ワールドカップが開会した。
アジア勢として韓国(史上最強と言われる?!)にも頑張ってもらいたいが、初戦はギリシアであった。
ギリシア・・・にもがんばってもらいたいんだが。。。見事負けてしまったな。
最初この記事のタイトルは「お仕事です!(ギリシア編)」であった。
ボストン編と前後してしまうかもしれないが、5年ほど前仕事で訪れたことがあるのだ。はっきり言って「リゾート地」でのカンファレンスであったため旅行っぽい話題がなくスルーしていたのだが、先日「池上彰そうだったのか学べるニュース」でギリシアの経済危機を取り上げていたのを思い出した。
(池上さんのあのニュースってホントにわかりやすいよね)
まずギリシアという国だが、人口1000万人、GDP30兆円でどちらも日本の10分の1以下だが、ユーロ圏であるためにドイツをはじめ色んな国に直接波及してしまったのだそうだ。
観光産業がメインで労働者の4分の1が公務員という、観光客の落としていく金であんまり勤勉に働かなくても暮らしてこれたらしい。
「神話の国」だから街中にある遺跡だけでもずいぶん潤ってきたのかな。国家財政そのものはこれまでずいぶん緩く、適当なものだったらしい。「事業仕分け」のR舫議員が見たら逆上するかもしれない。
私のギリシア歴は意外と古い。これまたマンガが起源なんだけど。。。
少年のときに「月曜日にこの続きを読むために」1週間過ごしていたと言ってもよい「リングにかけろ!」(少年ジャンプ)にギリシア神話がたくさん出てくるからである。
「オリュンポスのギリシア12神」(最高神はもちろんゼウスで必殺ブローはゴッド・イリュージョン)なんてものが出てきて、戦いのシナリオがギリシア神話になぞられているのだ。神の名や由来などはすぐに覚えてしまう。
また星空にもギリシア神話に登場する名前の星座や木星の衛星、小惑星などがたくさんあり、気が付くと名前だけには親しんでいる。
ギリシアに出張すると決まり、今更思い出したように図書館でギリシア神話の本を借りてきて、ひととおり読んだことがある。
最初から活字だけ読んでいると登場人物が多すぎて話が整理できず一向に頭に入らない。(複雑な交流関係に弱いのである)
仕方がないから邪道ながらマンガでひと通りシナリオを理解しておいて真面目な本を読んだ。今でもよく使われる諺や物の名前がたくさんあるのが面白い。
たしか有名なブログに書き込みしたのが「シシフォスの岩」(実はずーっと『シンフォスの岩』だと思っていた)、そして「エリア88」にも「リングにかけろ」にも出てきた「パンドラの箱」が印象的だった。
我が国の神話と言えば「古事記」で、同様の方法で読んでみたことがある。
「神話」というのは言い伝えに近いものか、我々凡人には理解の及ばぬ深淵な意味やありがたい教訓が満載されていると思われるが、洋の東西を問わず私が感じるのは意外と「ゲスでグロい」こと。
ゼウスにしてもやおろず八百万(やおろず)の神も、やってることは限りなく俗っぽくてえげつなく、これ以上ないくらい人間っぽい。(いや人間界よりも「何でもあり」だ)
でもそう言った神話にまつわる神殿のような遺跡が街中にいきなりあるのだからすごい。(ローマのコロッセオもすごいと思ったけど)
あういう何千年も前の建築が残っていられるということについて、地震がないとは羨ましいものだ。
さて、ギリシアでの「お仕事」だが、カンファレンス会場は「ラゴニッシ」というそのあたりでは有名なリゾート値であった。
アテネからタクシーで45分くらいだろうか、もちろんコバルトブルーに輝くエーゲ海に面していて、風景画のような見事な景観をもつ。(しかし周りには他に何一つない)
ホスト役は昔からの取引がある、たしかイスラエルを本拠とする企業だ。かなりワールドワイドな商いをしており、毎年数十カ国に点在する大口顧客を集め、彼らの商品についてのユーザ事例や関連するマーケット、技術の動向について情報を交換するのである。(外資系企業にはこういった「ユーザカンファレンス」という名の懇親会っぽいイベントが多い)
毎年行われるから「定点観測」すれば色々なことの動向がよくつかめる、ということで結構参加していた。前の年はたしかスペインのマルベーリヤというところだ。本拠地がイスラエルだから地中海沿岸が多い。
5日間の滞在で開始前日はいきなり主催者側の企画でスニオン岬というところの「ポセイドン神殿」観光だ。アテネ市内観光とどちらか選べたのだが、そちらのほうはとっくに満員になってしまった。。。皆、抜け目ないなー。
ディナーはホテルでスブラキとムサカのオンパレードだ。
昼間は(やることがないから?)真面目にカンファレンスに参加し、その後は連夜のイベントだ。経費は主催者持ちで参加は自由だがいろんな趣向を凝らした催しが用意されている。
最後の夜はなんと、アテネオリンピックスタジアム(2000年)のグランド内でファイナルパーティだ。
参加国68の国旗を用意し、オリンピック開催式の入場行進さながら音楽に合わせて登場する。ちなみに日本選手団は4名である。
まったくお祭り屋魂が旺盛なのか、いったい何を考えてるのかさっぱりわからぬ。カバーは敷いてあるとは言え、神聖なグランドで平たく言えば「大宴会」なんて不謹慎すぎるんじゃないの?
