故郷へ恩返し

故郷を離れて早40年。私は、故郷に何かの恩返しをしたい。

一本、サイダー飲みたい

2023-08-20 06:13:36 | よもやま話

学生の時、阿蘇外輪山の麓の農家で10割そばをいただいた。
打ち方が不慣れで、ぶつぎりのそばを雑炊にした。
うまくはなかった。
40年後、東北で打ちたての10割そばをいただいた。
5杯もおかわりをした。
学生のころは、価値を知らなかっただけでした。


彼は、サイダーで口をゆすいで吐き出した。
私は、そんな豪快な飲み方にあこがれた。
今日のタイトルは、「一本、サイダー飲みたい」です。

カルピスにしろ、サイダーにしろ、兄弟で分かち合った。
年長のものから、コップをとって、末弟の私は残りのコップをとった。
ちびちびと飲み干すと、母が少し分けてくれた。

わが子も4人いる。
末娘が、お菓子を均等に分ける。
唐揚げが、大皿に盛られる。
「一人、何個」と号令をかけるのも末娘であった。
誰かが早く食べるため、「一人、何個」は守られたためしがない。
かみさんが、欲しくないのよと泣いてる子に分ける。

アルバイトで稼いだお金をもって、500円食べ放題の焼き肉屋に行った。
3日分の栄養を詰め込んだ。
端肉を結合剤で固めて薄く切った肉とは知らずとも、これ以上美味いものはない。

カステラも厚さをミリ単位で計りたいくらい、見つめた。
あの塊が残るといいなと目星をつける。
兄弟誰もが同じことを考えていた。
今日も端っこが残る。
紙にくっついたカステラをなめはがす。

日曜の朝、5円玉を握りしめて、テレビを見に2Kmを歩いた。
七色仮面を見るには、ケーキを5円で買わなければならない。
歓声があがる後ろのほうから、やっと見えた。

サイダーもカルピスも懐かしい。
固めた菓子の切れ込み通り型取ると、何倍ものお金がもらえるはずだった。
まち針を使って何回やっても、きれいに取れたためしがない。
あのお金(10円x?倍)があれば、綿菓子が買えたのにと、いつも後悔した。

憧れのサイダーは、炭酸水に砂糖を入れた代物だった。
カステラも一本食えと言われても、今や食べられない。
和牛の肉を食べたが、結着肉のほうが断然美味しかった。

時と場合で美味いものは変遷する。
今は、煮ただけの野菜がおいしい。
子供の時はこんなもの、美味しくないと念じた。
ナスの旬には、朝漬物、昼煮てみそを漬け、夜は天ぷらで、
それしかない「尽くし」だった。

カルピスを炭酸で割り、妻と二人で飲んでいる。
炭酸水が嫌いな妻も、汗をかく野良ではおいしいとごくごく飲んでいる。

2023年8月20日
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