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社会理論・現代思想を主に研究する今野晃のblog。業績については、右下にあるカテゴリーの「論文・業績」から

最終審級と言説の政治2:でも、実はネグリとトゥレーヌの情報

2008年01月06日 | 研究生活
 最終審級と言説の政治などという仰々しいタイトルのエントリーを前回かかげておいて、その後何も書いていなくて、このblogを訪問されている方を失望させているのではないかと少し心配(ただし、そんな期待など誰もして無いと考える方が理に適っていると思うが 苦笑)。

 それは別として、今回は別の情報。いや、全く無関係というわけではないのだが(他方で、連想ゲームのような関連性したか無かったりするのだが)……。「アルチュセールの最終審級」を再考しなおうそうと考えたのは、デヴィット・ハーヴェイの下の二著作によるところが大きいのだが、

新自由主義―その歴史的展開と現在
デヴィッド・ハーヴェイ,森田 成也
作品社

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ポストモダニティの条件 (社会学の思想)
デヴィッド ハーヴェイ,David Harvey,吉原 直樹
青木書店

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 仏に於けるハーヴェイの評価について、調べようと思ったのだった(ネット上の情報を調べてみて、「なるほどこんな感じなのか」と全体像を推測できる国・言語は、欧米諸国の中では、私にとって仏のみなので。他方、英米圏は、その情報の規模が大きすぎて、また全体像をつかむ感覚もないし、語学的問題もあって私にとってはなかなか難しい)。いずれにしても仏語圏のサイトを調べていると、前々回のマルクス国際会議で、ネグリとビデとハーヴェイが同じセッションで講演をしてることを発見。それもその映像が、ネット上で公開されている。

 ハーヴェイと前にして、ネグリがなんか萎縮してしまっているように見えて、すこし驚いた。
 このシンポジウムの時はハーヴェイはネオ・インペリアリズムを出した後で、またネオ・リベを出す前。だが、大きくくくって「グローバル化」について言えば、確かに「現状分析」はハーヴェイの方が優れているのは事実。ただし、ネグリはその立場上アメリカに入国できないようで、そうしたことを考えると、安易にハーヴェイに軍配を上げることはできないだろう。
 ただし、オーディエンスからの質問はネグリに集中。それもそうで(ここからが大事なのだが)、調べてみるとハーヴェイの本は仏語に翻訳されていない模様――こうしたところは、仏はかなり遅れている。そう考えればオーディエンスの反応も納得。

 まあ、ネグリとハーヴェイの様子に関しては、映像のURLも含めて次に譲るとして、

 両者のことを考えていたら、ネグリが3月に日本に来日するとか。ちなみに、芸大と東大などで講演を行うような情報が入ってきた(情報は次のリンクへ。アントニオ・ネグリ来日プロジェクト@東京芸術大学ただし最近は更新されていない模様だが)。

 それと同じく3月に、アラン・トゥレーヌが関西の方へ来日するらしい。東京へ来るかどうかは未だ未定とか。こちらは大阪の民博のシンポジウムに参加するということらしいのだが、そちらのサイトには情報は無し。

 最近また、ネグリも本を出している模様で、それについて報告をするのだろうか? ネグリとハーヴェイの真剣な比較などは面白い議論を提供できると思うのだが、それについては、アルチュセールも含めてまた次回。あまり大した話、情報ではないが、今日はこの辺で。


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