絵のタイトルは、「晩秋」です。
良い家がたくさんあったのに。
この地に越して来た時も言われたこと。
今回、終の棲家を決めた時も言われた。
日当たりがよく閑静な場所に建つ家のことらしい。
さらに、好条件で入手できることも付け加えられた。
この家は南に森があり、空き家の多い地域である。
降った雪は春まで融けなかった。
今日のタイトルは、「夫婦」です。
南に森を抱えた家で6年間を過ごした。
冬になると、朝日が差すのは10時頃であり、昼3時には北風が吹き寒々とした。
梅雨時には、家の湿気は抜け切れずかびが生えた。
次第に様子が分かり、じめじめする森寄りの畑には、里芋ときのこを植えた。
夏は、クーラーを必要とする日は数日だと気づいた。
なんとか、弱点をカバーしながら生き抜いた。
今度の家は南向きで、袋小路の行き当たりにある。
平屋で納屋もある。
南北の窓を開け放つと、風が流れる。
南には庭があり、隣家の屋根の影で日差しを邪魔されることはない。
私達は、北向きの家がどんなものか知ることになった。
生活を共にした者にしかわからない。
私達の暮らしの優先順位が「南向き」であり、不要な二階がない平屋で、
農業をするから納屋は必然であり、邪魔されない作業スペースを確保できる。
納屋に収納スペースがたっぷりあることで、でっぱりがない部屋を満喫できる。
「夫婦」だから分かる。
暮らしぶりを説明することは、不可能に近い。
例え、良い家があったとて、紹介された家を断ることは難しい。
私達は、互いを見、礼を言った。
わずかな期間の夫婦である。
価値観は、それぞれ違う。
価値観を分かり合いながら、暮らしが成り立っている。
2021年10月19日
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