むろん振舞われた料理やギリシアワインは美味なること間違いなしなんだが。。。
帰国の日、アテネからのフライトには半日ほど時間があった。アテネ観光できなかった我々はすかさずホテルをチェックアウトし、パルテノン神殿へタクシーを走らせた。
それこそ世界各国からの観光客で賑わっている。修復中なところもあったが、さすが見事なものだった。周辺にも小さい遺跡などがかなりあるようだ。
入場する際に水以外の飲み物は預けなければならない(事実上没収である)。ジュース類の成分には大理石を傷めるものがあるからだそうだ。
時間いっぱいまでその辺りの遺跡を見物し、最後にお土産屋に寄ることになった。神殿の形をした置き物やTシャツなどは決して買わないようにして・・・
ギリシアと言えば神話時代からの遺跡などは思いつくが名物の土産は何か全然わからない。
「地球の歩き方」に載っていた海綿の名物を売っている店を懸命に探したがどうしても見つからず、しかたがないので場末の土産物やでギリシアナショナルチーム(サッカー)ユニフォームのバッタもんを購入して帰った。
初めて見るユニフォームで背中の名前がギリシア語なのが珍しかったのかかなり気に行ったらしく、小さくなって着られなくなるまで息子は練習着に使っていた。。。
ワールドカップでも似たようなデザインだったぞ。懐かしい。
ぼちぼち空港に向かう時間になって、アテネの中心部が巨大なデモ行進などで交通が規制されていることに気が付いた。同行していた同僚の奥さん情報によると、その日は日本で言う「メーデー」に当たるという。困ったな、バスは運休しているようだし、タクシー待ちは長蛇の列だ。
「地下鉄でいきゃあいいじゃんか。荷物持ってくのが少し辛いけど・・・」
しかし彼は色んな意味で「交渉人」で、何かにつけて交渉事に抜け目なく立ち回る。そのときも何やら待ち行列とは違う路地にタクシーを停めて交渉していた。
「磯辺さん!回送のつもりで空港まで行ってくれるそうです。45ユーロですって。OKですよね」
「してやったり」という顔で走り寄ってきた。地下鉄のほうがいいと思ったのだが、そのまま空港へ行ければ便利派便利だ。
我々はトランクに荷物を積んでタクシーに乗り込んだ。出だしは好調で渋滞にもそれほど出くわさず市内を走り回っていたが、ところどころ交差点に警官がいて自動車を誘導している。規制によって入れないエリアがかなり多いらしい。
快調に走っていたようなタクシーだが、実は同じところをぐるぐる回っていたのだ。。。さっきから50mくらいのところに停車した運転手は・・・「悪いけど降りてくれ。市内から出られないよ」
「だーかーら、言ったじゃんか!」
普段何かにつけて要領の悪いことこの上ない私だが、いざと言うときには結構な確率で最適解を見抜くのだ。。。
重い大型キャスターバッグを転がしながら、地下鉄の駅まで走り何とかヴェニゼロス空港までたどり着いた。
神話の時代から歴史を進めて古代ギリシアと言えば、「ヘウレーカ」のアルキメデスをはじめ数学でもお馴染みの名が山ほど出てくるし、野坂昭の「そ、そ、ソクラテスかプラトンかー」もいるし、学者王国だ。
人類史上、最も色んなことを考え2000年以上たった今でも異彩を放つ「知性の時代」だったようだ。
私は高校時代、世界史を選択していたから(担任の専門だった)ひと通り勉強してきたつもりだ。
