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記憶と自我

2020年07月19日 | 映画日誌
7月18日(土)の夜
CSで放映された映画
「エターナル・サンシャイン」
を観ました。
2004年に公開されたアメリカ映画で
アカデミー賞「脚本賞」を受賞しています。



▲「エターナルサンシャイン」ネタバレ



主演はジム・キャリーのほか
ケイト・ウィンスレット(タイタニック)
キルスティン・ダンスト(スパイダーマン)
イライジャ・ウッド(ロード・オブ・ザ・リング)
など豪華キャストです。




この作品を一言で表現すると
「ジムとケイトの恋愛物語」
ということになりそうなんですが
作品の底辺に流れるテーマは、人生は
「記憶でつくられている」
ということだと思います。




生きていると思っている今の自分から
過去の記憶を消してしまうと
今しか残らない。
出合いやハプニング
人間関係の確執なども
すべて記憶によって支配されています。
そしてその記憶のおかげで
私という「自我」を形成できています。


もし記憶のすべてを消し去ってしまうと
今の人生はどうなるのでしょうか。
作品内では
「記憶除去手術」を施されつつ
その施術に抵抗する主人公の様子が
実にリアルに表現されています。




恋人の記憶を消し去るという
一見シリアスなテーマを扱う上で
コミカルが売りのジムの配役は
深刻になりすぎず、感情移入されにくい
という点で成功だと思います。


イライラするとき
腹立たしいとき
悲しいとき
なぜそうなのかを味わってみると
人の感情には必ず
記憶が張り付いていることがわかります。




記憶を手放して少しの間
今、そのままの状態に漂ってみると
しだいに感情の波が治まってきます。
ラストシーンでジムが言います。
『ちょっと待って!』


そうちょっとだけでも
今の状態を味わってみる。
すると今しかないことに気付いた
ジムとケイトは過去の出来事を許し
またそこからやり直すことに決めます。


過去を許し
また未来を創造しながらも
今一瞬、ココに戻ってみる。
人生はそのことのくりかえしだよ
ってことでしょうね。


原題
「Eternal Sunshine of the spotless mind」は
18世紀の英国詩人
アレクサンダー・ポープの一文を引用したものです。
「思い煩うことのない永遠に輝く
太陽のようにいつまでも美しい心」とは
許しの心
だと思います。


▲YouTube「エターナル・サンシャイン」