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“男のためのガーデニング”改め

御朱印蒐集~京都市 中京区 大本山 本能寺~

2018-09-07 07:23:15 | 御朱印蒐集・仏像・磐座・巨樹・古墳・滝・登山
 「本能寺」は家臣・明智光秀の謀反によって織田信長が討たれた“本能寺の変”の舞台となった寺院として有名ですが、現在の本能寺は変があった場所とは違う場所に移転しています。
現在地への移転(1592年)は秀吉の命によるものとされており、これは秀吉が京都の都市を改造した時に京都の防衛の意味もあって、今の寺町界隈に寺院を集めたことにより“寺町通り”の名の由来とされます。

本能寺は日蓮宗の寺院で寺歴によると、1415年に日隆聖人が「本応寺」として寺門を開いたとされる寺院です。
1433年には「本能寺」と寺号を改め、その後の1592年に本能寺の変を迎えることになります。



織田信長には比叡山焼き討ちや一向宗との戦いなどの宗教勢力との対立が有名ですが、実際には寺院建立などの事業を行っており、単なる弾圧者ではない側面があります。
むしろ寺院勢力が大名クラスの兵力を持ち、かつ抵抗勢力であったことへの弾圧といったところもあったのかと思われます。



寺院は寺町京極通りのアーケードの御池通り側の出口付近にあり、商店街の中に突然と姿を見せるような場所にありました。
寺標をみると「本能寺」の「能」の部分には別の字が当てられていますが、これは本能寺がこれまで5度の火災で焼失していることから「能」の字の旁のヒ(火)の部分を嫌って字を変えているとされます。



信長は記録に残っている限り本能寺に4回の滞在をしているとされており、信長にとっては縁の深い寺院だったようです。
信長と本能寺との関係については3つの理由があるとされていて、一つ目は当時の本能寺の日承上人が天皇の親戚であったことから、天皇家に近づきたい信長が接近したという説があります。



2つ目は当時の本能寺が安全な造りとなっていたことによるとされます。
光秀の謀反で寺院は焼かれてしまいますが、信長の遺体はみつかっていないことから、攻められてすぐに落ちてしまうような寺院ではなかったと考えられます。

3つ目は本能寺が種子島にたくさんの信者を抱えていたことが大きいようです。
種子島は鉄砲や火薬とつながりが深い場所ですので、鉄砲・火薬の入手に役立っていたようです。
この話には信長の合理主義者ぶりが伺われますね。



現在の本能寺は7院の塔頭はあるものの、寺院自体はその名の有名さほどは大きくはない寺院でした。
それよりもホテル本能寺(本能寺文化会館)の建物の大きさの方が目に付き、ビルの谷間にある寺院といった印象を受けます。



本能寺に隣接する「ホテル本能寺」は、全国から京都を訪れる修学旅行生などが宿泊する宿だそうですが、その名からは映画「本能寺ホテル」を思い浮かべますね。
映画のロケには使われてはいませんが、ホテル支配人役には風間杜夫。
思いもかけず宿泊することになった綾瀬はるかと信長との不思議な出会いのドラマが思い起こされます。



本堂は1928年に建てられており、内陣には祖師像が祀られていました。
比較的新しい堂宇でありながらも参拝者が多いのは、やはり“本能寺”があまりにも有名な寺院であることがあるのでしょう。



本堂の横には「本能寺の火伏せのイチョウ」という大木がビルの谷間にそそり立っています。
説明書きによると、この樹は本能寺の変の後に移植したものと伝わり、「天明の大火(1788年)」で市中が猛火に襲われた時にはイチョウから水が吹き出し木の下に身をよせていた人々を救ったという言い伝えがあるそうです。



本堂の裏手には「信長公廟」があり、信長の墓と本能寺の変で戦死した家臣たちの墓がありました。
信長の墓所は各地に幾つかありますが、本能寺の墓所は信長の三男の信孝による建立とされています。
しかし、信孝は後に秀吉との対立から悲運な人生を歩んでしまい26年の生涯を自害によって閉じてしまった方とされています。



新京極商店街と並行し錦市場とも直角に交わる寺町通りは、外国人観光客や日本人の買い物や観光の客・修学旅行生でにぎわう京都随一の繁華街になります。
本能寺の名はあまりにも有名であるにも関わらず、商店街の中のビルの谷間にひっそりとある寺院ですが、フラリと訪れる方の多い寺院といえますね。



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