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移動途中に校舎が見えましたので立ち寄りましたが、カメラを持った若い人が多く、一部の方はコスプレに身を固めエレキ持参の方までおられました。
そもそも「けいおん!」ってどんな話かを知らなかったのですが、簡単に言うと“女子高で廃部寸前の軽音部を続けるために4人の生徒が集まってバンド活動を始め、その彼女たちの日常を描く。”といった内容のアニメのようです。
ネットでコミックスの無料立ち読みを読むと、確かに登場するシーンの各場面に豊郷小学校を思わせる校舎が登場しています。
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舞台となる豊郷小学校の旧校舎は1937年に、卒業生である古川鉄治郎氏が私財を投げ打って建設された建物だといいます。
古川氏は丸紅の専務だった方で、「世間から得たお金は世間へ還元する」という近江商人の“三方よし”の教えを体現されたということになります、
尚、当地は伊藤忠商事・丸紅の創業者で近江商人の代表格となる伊藤忠兵衛の生誕地でもあります。
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校舎80年以上経過しているとはいえ、建物は十数年前まで小学校として使用されており、現在も複合施設として使用されていて古臭さは感じられない。
自分が通っていた小学校のことを思い出せば、残されている豊郷小学校は随分ときれいな校舎に見えます。
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広い校庭には池があり、大きな鯉のオブジェが水を吹き上げていました。
今の小学校にもこういった池があるのかどうかは知りませんが、かつて通った小学校や近隣の小学校にも校舎の正面に池があったことを思い出します。
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豊郷小学校で印象深いのは2002年頃にニュースで報道されていた“校舎解体と解体に抗議する住民とのトラブル”でしょうか。
経緯はよく分からないものの激しいやり取りの映像が記憶に残っていますが、現在は町おこしにも一役買っているようですから残しておいて正解だったのではないかと思います。
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校舎は3階建てになっており、長い廊下を行ったり来たりすることになります。
夜に誰もいない校舎を歩いたらさぞや怖いだろうなと思いながら歩いていくと、階段にこの小学校のシンボルの一つであるブロンズ製の“ウサギとカメ”がありました。
イソップ物語の寓話に例えて児童たちの教育をされてきたのでしょう。階段の上に行くと居眠りするウサギや追い抜いてゴールしたカメの姿が残されていました。
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渡り廊下を進んでいくと講堂へと着きます。
教会のような造りになっているのはヴォーリズ建築ならではということになりますが、ヴォーリズと滋賀県(東近江辺り)は縁深い場所が多いですね。
ウィリアム・メレル・ヴォーリズは近江八幡市を拠点とされていたため、近江八幡市を中心としてヴォーリズ建築やメンソレータムの近江兄弟社が今も残ります。
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校舎には音楽室があるのですが、室へ入った瞬間にコスプレの方がステージに立たれていて、これには驚きました。
部屋にはコスプレ衣装が置かれていて自由に着用出来るようになっており、なかには自前の衣装で来られる方もおられたりして、校内を独特の衣装で歩いていかれるのはまさにアニメの世界です。
また、軽音部の部屋の黒板にはファンが書き込まれたメッセージが書き込まれていて、おそらくは何度も消されて何度も書き込まれてきたのだろうと思われます。
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部屋の中には“けいおん!”のメンバーが勢ぞろい。
でも誰が誰だか分かっていないのは申し訳ないところです。
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けいおん!には「放課後ティータイム」を過ごす部屋が登場するようなのですが、これも実際に再現されています。
熱烈なけいおん!ファンが持ち寄った物もあるようなので、ここが“けいおん!”の聖地と呼ばれているのも分かりますね。
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螺旋階段を降りた1階には“けいおん!”に登場した楽器のレプリカなどが展示。
当方が中学生の時に初めて買ったエレキがチェリー・サンバーストのレスポールでしたから、懐かしい思いで眺めておりました。
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このスペースには“けいおん!”のコレクション品やグッズの販売・カフェなども併設されており、テーブル席には湖東・湖北の伝統的なゲーム「カロム」で遊べるようにもなっています。
部屋の隅の席には“野洲のおっさん”が独りで萌えていましたよ。
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ところで、最近は開催されることの少なくなった盆踊りでは、滋賀県というと江州音頭ということになりますが、江州音頭の発祥の地は実はこの豊郷町だったようです。
一般的に音頭は仏教の声明や念仏踊りから始まったと言われますが、江州音頭は豊郷の「千樹寺」で明治元年に踊りを披露したのが始まりとされています。
盆踊り(江州音頭)の行事は、もっと古い時代から続いてきたものかと思っていましたが、その成立が比較的新しい時代だったことに驚きを感じます。
その歴史があって豊郷町のマンホールには“江州音頭を踊る人々”“町の花ツツジ”“提灯”がデザインされており、江州音頭発祥の地の歴史を伝えています。
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豊郷小学校旧校舎群は誰でも無料で入れるようになっており、古い小学校の中を歩き回れるのは他に例がなく、中々面白いものです。
時代によって建築方法などは変わっていきますが、旧校舎群からはその時代の建築物の良さや時代の雰囲気が伝わってきます。
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