超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

ヨーガへの道

2010-06-09 22:05:20 | スポーツ・健康
「スペシャルナイトコース」(何か少し怪しげ?!)という会員で会社帰りにフィットネスジムに寄るようになってから10年になる。
月々の会費が最も安いが、施設を利用できるのが平日の20時から24時、土曜の18時から21時に限られる。
会社は毎晩遅くまでいるわけではないから、週2〜3回ペースで早く帰る日は寄ってくる。

確かに通い始めた当初に比べると数キロのダイエットにはなったであろう。しかし体型や体脂肪率はというと・・・10年間で66万円払い込んだ勘定になるが、わずかに逆三角形化したのと人間ドックでメタボギリギリセーフを維持しているに過ぎない。
私はこの手のものをやりだすと「やめられない止まらない」の、かっぱえびせん状態になってしまう傾向が強く、「健康のためなら死んでもいいヤツ」と冷やかされてきた。
しかし結構まじめに続けてきたのにこの程度の成果しかない。。。

長ーい目で見ると、自分の体重や体調を気にするようになり、習慣的にカロリーを消費するようになったからよかったのだろう。
むしろこの習慣がなければ暴飲暴食の荒れた生活を続け、坂道を転がり落ちるようにメタボリックまっしぐらになっているところであった。
10年かけてほぼ「維持」しているだけだから、やらなかったら大変なことになっていたに違いない。

最初のうちはバイク漕ぎをやったり、ジョーバをやったりマシンで筋力トレーニングを行っていたが、ある日勇気を振り絞って「スタジオプログラム」というヤツに挑戦した。
夜8時以降でも二つあるスタジオで曜日によって様々なプログラムがスケジューリングされている。
時間的には通勤帰りの会員を対象にしているから、癒し系から激しいものまで若者チックなカリキュラムである。

私が最初に挑戦したのは「おなかスッキリ」というそのまんまのコースである。
同じ絶滅種としては「スタイリー」よりは新生代だが、「アブトレーナー」という子供用ゴールのような形をしたアルミ製フレームの腹筋トレーニング機器を用いて、延々と30分腹筋をやり続けるコースだ。
音楽に合わせてリズムに乗れず、人と違う動きしかできない屈辱がないから結構参加しているのはおっさんであった。
一度数えてみたら300回以上腹筋をやっている。初めてトライしたときは何故か1週間ほど首の後ろが凝り固まって回らなくなった。

半年に一度のペースでスタジオプログラムのスケジュールは更新され「おなかスッキリ」は昼のコースに移動してしまった。(アルバイトの女性が大学を卒業して辞めてしまったこともある)
それからエアロビクスはもちろん、ただ走るだけの「ガンガンジョギング」とか歩くだけの「ウォークエクササイズ」など様々なプログラムに手を出した。
しかしながら一番ポピュラーなエアロビクスは手と足をリズムに合わせて動かすことだけはどうしてもできずにギブアップ。。。
入れ替わりの激しいプログラム帯もあるが、どうやら定着したのが「レスミルズ・プログラム」というものだ。

各プログラムは「ボディ・○○」という名称で統一されており、30分、45分、60分のコースがある。
私が習慣化に成功したのは、たまたまこれらのプログラムがどんなにスケジュールが入れ替わっても必ずどこかにあった4種類だ。

ボディ・コンバット:一番最初に始めた格闘技ベースのエアロビクス。音楽はハイテンポだがパンチやキックは動きが慣れているのですぐに慣れた。

ボディ・パンプ:軽めのバーベルを使って全身の筋肉を強化するトレーニング。音楽に合わせて行うから楽しいし、動きも簡単だからこれもすぐに習慣化した。

ボディ・アタック:エアロビクスに一番近いがシンプルな動きでガンガン動く。難しい動きがないが何せ運動量が半端じゃないので、疲れているときは長時間は持たない。

ボディ・ヒーリング:ヨーガ、太極拳、ピラティスを取り入れて身体の柔軟性やバランスを強化するトレーニング。めちゃめちゃ疲れている時だけ参加した。後半15分でリラクゼーションがあるが、何人かはいびきをかく。

参加している年齢層は比較的広く、同じ曜日は同じような顔ぶれだ。みんなちゃんと習慣化しているのだな。
どれも終了したときに汗がしたたり落ちるほどの運動量だ。翌日にも結構ダメージが残っている。
「運動した後、酒を飲んではいけない。ただでさえ活性酸素で体が痛めつけられてるのだ。アルコールでそれ以上負担を増やすのは寿命を縮めることになるよ」
運動した後の一杯が至福のときだったのだが、40歳を過ぎてその言葉が体現できるように思えてきたので、人間ドックの医師の忠告を忠実に守り、フィットネスジムに寄った日は休肝日としている。

