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再生産について:アルチュセール(目次:その2)

2005年06月16日 | アルチュセール『再生産について』
 翻訳に参加させていただいたアルチュセールの『再生産について:イデオロギーと国家のイデオロギー諸装置』について、その内容の紹介をしたいと思います。前回は目次の途中だったので、今回はその続きを。

 第11章 再び「法」について・その現実性、すなわち国家の法的イデオロギー装置
 第12章 イデオロギーについて
 補遺 生産諸力に対する生産諸関係の優位について
AIEに関する注記
イデオロギーと国家のイデオロギー諸装置──探求のためのノート
付録 アルチュセールと「国家のイデオロギー諸装置」 エティエンヌ・バリバール
訳者解説 西川長夫

 以上が目次です。「イデオロギーと国家のイデオロギー諸装置」は、アルチュセールが国家のイデオロギー装置という概念を初めて提起した論文です。この論文によって、新しいイデオロギー論の可能性が開かれ、それがカルスタなどに影響を与えたわけです。また、この後半部で注目なのが、彼の「AIEに関する注記」です。これは彼自身が、件の論文公表後に、公表した論文に向けられた批判に応えるかたちで書かれた物です。
 また、バリバールの論文も注目です。アルチュセールを最も近い立場から見てきた人間の一人である彼が、この論文が公表された当時の状況について論じています。アルチュセールのイデオロギー論文は、その前半部と後半部には大きな違いがあります。この点について、バリバールが、草稿(今回我々が訳したもの)に依拠しつつ、解説しております。また、このイデオロギー論の草稿の内同時並行的に企画されていた「学校」という著作についても、触れております。この論稿は、バリバールのもとで博士論文を書き上げた大中氏が、彼から翻訳を許可されたものです。彼はそれだけバリバールから信頼を得ているのですが。
 ただ、イデオロギー論の「断絶」については、西川先生は異なった見解をお持ちのようです。その点については、雑誌情況に掲載される我々の座談会を読んでいただければと思います。

 以上、とりあえず今回はここまでで。

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再生産について?イデオロギーと国家のイデオロギー諸装置

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