超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

新・共通の趣味

2015-02-08 20:51:00 | スポーツ・健康
はるか以前だが、我が家も周囲のお友達にも「共通の趣味」を持っている家族・夫婦は少ないということを書いた。「共通の趣味」編だったろうか、何か一緒に打ち込むことがあるのは羨ましいが、一方でパートナーごとの不可侵領域(理解不能領域と言ってもよい)は何かあった方が、「逃げ道」があってよいというようなことで結んだ。前職場でそんな話を昼飯時にしていたら、真っ先に「そうそう!」と膝を打ったのが育児休暇明けの「しーちゃん(仮称)」である。私が数ヶ月後に異動してしまったので、短い期間だったが明るくバイタリティもあり「もう少し早くから同じ職場にいたかった」と思える「デキ女子」だった。上司にも平然と食ってかかり、たまに衝突して「泣かされた」らしい。

しーちゃんによると、「夫婦共通の趣味などありえない」というのである。「できかた」の不均衡がちょっとでもあるとうまくいかないらしい。スポーツで言えば、何にしても体力的に男性の方が先を越すケースが結構多い。旦那にすすめられて始めたゴルフとか、サーフィンなどもそういう知り合いばかりだ。ちなみに私がサーフィンを始めるきっかけとなった向かいの奥さんも、ご主人はかなりのベテランでそのために引越してきたくらいのサーファーである。(私はかの奥方の姿を見て「この人にできて、オレにできないはずがない!」と衝動的に始めたのである)女性が大学のサークルの後輩なんてケースもあるが、どちらにしても男性側がリードしていくことが多いようだ。

「初めから師弟関係だったり、『ごろにゃん保護されてますー』状態だったらいいんですけどぉ・・・」夫婦の間は他人よりも近いので「教えたり」「叱咤したり」する時の言葉に容赦がない。能力が拮抗して相手が少し上にいる時の「上から目線」や「夫婦ならではのキツい言い草」がしーちゃんには許せないらしいのである。結婚して後に運転免許を取った時、初心者マークを付けてご主人が助手席で色々「指導」されたが、あまりの五月蠅さに「そんなら、お前が運転しろー!」とステアリングを両手放しにしてふんぞり返ったという。慌ててご主人がハンドルを切って止めたと言うが、恐ろしいことをするもんだと思った。そう言えば私も妻が結婚してから免許を取ったが、仮免の練習中はおんなじように五月蠅く吠えていた。しかし彼女が自分で作った「仮免許練習中」のプレートの端っこに小さい字で「無事故無違反」と書いてあったのを見て、何となく怒れなくなってしまった。。。

運転は教えても教えられても「ムカつき」が出てしまう例だろうが、スポーツや他の趣味でも確かにしーちゃんの言うことには一理ある。その場で落ち着いた結論は「夫婦で同じ趣味を持つなら妻側が少しだけ上をいくのがよい」ということだった。「ところでしーちゃんはどんな趣味を持ってんのさ?」と聞かれて、何か聞いたこともないディープなコミックを読むことと言っていた。なるほど絶対領域を作ってるんだなと思った。さて、遠からず息子甘辛が家を出て行った後にさしあたって共通の趣味と言えるようなものは「散歩」くらいしかないと以前書いた。実はただ歩くだけのことでも、趣味として侮れないことは分かっている。特に我が家周辺は川があり公園があり、海が近いので歩きネタには恵まれている。カメラ片手に面白ネタを探すのもよし、ちょっと負荷をかけてトレーニングするのもよし、途中で釣り糸を垂らすこともできるし、江ノ島まで歩くといっぱしの観光は全部揃っている。

  

二日酔でも海に入ると治ると以前書いたが、海には医学的な効用以外にも不思議な解毒作用があり、精神がささくれている時でも、地雷を踏んでしまった時でも海辺をふらふら歩くと、何となく治癒していくような気がする。海岸線を離れ最近よく歩くのが江ノ島「スバナ通り」である。江ノ電の江ノ島駅から弁天橋まで向かう小路で、大昔からあるお土産屋、老舗旅館や廃業した旅館の店先で使用していた食器を展示販売している軒先、「日本で一つしかない」と自称している「灯台の店」、種々の「しらす料理」店街に紛れて、ちょっとしたトラットリアやベーカリーなどが姿を現すが競争が激しいらしく入れ替わりも速い。そして江ノ電江ノ島駅を過ぎて龍口寺方面を歩くと、何となく「有閑マダム向け」レストランみたいな店がいくつか現れる。最近は散歩の終点にそう言った「行ったことない店」で試しにランチを取ることが多いのだが、「これで1500円?」・・・決して味覚の閾値が高いわけではないが、「やっぱロアジにすればよかったな」ということが多い。

