お寺さんぽ Ver.03

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源頼光と四天王 <後編> 四天王は存在した?

2006年07月02日 | 歴史
のんびり気軽にさんぽがてら。
本日は四天王シリーズ(そんなんない)、妖怪退治で有名な平安期の英雄「源頼光と四天王」についてです。
前回、前々回と頼光さまだけで終わってしまったので、今度は四天王についてです。
四人もいるのにブログ一回で終わるところが、なんだか実在をほぼ否定しているようですね。
うふふ…。

とりあえず、それっぽい人は間違いなく存在していたようです。
頼光は武士団を形成した父「源満仲」より、摂津のそれを引き継いでおります。
そうすると、おそらくは直接指揮をする部隊長的な人が存在していた筈ですよね。実際の活躍としては、さしてないんでしょうけれど。

面白いんで、実在しそうな雰囲気がある順↓としてみました。
とりあえずどうぞ。


①渡辺綱(わたなべのつな)

嵯峨源氏の流れをくむ、箕田源氏宛(あつる)の子。頼光の父である「源満仲」の婿、源敦(みなもとのあつし)の養子だったため、その縁もあって頼光に仕えることとなったようです。

平家物語「剣巻」
一条堀川にかかる戻橋に渡辺綱が馬で通りかかると、ふと美女に呼び止められました。
「ちょっと屋敷まで送ってくださいな?」
綱は美女を馬に乗せて走り出しますが、これがなんと美女に化けた鬼、茨木童子(いばらぎどうじ)だったのです!!
突然襲われた綱は逆に茨木童子の片腕を切り落とし、難を逃れました。

うわ、いきなり背中をとられてしまったわりにずいぶん強いですね!!
単独で鬼を撃退したこの一件でも分かるように、四天王の筆頭で剛勇の主として知られています。しかも美男子としても有名で、先祖(四代前)の嵯峨源氏、源融(みなもとのとおる)は、源氏物語の主人公「光源氏」のモデルだった人なのです。
ちなみに、後の源平合戦で活躍する難波水軍渡辺党の始祖でもあります。


②碓井貞光(うすいさだみつ)

または平貞光(たいらのさだみつ)とも言います。
旧中山道沿いの碓氷峠には「碓氷貞光神社」があり、ここは貞光とその父二人を祀っているそうです。

天暦八年(954)
貞光はその碓氷峠山中にて橘貞兼の子として生まれました。
順調に育った貞光は京にて活躍、いつからか源頼光に仕えてその四天王の一人となり、大江山の鬼退治から平安京郊外の北野神社にある塚に隠れていた土蜘蛛退治などにも参加、功を立てております。

永延三年(989)
越後から上野へと抜ける道中にて、野宿を決めた貞光は静かに読経をしておりました。
「汝が読経の誠心に感じて四万の病悩を治する霊泉を授ける。我はこの山の神霊なり」
あたりが薄暗くなった頃、いつしか目前へ現れていた子がそんなことを言いました。
ふと目覚めた貞光は言葉に従って付近を捜索し、温泉を発見するのです。
見つけた温泉を「御夢想の湯」と呼び、この地は先の神託から「四万の郷」と名付けたそうです。
これが四万温泉のいわれだそうですが…もしかして読経して寝てましたか?
”汝が読経の誠心に感じて”ってほんとか??

さて、京にて活躍した貞光はその後故郷の碓氷峠へと戻ります。
碓氷峠にはあるときより大蛇が住み着き、往来の人々や住民に多大な被害を及ぼしていました。これに十一面観世音菩薩の加護を受けた貞光は大蛇と対決し、見事これを撃退しました。
その後、自ら碓氷山定光院金剛寺を建立し、この時守護してくれた観音さまと退治した蛇骨を納めております。


③卜部季武(うらべすえたけ)

卜部、は占いを生業とする氏族の総称です。そのため、彼もその関係者であると推察されていますが、詳細は不明。
弓の名手として知られ、百人の武将相手に一人で戦うとまで言われていました。
今昔物語二七巻には、美濃国に現れた産女(うぶめ)との度胸試しのお話があります。

うぶめが出るという噂の川へ行くこととなった季武は、川の中ほどまで馬をすすめました。
「これを抱け」
出現したうぶめはそう言って子供を差し出します。
その子供を受け取った季武は、今度は追ってくるうぶめを振り切り、なんとか館へと戻りました。
抱いてきた子供はいつしか木の葉となっていたそうです。

…何の話だ、これ??
すみません、資料がないので詳しく分かりませんがそんな感じのようです。


④坂田金時(さかたのきんとき)

いわゆる金太郎のモデル。
山姥を母に、雷神の赤龍を父にもちます(大笑)
ほぼ江戸時代に色々脚色された人でして、お伽話の大ヒットで今では最もポピュラーではありますが、実際はいたかどうか疑わしい人ですね。
とりあえず、近衛兵として「下毛野公時」という人がいたことは間違いありません。


…以上が四天王の面々でした。
何しろ頼光さま自体が戦にも出ない人でしたから、その配下ともなるとあやふやなもんです。
知られている大抵のものが、御伽話とお芝居から創作されたものでして、それが一般化した…というのが本当のところでしょう。



[関連記事]
⇒ 武家の名門「清和源氏」とは?
⇒ 源頼光と四天王 <前編> 実際の頼光さま
⇒ 源頼光と四天王 <中編> 虚像の頼光さま

[住所] 足柄聖天堂 小山町竹之下 3649

 ※今回写真は「足柄聖天堂」の熊騎乗の金太郎石像です。

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