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御朱印蒐集~京都市東山区 霊山観音(八坂神社)~

2019-07-18 07:20:20 | 御朱印蒐集・仏像・磐座・巨樹・古墳・滝・登山
 若い頃から京都は身近な都市として馴染んできたつもりでしたが、何でこんな大きな物を見落としていたのかと呆れかえる事がありました。
TVで京都の旅番組を見ていた時に“八坂の塔”の左奥に大きな観音大仏があるではないですか。
東山界隈はよく車で通るにも関わらず、なぜか今まで見えていなかったのです。

高台寺に参拝した時、山の向こうに巨大な観音さまが居られるのを見て、正確な位置が分かった訳ですが、この観音さまはメディアではあまり取り上げられていないこともあって知らなかったということなのでしょう。
メディアに登場しないのは古都・京都にあって、新しい宗教法人による寺院だということも影響しているのかもしれません。





「霊山観音」は1955年に第二次世界大戦の戦没者の慰霊のために建立されたといいます。
建立は“帝産グループ”の創始者である石川博資氏によるものだとされ、運営は霊山観音教会が行っているようです。



石川博資氏は1934年に帝國産金興業を設立して、金の採掘をしていたといい、その帝國産金興業を前身として帝産自動車を設立したといいます。
バスに詳しくない当方でも車体にオレンジのラインの入った帝産観光バスには見覚え聞き覚えがありますが、その会社の創業者ということになるようです。

大提灯は吊るされているものの、入口は如何にも近代風で入るのに少しためらわれましたが、門の左右には金剛力士像が安置されており、寺院としては特に違和感は感じません。
金剛力士像は1963年に仏師・松久朋琳と記されており、昭和の名仏師の作の力強い仁王様でした。





受付で火のついた線香を渡されて境内に入りますが、あまり見ることのない太く長い線香です。
火がついているので持ち歩く訳にもいかず、香炉まで一直線に向かいます。



仁王門から入った霊山観音の境内の中央奥に巨大な観音坐像が鎮座されています。
有名寺院が集中するこの地域に、突如現れる巨大な観音大仏から醸し出される独特の雰囲気には異質さを感じます。





霊山観音は高さ24mあり、お顔だけでも6mあるという巨大な大仏で、総重量は何と500㌧といいます。
観音は第二次大戦の戦没者に限らず、戦争犠牲者の慰霊のために建てられたといいますから、戦争のない世界を目指すメモリアルのような意義もあるのかもしれません。





観音様の内陣には涅槃仏などが祀られており、胎内の空洞部分には「十二支守りご本尊」が安置されています。
胎内の仏像もしっかりとした造りになっていますので、当寺を信仰する方が多いのだろうと思われます。



境内には「愛染明王堂」「地主権現社」「ふぐ塚」などがあり、驚くのは観音大仏に合わせたかのような巨大な「仏足石」でした。
仏足石が大きいため近くからではよく見えず、かと言って全景を見下ろせる場所もなかったため、この角度になりますが、足の裏には複雑な紋様が刻まれているようです。



本堂の手前には「願いの玉」という願い事を念じながら右手で玉に触れて周囲を3回回ると大きな力が得られるとありました。
仏教の言葉では「如意宝珠」と呼び、“意のままに願いをかなえる宝”という捉え方をする考えがあるそうです。



霊山観音の右奥には「護摩堂」があり、毎月8の付く日には本山修験宗山伏達により護摩が焚かれるそうです。
護摩堂の近くには戦争犠牲者の碑などがあり、戦没者を弔う寺院としている事を再認識することになります。



境内にある建物にある一角には帝産オートの創設者であり、霊山観音の創設者でもある石川博資氏が開発したマイクロバスの“帝産オート 三菱ライトローザ”が保存されています、
また、氏が生前に愛用していた「キャデラック・フリートウッド」もあり、この寺院のもう一つの側面が伺われます。

さて、寺院を出た後は円山公園を歩いて車を停めていた駐車場へ向かいますが、せっかくなので途中にある八坂神社にも参拝していきました。
八坂神社は四条通と東大路通の交差する地点にある西楼門の前から入る方が多いのですが、今回は南楼門から入ることになります。



さすがに八坂神社は参拝者が多く、今回は本殿に参拝だけ済ませて円山公園へと向かいました。
年間通して参拝者の多い神社ですが、7月の祇園祭の頃には更ににぎわうのかと思います。





京都には膨大な数の神社・仏閣があり、それぞれ多種多様の信仰が見られます。
驚くのは小さな寺社でも僧や禰宜や対応者が常駐して、それぞれ成り立っていることです。
観光収入も大きいかとは思いますが、いろいろな寺社が成立していく土壌が京都にはあるということなのでしょう。



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