    

龍口寺の前から腰越にかけては江ノ電が唯一「路面電車」と化すところで、電車接近の相図が鳴ると私でも何か緊張する。鎌倉方面行きはホントに住宅に挟まれた路地から突如現れるのである。信号があるわけでもないので、観光できた他県ナンバーの自家用車などはどうしていいか分からず、立ち往生してしまうこともある。安全のためだから仕方ないが、こういう時、江ノ電運転手は「ぷぅうわあああーん」という情け容赦のない警笛の浴びせる。この交差点に古くから「江ノ電もなか」という小さな店があり、本物の「単コロ」車両の顔部分とパンタグラフが目印になっている。ファンには結構な名所のような気がするが、あまり人で賑わっているのを見たことがない・・・すぐ隣にあるアイスクリーム屋の方がお客さんがたくさんいるようだ。この江ノ電が路面に登場する少し手前には真横が線路というカフェがあり、店内には線路に向けたカウンターがある。電車を眺めながら一休みというノリだが、窓から手を出せば頭が撫でられるくらい近距離だから、あまり眺めにならないと思う。。。

        

先週末は天気も良かったので、こんな風にして散歩を楽しんだが、ここにきて共通の趣味の世界が二つ増えた。一つは「爽やかな楽走編」で少し書いたが、マラソン大会出場である。以前、湘南藤沢市民マラソンは5kmのレースがあったので一緒に出たことがあるのだが、その後10マイルオンリーになったので離れ離れになっていた。その後もいくつか10km(テンケー)レースを誘ってみたが、5kmマラソンもかなりキツかったらしくノッてはこなかった。しかし最近少しずつジョギングを再開しているようで、私が先日16km走り切った後に来年は一緒に出場することになったのだ。ただし共通なのは「マラソン大会出場」であり、ジョギングや練習は各自バラバラだ。しーちゃん曰く典型的な「合わない」ケースで速い私(と言ってもそもそもただ走るだけは好きでない)と遅い妻ではペースが合わず無理にお互いに合わせても楽しくないどころか共倒れになるからだ。直近の大会出場は県内の某国際親善大会で妻は5km、私は10kmである。当分そんなスタイルを続けて、ターゲットである来年の湘南藤沢市民マラソンを一緒に走れればよいと思う。

      

さて共通の趣味候補が意外なところから現れた。「スカッシュ」である。ラケットボールと区別がつかぬが、密室で防護メガネをして壁に向かって打ちあう競技だった。5,6年くらい前に息子甘辛のサッカー合宿が千葉の保田というところで開催され、冷やかし半分に泊まりに行ったホテルに両方とも施設があったので1回だけ試しに遊んだことがある程度だ。我が家と遠からぬ縁のある一家の奥方が近所のセンター施設でスカッシュに打ち込み、妻を誘って割と本格的に始めたのである。(誰と分かってもスル―してね)彼女らが何度か練習をした後に私も誘われて、見よう見まねで久し振り(と言っても2回目だけど)に小さなラケットを振ってみたが、正直妻と大したレベルの違いは感じなかった。先日夫であるしんさんも一緒にラケットを握ると、意外なほど上手になっていた。女性軍はこそ練したり、上手な人に習ったりしているらしい。

スカッシュというのは卓球ボールよりも小さく堅いゴムボールで行う。(ラケットボールはもう少し大きいようである)ボールの空気が抜け気味?で最初はほとんど弾まない。しかしバコバコ打ち合っているとボール自体が暖まり、内部が膨張してだんだん弾むようになってくるのである。「弾み方」がテニスボールや卓球よりも弱いので、初速が速い割には打ち返すタイミングが難しい。床に対しノーバンやワンバンで打ち返し、正面の壁の有効エリアにノーバンで当てなければならないのは記憶していた。前後左右の壁を自在に使ってよいので、単なる壁打ちよりははるかに複雑で面白い。しかし少年時代(インベーダーゲームが流行るはるか以前・・・)誰よりも「ブロック崩し」の得意だった(ちなみに最初の1球で一度もミスすることなく全面(7面)をクリアできた)私は「反射」には滅法強いのだ。

一番上手なのはキャリアの長い奥さん、私としんさんは2回目くらいなので似たようなものだが、相手の取れないところにボールを落として(多少こすっからく)得点する嗅覚は素晴らしく、奥さんもガチンコゲームすると負けることがあるという。私はレベルがどうなのかはよく分からぬが、テニスでも卓球でも「続ける」ほうが楽しいと感じ、難しい球をギリギリですくうのに快感を感じ、相手が歯ぎしりするようなところにボールを落とすのは(武士として)好きではないので、たぶん試合には強くない。ただしばらくやっていて身体は動かなくても要領は飲み込めてきた。このスポーツのキー技術は「予測力」である。相手が打つボールの球筋とフォームから跳ね返ったボールの軌道を予測して予め移動するのである。来てから動いたのでは間に合わない。次回はブロック崩しで培われた「大リーグボール1号」並の私の予測力が光ることだろう。