しかしさすがに10年前に比べて格段に体力が低下していきた。複数のマスタークラス(60分)を2コース連続まではできたのだが、最近は45分クラスでもしんどく感じるようになった。
週3回寄るときは、滋養強壮にキューピーコーワゴールドを飲んで行くようにもなった。(何か違うよな・・・)
そこでいよいよ目をつけたのが「ヨーガ」である。

体調がイマイチ濁っていて、運動不足かと思い近くのジムでトレーニングした妻は、調子よくなるどころか悪化する気がしたらしく、専門の先生に相談したら「ヨーガ」を勧められたという。
身体に歪みなどができて不調なときに「トレーニング」なんてとんでもない、と言われたようだ。
内蔵や骨格その他身体のあるべき位置に戻すのが先決で、そのためには「ヨーガ」の呼吸が大切だという。。。

うーむ。。。何となく自分もそんな気がしてきたのだ。ボディヒーリングというプログラムが「ヨーガ」の動きを取り入れているらしいが、ふにゃふにゃ動くだけでどうも全身の運動した気がしないため敬遠していたが。(しかも時間も遅い)
4月になって月曜日のスケジュールに「ヨーガ」とそれに続く「パワーヨーガ」というのが現れた。
インストラクターは同じ女性だがそれぞれ30分ずつの独立したコースなので、半分しかやらないというのも「あり」だ。

会社の仕事を早く片付けて月曜日にスタジオに行ってみた。開始時刻は8時10分だ。(ちょっとぎりぎり)
最初は簡単なストレッチや呼吸法の練習だ。ヨーガらしい独特なフォームも少しずつ取り入れられてきたが、どうってことないな。
「対内の悪いものを吐きだして、きれいなエネルギーを吸いこむように・・・」って、そんなことどうやってやるんだよ。。。
しかし繰り返して行くうちに「だんだんその気になってくる」から不思議なものだ。
インストラクターの言う「これが○○○のポーズです」というのは、ほとんどがレインボーマンにも出てこなかった解読不明の言葉だった。

心拍数が上がり、身体じゅうから汗が噴き出すことはないが、なんとなくボワーンと暖かくなってくる。30分たって身体がじっとりしてきたが、この程度でカロリー消費ってしてるんだろか。
次の「パワーヨーガ」はその名のとおり、筋力トレーニングと脂肪燃焼系が組み込まれているらしい。
まあ、飛んだり跳ねたり、バーベル持ち上げたりするのに比べればちょろいもんだよな、と思って臨んだら・・・
私は(容積の割には重たいせいだろが)極めて体バランスが悪いことを痛感させられた。

「硬い」のはしょうがないと思うのだが、身体を「点」で支えたり、そのままポーズを動かしたりすることがひどく苦手なのである。
こりゃーいけねえな・・・片足を曲げて後ろに持ちあげて足首を掴み、反対の手を真っすぐ前に伸ばしてだんだんかがんでいくポーズ。スタジオの1/4くらいをぴょんぴょん飛び跳ねてるのは私くらいではないか。。。

なになに?右ひじを右膝に乗せて身体を左に開き、左手を天井に伸ばしてその先端を見つめる・・・その次に右足をできるだけ真っすぐ伸ばして左足を地面から話すだと?!・・・
体を支える足裏、足首に猛烈な力が必要だ。プルプルと震えているのがわかる。。。こりゃーきついぞ。
左手を左足の内側から外へ出して、背中の後ろを回した右手で掴むとな?「こっこれはいかぬ!肩と背中がバキっと鳴ったぞ」
さらにできれば右足を宙に浮かす・・・「そっ、そんなことができるものか!」

気が付くと汗がしたたり落ちていた。いわゆるぜーぜー言う疲れではないが、身体中が悲鳴をあげているようだ。
レスミルズ・プログラムはかなりカロリーを消費していると思う。いわゆる「鍛える」というヤツだ。
むろん身体そのもの疲れや筋肉痛もある程度残るので連夜で通うのは避けていた。この歳では休息も大事であう。
しかし、この「ヨーガ」というものの後は身体に与えた「ズン!」というダメージの塊のようなものが1週間はどんより残っていた。

これは侮れぬ。。。というよりこれからは妻もアドバイスされたように過激系から「ヨーガ」のような神秘系にシフトしたほうがよいのではなかろうか?
近所の運動公園の施設でも「ハタ・ヨーガ教室」というのがあるそうだ。
サーフシーズンに入りオフ中にかなりトライセプス(上腕三頭筋)が落ちていることを痛感したが、その辺はマシーンで強化するとして・・・10年かかったが、やっぱりヨーガかな。。。
わかってはいるのだ。我々の年齢になると阿修羅のように運動でカロリー消費してもダメで、三食の「健全性」が支配的あることは。