その担任教師は学校でも結構名物で、教科書やプリント類は一切使わずに70分授業の始めから終りまでずーっとしゃべり続ける人であった。(2年前の同期会で、久しぶりにお話ししたがお元気そうであった)
我々はとにかく早口でまくしたてられる授業でノートに記録するのがやっとだった。我流だが速記術(ただのなぐり書きだが)を習得できたものだ。
2,3年のクラス持ち上がりだったその先生だが、授業中後ろで打ち上げ会の打合せをしていて殴られた以外に、卒業式の言葉が印象的だった。
それは世界史の教師らしい、独特な人生観をもった「お説教」であった。
「私は古代の歴史の中では『ローマ』が一番好きだ。『ギリシア』もいいが、ローマのほうが人間らしい躍動感がある。確かにギリシアと言うのは、「知性が光っている」という意味では魅力的だ。キミたちが学んできたことの多くはギリシア発祥だから。比べてローマの歴史は血生臭い。知性というよりは、欲望剥き出しでどちらかと言うと低能だ。
しかし人間の進歩は頭で考えるだけでは実現しない。手を動かすことが大事なのだ。」
ちょっと記憶が定かでなくなっているが、そんな内容の話であった。ローマの遺跡のほうが確かに人間臭い、実用的な雰囲気があった。
オリンピックの開会式ではどの回においても、先頭で入場するギリシアという国である。
世界的な遺産・遺跡に恵まれその観光収入で国民全体が緩くのんびり過ごしてきた結果、「自業自得」で財政破綻になりつつある、と言われるが、行ったことは一度しかないものの、子供の頃から何かにつけて縁があるような気がして親しみがある。
実はワールドカップでも応戦しているぞ。厳しいグループだが、頑張ってもらいたいものだ。。
アジア勢として韓国(史上最強と言われる?!)にも頑張ってもらいたいが、初戦はギリシアであった。
ギリシア・・・にもがんばってもらいたいんだが。。。見事負けてしまったな。
最初この記事のタイトルは「お仕事です!(ギリシア編)」であった。
ボストン編と前後してしまうかもしれないが、5年ほど前仕事で訪れたことがあるのだ。はっきり言って「リゾート地」でのカンファレンスであったため旅行っぽい話題がなくスルーしていたのだが、先日「池上彰そうだったのか学べるニュース」でギリシアの経済危機を取り上げていたのを思い出した。
(池上さんのあのニュースってホントにわかりやすいよね)
まずギリシアという国だが、人口1000万人、GDP30兆円でどちらも日本の10分の1以下だが、ユーロ圏であるためにドイツをはじめ色んな国に直接波及してしまったのだそうだ。
観光産業がメインで労働者の4分の1が公務員という、観光客の落としていく金であんまり勤勉に働かなくても暮らしてこれたらしい。
「神話の国」だから街中にある遺跡だけでもずいぶん潤ってきたのかな。国家財政そのものはこれまでずいぶん緩く、適当なものだったらしい。「事業仕分け」のR舫議員が見たら逆上するかもしれない。
私のギリシア歴は意外と古い。これまたマンガが起源なんだけど。。。
少年のときに「月曜日にこの続きを読むために」1週間過ごしていたと言ってもよい「リングにかけろ!」(少年ジャンプ)にギリシア神話がたくさん出てくるからである。
「オリュンポスのギリシア12神」(最高神はもちろんゼウスで必殺ブローはゴッド・イリュージョン)なんてものが出てきて、戦いのシナリオがギリシア神話になぞられているのだ。神の名や由来などはすぐに覚えてしまう。