さて話を共通の嗜み論に戻すと、スカッシュにおいては明らかに妻の技量が私を上回っており、しーちゃん言うところの理想スタイルである。「勘や反応だったらあなたの方が鋭い」と言われるが、やはり上級者から色々教わっている者は上達速度が速い。たっぷり1時間汗をかいて、サイゼリヤで遅めの食事を摂っている時、「きなこもちさん、急激に上手くなってない?」という奥さんの言葉にしんさんは「そうそう、すごい上手になったよねえ。初めて見たけど・・・」とマリアナ海溝よりも深く、オレイン酸の単分子膜のように薄っぺらなコメントを吐露した。「???初めて見たのに、どうして上手くなったのが分かるの?心眼?」妻は腹を抱えて笑い転げていた。。。彼には注意して聞くと失笑するか苦笑するか迷うような謎の言葉が多い。現時点で明らかな母親似のお嬢さんについて「パパはどこに入ってるんだろうねえ」と首を傾げると、自信を持って「内臓ですよ」と答える。「ぎゃーっはっは、胃内視鏡検査で初めて『うわー、お父さんそっくりですねーっ』って言われるん?」(どうも意味が分からぬ・・・)
しかし家族夫婦で嗜めるものができたというのは素晴らしいことである。今回は写真を撮るのを忘れてしまったが、次回はちゃんとレポートすることにしよう。


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (磯辺太郎)
2015-02-11 14:29:23
小夏様

橋の近くの消防署ですかぁ?何を隠そう、息子甘辛と練習中にベンチでぶっ倒れた会長(仮称)さんを運んだ救急車が出動したところです。我々が呼んだんです。そういや、遺産相続(まだ?)の話がこないなー。
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Unknown (磯辺太郎)
2015-02-11 14:26:36
小夏様

そうだそうだ、以前師匠がこちら方面にお出でになった時にアップされてましたね。(確かアイスクリーム屋付近?!)
本物の列車が突如、目の前に現れるのですから、初めて見る人はビビるでしょうねえ。腰越からは路面を走ってきますが、江ノ島駅からはホントに細い路地裏のようなところから出てくるから面白いです。あの近辺は列車の窓から手を出すと洗濯物が引っ掛かりそうです。
そうそう、お寺さんは龍口寺です。昔、罪人の処刑場があって、日蓮上人がそこで斬られそうになった時、天変地異が起きて助かったいわれがあるそうです。
あの日は久々に空気も澄んでいて景色が綺麗でした・・・

スカッシュと聞くと飲物か屁しか思い浮かばなかったのですが、都会的ですかねえ。入反射角も大事ですが、やはり決め手は大リーグボール1号です。

湘南蚤の市というイベントは知りませんでしたが、蔦谷書店はT-SITEだと思います。TSUTAYAの本屋版で、カフェでお茶しながら読書ができるようですよ。
一度偵察してレポートします。
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Unknown (小夏)
2015-02-11 00:50:15
どうでもいいことですが、
消防署の前通りました ←本当にどうでもいいですね。キャハハ

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Unknown (小夏)
2015-02-11 00:44:27
をっをををっ!?
この交差点は、、、見覚えあります―
そうそう、電車がやけに大きく出てきて、ビックリするやらあり得ない可笑しさやら、妙にニンマリ。出てきたときは江ノ電とも知りませんでした。そう、その時角のお宮さん(お寺)のようなところにカメラ女子がいて珍しい風景を狙って撮っていたのがとっても印象的でした。ココが師匠が書かれている龍口寺なのかな。

いやぁーーーん、きれいですねー!!お写真最大にして拝ませていただきました。遠くは熱海の方まで、手前はサーファーの数まで数えられそうです^^

スカッシュ~~ 都会は違いますねー!!
師匠は潜在能力に理系の入射角反射角も瞬時に計算はいっていそうです(笑)
お友達ご夫妻様、最高ですね

そういえば、師匠、、
湘南蚤の市なるイベントに目が止まりました。蔦谷書店だったかな。。マップをみますと、もしや緑のパン屋さんから東に向かった方面に再開発のようなことしていた場所にあんなのが出来たのでしょうか。
他にも興味を引く行事がいろいろ、、やっぱり文化的にも楽しげですねー。住みやすい憧れの街というのも頷けます。
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