故郷へ恩返し

故郷を離れて早40年。私は、故郷に何かの恩返しをしたい。

夫婦

2021-10-19 18:52:00 | よもやま話

絵のタイトルは、「晩秋」です。

良い家がたくさんあったのに。
この地に越して来た時も言われたこと。
今回、終の棲家を決めた時も言われた。
日当たりがよく閑静な場所に建つ家のことらしい。
さらに、好条件で入手できることも付け加えられた。

この家は南に森があり、空き家の多い地域である。
降った雪は春まで融けなかった。

今日のタイトルは、「夫婦」です。
南に森を抱えた家で6年間を過ごした。
冬になると、朝日が差すのは10時頃であり、昼3時には北風が吹き寒々とした。
梅雨時には、家の湿気は抜け切れずかびが生えた。

次第に様子が分かり、じめじめする森寄りの畑には、里芋ときのこを植えた。
夏は、クーラーを必要とする日は数日だと気づいた。
なんとか、弱点をカバーしながら生き抜いた。

今度の家は南向きで、袋小路の行き当たりにある。
平屋で納屋もある。
南北の窓を開け放つと、風が流れる。
南には庭があり、隣家の屋根の影で日差しを邪魔されることはない。

私達は、北向きの家がどんなものか知ることになった。
生活を共にした者にしかわからない。
私達の暮らしの優先順位が「南向き」であり、不要な二階がない平屋で、
農業をするから納屋は必然であり、邪魔されない作業スペースを確保できる。
納屋に収納スペースがたっぷりあることで、でっぱりがない部屋を満喫できる。
「夫婦」だから分かる。
暮らしぶりを説明することは、不可能に近い。

例え、良い家があったとて、紹介された家を断ることは難しい。
私達は、互いを見、礼を言った。
わずかな期間の夫婦である。
価値観は、それぞれ違う。
価値観を分かり合いながら、暮らしが成り立っている。

2021年10月19日
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