また星空にもギリシア神話に登場する名前の星座や木星の衛星、小惑星などがたくさんあり、気が付くと名前だけには親しんでいる。
ギリシアに出張すると決まり、今更思い出したように図書館でギリシア神話の本を借りてきて、ひととおり読んだことがある。
最初から活字だけ読んでいると登場人物が多すぎて話が整理できず一向に頭に入らない。(複雑な交流関係に弱いのである)
仕方がないから邪道ながらマンガでひと通りシナリオを理解しておいて真面目な本を読んだ。今でもよく使われる諺や物の名前がたくさんあるのが面白い。
たしか有名なブログに書き込みしたのが「シシフォスの岩」(実はずーっと『シンフォスの岩』だと思っていた)、そして「エリア88」にも「リングにかけろ」にも出てきた「パンドラの箱」が印象的だった。
我が国の神話と言えば「古事記」で、同様の方法で読んでみたことがある。
「神話」というのは言い伝えに近いものか、我々凡人には理解の及ばぬ深淵な意味やありがたい教訓が満載されていると思われるが、洋の東西を問わず私が感じるのは意外と「ゲスでグロい」こと。
ゼウスにしてもやおろず八百万(やおろず)の神も、やってることは限りなく俗っぽくてえげつなく、これ以上ないくらい人間っぽい。(いや人間界よりも「何でもあり」だ)
でもそう言った神話にまつわる神殿のような遺跡が街中にいきなりあるのだからすごい。(ローマのコロッセオもすごいと思ったけど)
あういう何千年も前の建築が残っていられるということについて、地震がないとは羨ましいものだ。
さて、ギリシアでの「お仕事」だが、カンファレンス会場は「ラゴニッシ」というそのあたりでは有名なリゾート値であった。
アテネからタクシーで45分くらいだろうか、もちろんコバルトブルーに輝くエーゲ海に面していて、風景画のような見事な景観をもつ。(しかし周りには他に何一つない)
ホスト役は昔からの取引がある、たしかイスラエルを本拠とする企業だ。かなりワールドワイドな商いをしており、毎年数十カ国に点在する大口顧客を集め、彼らの商品についてのユーザ事例や関連するマーケット、技術の動向について情報を交換するのである。(外資系企業にはこういった「ユーザカンファレンス」という名の懇親会っぽいイベントが多い)
毎年行われるから「定点観測」すれば色々なことの動向がよくつかめる、ということで結構参加していた。前の年はたしかスペインのマルベーリヤというところだ。本拠地がイスラエルだから地中海沿岸が多い。
5日間の滞在で開始前日はいきなり主催者側の企画でスニオン岬というところの「ポセイドン神殿」観光だ。アテネ市内観光とどちらか選べたのだが、そちらのほうはとっくに満員になってしまった。。。皆、抜け目ないなー。
ディナーはホテルでスブラキとムサカのオンパレードだ。
昼間は(やることがないから?)真面目にカンファレンスに参加し、その後は連夜のイベントだ。経費は主催者持ちで参加は自由だがいろんな趣向を凝らした催しが用意されている。
最後の夜はなんと、アテネオリンピックスタジアム(2000年)のグランド内でファイナルパーティだ。
参加国68の国旗を用意し、オリンピック開催式の入場行進さながら音楽に合わせて登場する。ちなみに日本選手団は4名である。
まったくお祭り屋魂が旺盛なのか、いったい何を考えてるのかさっぱりわからぬ。カバーは敷いてあるとは言え、神聖なグランドで平たく言えば「大宴会」なんて不謹慎すぎるんじゃないの?
