深すぎて社殿まで見えない、
という形が理想ですが、なかなかありませんね。

下流より上流の方が水が多いことはよくあります。
特に、山地から平野に出るところは、川が押し出してきた土砂が堆積しているので、
水の多くが伏流する可能性が高く、時には涸れ谷になります。
現地を見てないのでなんともいえませんが、独鈷の滝はこの条件に当て嵌まるのでは。
普段からのカエデと公孫樹のチェック、大事ですよねぇ。

田植えの賑やかさは嫌いではありませんが、
やはりちょっと落ち着けないですかね。
女性より男性の方が怪しまれる確率が高いので、
ちょっと気を使います(笑
お目当ての神社が見つからないことも、車ならよくあります。
よっぽど気になる場所でない限り、私はあっさり諦めてしまいます。
加都良神社は行ったことがないですねぇ。
中区ですと荒田神社とかは行きましたが・・・。
何にせよ、私はゴールデンウィークがありませんし、
短時間で行ける良い神社もありませんので羨ましいです。
明日は休みですので京都の丹波に行ってきます。


>幽黙さん
山奥の神社では、素朴な狛犬がいいんですけどねぇ。
私はやっぱり岡崎現代型がいちばんガッカリします。
確かに、森の中では、静かなのに驚くほどいろんな音が奏でられてますよね。
撮影しだすと必死になってしまいますが、
時おり耳を傾ける余裕を持ちたいです。

う~、みなさん連休で出かけまくりですね・・・。
私は明日が休みなので、気合い入れて撮ってきます。

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どうもですぅ (era)
2009-05-07 20:29:29
不肖era戻りました。松阪市は誇大広告ですが、な
かなかの神社ですね。落ち着いた感じの神社で参拝
したらホッとしそうですね。
四枚目の振り返りの写真が好きですね。

若狭は真冬に二回。それも電車で行ったせいで
たいして参拝できなかったんですよ。
玄松子さんのサイトで若狭みると地味だけど苔も
多いし次回は車で行くつもりですよ。
自分も越前行きたいです。七月に休みとれたら越前
ですが・・・現状だと休み不可能です。

熊野本宮はホントに残念。水辺の神社は多かった
と思いますが、いまと違って治水の問題あります
からね。元伊勢の候補地でも何度も流されて遷座
というのがありました。
甲斐のは別格ですね。五年ごとに流されるんです
から落ち着かなかったでしょうね。
遠江の式内も何社か水害で消えたり遷座してます。

はははhiro1jzさんもGガンダムをガンダムと思わ
ないですね。なにせ西部劇・カンフー・エコなん
かがごった煮の作品ですからね。
ヒロインも駄目でしたよ。

飛騨は、よかったですよ。神社も良かったんです
が山が、ずーっと連なっている地形は美しい場所
でした。桜も綺麗に咲いていました。
行きも帰りも渋滞にあいませんでした。自分の計算
どおりでしたよ。

お!hiro1jzさん遠征ですね。バンバン激写して
きてください。掲載楽しみにしてますよ。
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Unknown (Jun)
2009-05-07 21:55:03
あの滝の下流は伏流水ではありません。
石を組んで堰みたいな形で水を止め、川底の穴から水を落としています。
道路の下から水音が聞こえます。明らかに水路を造っています。
以前訪問した時、看板の地図を見ていた男性に滝までの距離を尋ねたら、「歩いて10分ほど」と教えてくださった後で「しかし水がないからどうですかね。雨が降っていませんから」と仰いました。ところがちゃんと滝は水が落ちていました。
鍛冶屋の金比羅神社みたいにホースを引いて、ではありませんが、ちょっと作為的な感じがします。

山が低いので、あれだけの水量は却って不自然です。但馬の滝の方が真面目と言うか自然ですよ。
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Unknown (hiro1jz)
2009-05-08 15:36:21
>eraさん
お帰りなさいです。
飛騨はまだ桜が咲いてるとは、さぞかし美しいでしょうね。
しかも渋滞に遭わずとは・・・計画、お見事です。
丹波は小雨続きだったので、5社で切り上げてこの時間に帰宅。
でも、小雨くらいの天気の方が、晴れよりずっと撮り易いと改めて実感。

宇気比は、まあ地味で載せるつもりはなかったんですが、
伊勢らしくないし、式内でもあるので載せておこうかな、と(笑

若狭に限らず、公共交通機関での参拝は厳しいですよね。
車だったら、若狭は細いですから2日あれば主だったところは周れそうですね。
私は6月に休みが取れたら越前に・・・。

比較的大きな川のそばだと増水の被害がありますが、
流出の危険性が無さそうな山の小さな谷間なんかも神社は少ないですね。
湿度が高いと社殿が腐り易いし、ジメジメした環境は
神様が好まれないと考えるのでしょうか。
何故その場所なのか、というのを遥か昔の人に訊いてみたいです。

ガンダムとは別物と割り切って見れば楽しめるのでしょうかね?


>Junさん
完全に伏流という意味ではないですよ?
川底がコンクリートで固められていたり、
全て岩盤でも無い限り、ある程度は地中に滲み込み、伏流して流れる水があるということで、
それにより、その場その場で水量の増減はよくあります。
また、滝は岩盤で形成されていますから、
その谷間に流れる水が、ほぼ地表に出ているわけで、
他の場所より水量は多くなる傾向にありますし、
水の勢いなどもあって、見た目にも多く感じるものです。
滝のサイトで独鈷の滝より上流の滝も掲載されていたりしますが、
同じ日に撮られていてもそれほど水量の差は感じませんし、
その滝より上流までポンプで汲み上げるというのも現実的でない気がします。
地形図で集水面積を見れば、さほど狭くはなく、
10日ほど前に40ミリ以上の雨が降ってますから、
さほど不自然ではないかと。
堰が滝のすぐそばにあるのでしたら、水路は岩龍寺への用水路では?





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>hiro1jzさん (幽黙)
2009-05-08 21:40:39
さすがhiro1jzさんですね
地形図読みや地質学にも
通じておられて
独鈷の滝は鷹取山や五台山の
かなり急峻な山を駆け下りてくる水で
独鈷の滝より
上流にある不二の滝や
途中の藤の目渓谷の方が
水量が多くて
下流ですっぱりと水が細くなります
やっぱり伏流なんでしょうね
丹波チャート層というのだそうですが…
侵食なども激しく洞窟などもできる
その一つが独鈷の滝周辺の光景なのでしょう
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Unknown (hiro1jz)
2009-05-09 06:25:06
いや、読図はともかく、地質学なんて呼べる知識は無いですよ。
ただ、昔から谷沿いに山を歩くことが多かったので、
そういった経験から想像してみただけでして・・・。
幽黙さんは現地を御存知なんですね。私も一度、見ておこうかなぁ。
でも、丹波層群、特にチャート層には
美しい滝は出来ないという固定観念があったりしまして、
行くなら但馬北西の滝になってしまいそうです(笑
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