僕はびわ湖のカイツブリ

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“男のためのガーデニング”改め

やまなみ工房『山と湖』展 vol.02~@湖のスコーレギャラリー~

2024-02-12 18:10:10 | アート・ライブ・読書
 “地域の食と、ものづくり。長浜からはじまる暮らしの学び。”をコンセプトに開業された湖のスコーレの2周年にあたり『山と湖』展 vol.02が開催されています。
「湖のスコーレギャラリー」では年間を通して「やまなみ工房」の作家の作品を展示されていますが、今回の『山と湖』展は作家数が盛り沢山の美術展になっています。

今回の美術展では「やまなみ工房」に通われている90数名の作家の中から25名の作品を1点づつ展示されており、個性的な作品群が並びます。
知らない作家の作品を含めて色彩豊かで力強さを感じる作品が並び、それらの絵は生き生きとして輝いて見えます。



館内には1Fのエントランスに展示されていた1枚、2Fには24作品が並び、よく美術展で見る「やまなみ工房」の作品以外の絵が選ばれているように感じた。
粘土作品やダンボールや繊維などを使った立体作品はなく、カラフルで色鮮やかな作品を選定したかのような華やかさがあります。



四白さんの「キース リチャーズ2」はテレキャスターを持ったキースでしょうか、エレキギターをかき鳴らすキースを描いた作品です。
四白さんはキース リチャーズの他にもデヴィッド・ボウイやイギー・ポップも描かれているようで、70年代くらいのロックを好まれているのかな?



意図的に絵の具を流したような作品は、左が鵜飼裕之さん、右が榎本朱里の作品で両方とも「タイトル不明」となっています。
共に力強い作品ですが、特に右の榎本さんの作品は深山の森林の中で流れ落ちる滝を描いたような印象があって魅かれる作品です。



左のアクリル絵の具を押し付けたように描かれた作品は、藤木敦仁さんの「タイトル不明」。
右のアルファベットの文字を書き連ねた作品は、宮下幸士さんの「英語」。
英字新聞の文字を書き写した作品のようですが、言葉の意味は彼のみぞ知るといった感じです。



貼り絵教室を営む祖母の影響を受けたという服部大将さんの「無題」は包装紙を下地にして油性ペンと色鉛筆で描かれています。
図鑑等からモチーフとなる素材を選ばれているといい、この魚群はお魚図鑑から選ばれたのでしょうか。



「弦楽四重奏曲No.15 /ベートーヴェン」を描かれた森雅樹さんは、ジョン・ケージのアメリカ実験音楽に影響を受け興味を持つようになったそうです。
スティーヴ・ライヒや武満徹などの現代音楽、灰野敬二などのノイズミュージック、オルタナティヴ・ロックやポスト・モダン音楽を好まれるという。

デザイナー学院でグラフィックデザインを学ばれたことがあったようなので、絵の技術はありつつも、前述の音楽に影響された作品もあるようです。
弦楽四重奏曲第15番を聞いたことはありませんが、この弦楽四重奏曲は晩年近くのベートーベンが重病で中断しながらも書き終えた曲だという。
シンプルでミニマムな絵にはそんな時代のベートーベンの心境に投影するものがあるのかもしれない。



赤や黄色の下地の上にたくさんの丸が描かれている作品は、北村悠さんの「タイトル不明」。
現代美術のアブストラクトのような作品は、電車や新幹線等の大好きな鉄道の書籍を机上に置いて場と整えると、彼女の制作活動は始まるのだという。



一人一作品なので作風を垣間見ることは出来なかったものの、選りすぐりの作品揃いでアアートの持つエネルギーを感じることが出来ました。
滋賀県では世界的に有名な作家の美術展は稀にしか巡回してきませんが、アールブリュット作品に出会う機会は多いですね。



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