むろん振舞われた料理やギリシアワインは美味なること間違いなしなんだが。。。
帰国の日、アテネからのフライトには半日ほど時間があった。アテネ観光できなかった我々はすかさずホテルをチェックアウトし、パルテノン神殿へタクシーを走らせた。
それこそ世界各国からの観光客で賑わっている。修復中なところもあったが、さすが見事なものだった。周辺にも小さい遺跡などがかなりあるようだ。
入場する際に水以外の飲み物は預けなければならない(事実上没収である)。ジュース類の成分には大理石を傷めるものがあるからだそうだ。
時間いっぱいまでその辺りの遺跡を見物し、最後にお土産屋に寄ることになった。神殿の形をした置き物やTシャツなどは決して買わないようにして・・・
ギリシアと言えば神話時代からの遺跡などは思いつくが名物の土産は何か全然わからない。
「地球の歩き方」に載っていた海綿の名物を売っている店を懸命に探したがどうしても見つからず、しかたがないので場末の土産物やでギリシアナショナルチーム(サッカー)ユニフォームのバッタもんを購入して帰った。
初めて見るユニフォームで背中の名前がギリシア語なのが珍しかったのかかなり気に行ったらしく、小さくなって着られなくなるまで息子は練習着に使っていた。。。
ワールドカップでも似たようなデザインだったぞ。懐かしい。
ぼちぼち空港に向かう時間になって、アテネの中心部が巨大なデモ行進などで交通が規制されていることに気が付いた。同行していた同僚の奥さん情報によると、その日は日本で言う「メーデー」に当たるという。困ったな、バスは運休しているようだし、タクシー待ちは長蛇の列だ。
「地下鉄でいきゃあいいじゃんか。荷物持ってくのが少し辛いけど・・・」
しかし彼は色んな意味で「交渉人」で、何かにつけて交渉事に抜け目なく立ち回る。そのときも何やら待ち行列とは違う路地にタクシーを停めて交渉していた。
「磯辺さん!回送のつもりで空港まで行ってくれるそうです。45ユーロですって。OKですよね」
「してやったり」という顔で走り寄ってきた。地下鉄のほうがいいと思ったのだが、そのまま空港へ行ければ便利派便利だ。
我々はトランクに荷物を積んでタクシーに乗り込んだ。出だしは好調で渋滞にもそれほど出くわさず市内を走り回っていたが、ところどころ交差点に警官がいて自動車を誘導している。規制によって入れないエリアがかなり多いらしい。
快調に走っていたようなタクシーだが、実は同じところをぐるぐる回っていたのだ。。。さっきから50mくらいのところに停車した運転手は・・・「悪いけど降りてくれ。市内から出られないよ」
「だーかーら、言ったじゃんか!」
普段何かにつけて要領の悪いことこの上ない私だが、いざと言うときには結構な確率で最適解を見抜くのだ。。。
重い大型キャスターバッグを転がしながら、地下鉄の駅まで走り何とかヴェニゼロス空港までたどり着いた。
神話の時代から歴史を進めて古代ギリシアと言えば、「ヘウレーカ」のアルキメデスをはじめ数学でもお馴染みの名が山ほど出てくるし、野坂昭の「そ、そ、ソクラテスかプラトンかー」もいるし、学者王国だ。
人類史上、最も色んなことを考え2000年以上たった今でも異彩を放つ「知性の時代」だったようだ。
私は高校時代、世界史を選択していたから(担任の専門だった)ひと通り勉強してきたつもりだ。
その担任教師は学校でも結構名物で、教科書やプリント類は一切使わずに70分授業の始めから終りまでずーっとしゃべり続ける人であった。(2年前の同期会で、久しぶりにお話ししたがお元気そうであった)
我々はとにかく早口でまくしたてられる授業でノートに記録するのがやっとだった。我流だが速記術(ただのなぐり書きだが)を習得できたものだ。
2,3年のクラス持ち上がりだったその先生だが、授業中後ろで打ち上げ会の打合せをしていて殴られた以外に、卒業式の言葉が印象的だった。
それは世界史の教師らしい、独特な人生観をもった「お説教」であった。
「私は古代の歴史の中では『ローマ』が一番好きだ。『ギリシア』もいいが、ローマのほうが人間らしい躍動感がある。確かにギリシアと言うのは、「知性が光っている」という意味では魅力的だ。キミたちが学んできたことの多くはギリシア発祥だから。比べてローマの歴史は血生臭い。知性というよりは、欲望剥き出しでどちらかと言うと低能だ。
しかし人間の進歩は頭で考えるだけでは実現しない。手を動かすことが大事なのだ。」
ちょっと記憶が定かでなくなっているが、そんな内容の話であった。ローマの遺跡のほうが確かに人間臭い、実用的な雰囲気があった。
オリンピックの開会式ではどの回においても、先頭で入場するギリシアという国である。
世界的な遺産・遺跡に恵まれその観光収入で国民全体が緩くのんびり過ごしてきた結果、「自業自得」で財政破綻になりつつある、と言われるが、行ったことは一度しかないものの、子供の頃から何かにつけて縁があるような気がして親しみがある。
実はワールドカップでも応戦しているぞ。厳しいグループだが、頑張ってもらいたいものだ。。